【21日目】モンゴルの大自然で動物に囲まれ乗馬ツアー

大草原でひたすら馬に乗り、なんだか乗りこなせた気がする満足の表情。

大草原でひたすら馬に乗り、なんだか乗りこなせた気がする満足の表情。

世界一周の第1国としてモンゴルを選んだ理由の1つは馬に乗ることだった。それもただ乗れば良いというものでもなく、大自然の中で長くゆっくりと馬で旅がしたかった。1〜2時間の体験乗馬ではなく、馬で移動し、テントで寝泊りしながら、自然を満喫したかった。しかも安く……。今回それが実現できたので、その方法と体験記を書こうと思う。

余談だけど、これを書いている時のBGMはInto the Wildって映画のテーマ曲である<Guaranteed>。凄く良い曲なので、興味がある人はぜひ。

馬に乗るべくウランバートルを出る

まず、モンゴルで乗馬ツアーを体験するにはガイドを雇うことになる。定番の方法は首都ウランバートルのゲストハウスでツアーを紹介してもらうという方法。どこのゲストハウスもツアーの紹介をしていて、ウランバートルを中心にモンゴル各地へのツアーを紹介してくれる。詳しくは知らないが、定番としてはウランバートル周辺で1〜2泊程度の短いツアーか、南部のゴビ砂漠や北部のフブスグルまで車で行き、現地で馬に乗る4〜5日以上のものがある。

価格帯としてはどこで聞いても(そして他の旅人に聞いても)1日$40〜$50くらい。気をつけてツアーの内容を説明してもらわないとこの価格に何が含まれていて、何が含まれないのか分かりづらいこともあるので、気をつけたい。例えば食費が含まれたり、含まれなかったり……。

僕らの予算としては1日$50は少し高かった。そこで考えたのは公共の移動手段で現地まで行き、その場でガイドを探すという方法。行き先を北部のフブスグル湖ほとりのハトガルに定め、動くことにした。

ウランバートル〜ムルン〜ハトガルと2本のバスを乗り継ぐのが一般的な移動方法。スムーズに乗り継いでも計20時間近い移動となる。

ウランバートル〜ムルン〜ハトガルと2本のバスを乗り継ぐのが一般的な移動方法。スムーズに乗り継いでも計20時間近い移動となる。

ウランバートルからハトガルへは飛行機かバスで行くことになる。もちろん予算重視なので、バスを選んだ。ハトガルへの直通バスはなく、ウランバートルからムルンという町をまずは目指す。ウランバートルのドラゴンステーションから1日2本バスが出ている。割とすぐに満席になるようで、僕らは2日先のバスしか取れなかった。その日にでも出発するつもりですべての荷物をもって、宿をチェックアウトしたのに……。ともあれ、まずはムルン行きのチケットを手に入れよう。

さて、どうやってハトガルへ行くか?

埃っぽいバスなので、マスク的なものがあったほうが夜は快適かも。まぁ、それどころではないくらい、揺れることになるのだけど。

埃っぽいバスなので、マスク的なものがあったほうが夜は快適かも。まぁ、それどころではないくらい、揺れることになるのだけど。

ムルンには朝の6時に着いた。ここまで17時間のバスは言葉には言い表せないほど揺れる。バスが傾いて倒れるのではないかというほどだ。そして、途中でか細い橋を渡るのだが、少しでも重量を軽くするために、乗客は全員降ろされる。しかもそれが深夜0時頃に起こされるわけで、快適さというものはまったくない。

ここからハトガルまでは車で1時間半くらいで、話によると「ハトガルまでのミニバスのドライバーがいるから値段交渉せよ」ということだったのだが、そんな人いなかった。多分時間が早すぎたんだろうな。市場のあたりからミニバスが出てるとガイドブックに書いてあったので、重い荷物を背負って向かったのだが、ここで奇跡が起こる。

重い荷物でふらふらしている僕らの横に1台の車が止まった。片言の英語で「まだハトガルへのバスはない。うちのゲストハウスからハトガルに向かうツーリストがいるから、一緒に行かないか? 10000Tgでいいよ」と言う。相場が15000Tgなので、割安だし、出発までの時間はゲストハウスで休ませてくれるとのこと。ラッキー。無計画な行動は奇跡を生むね。

朝のムルンには人がほとんどいなくて、ただ砂漠の中に塀に囲まれた家が並ぶ。

朝のムルンには人がほとんどいなくて、ただ砂漠の中に塀に囲まれた家が並ぶ。

まだ奇跡は続く

ゲストハウスで休んでいるとドライバーが到着し、お互い自己紹介をするが、ここで奇跡を起こる。なんとこのバイラというドライバー僕らの名前を知っていたのだ。どういうことかと言うと、まだ日本にいた頃にWORKAWAYというサイトーーいつか別の機会に説明記事を書くけど、簡単に言うとボランティアする代わりに飯と宿を提供してくれるネットのサービスーーを通じてやり取りしたことがあった人なのだ。前に連絡をとり合ったときは既にボランティアが十分いるから、不要とのことだったのだが、「もしツアーに行ってくれるなら、うちにただで泊まってていいよ」という提案をもらい、その場で快諾。

こうして、無計画に向かったハトガルでの宿が約束され、その後のバイラとの話し合いで、1日$30でツアーを組んでもらい。そのツアー以外の期間もすべてただで宿泊させてもらうことになったのだ。これは本当にありがたかった……。

山に登りハトガルを見渡す。キレイに区画された町づくりは他のモンゴルの町でも同じだった。

山に登りハトガルを見渡す。キレイに区画された町づくりは他のモンゴルの町でも同じだった。

ハトガルでは町の中をヤク・牛・馬が闊歩している。そしてそれが恐ろしく馴染んでいる。

ハトガルでは町の中をヤク・牛・馬が闊歩している。そしてそれが恐ろしく馴染んでいる。

気分転換に持参していたヒゲのシェーバーで髪を切り、ヒゲを整える。

気分転換に持参していたヒゲのシェーバーで髪を切り、ヒゲを整える。

モンゴルの犬はいつも弱気で人懐っこい。この犬は仲良くなって、散歩するとついてきてくれた。

モンゴルの犬はいつも弱気で人懐っこい。この犬は仲良くなって、散歩するとついてきてくれた。

乗馬開始

さて、こうして2重の奇跡を通して乗馬は突然始まった。

バイラの家に数日泊まり、乗馬開始の日になり、てっきり車が迎えに来ると思って荷物を用意していたら、やってきたのは4頭の馬とモンゴルの民族衣装を来たお兄さん。特にレクチャーもなく、いきなり馬でスタート。ガイドも英語はほとんど話せず、ちょっとした単語を知っている程度なので、身振り手振りで手綱の持ち方などを教わり、動き出す。

ガイドブックに「フブスグルはモンゴルのスイスと呼ばれる」とあるように、砂漠の国だと思われていたモンゴルもこの辺りになると、美しい湖と木々に囲まれ、その中を村人が飼う羊・ヤク・馬・牛が闊歩しているわけだ。日本の暮らしに慣れた僕らにとっては幻想的と思える一方で、暮らしている人にとってはひたすら生活感のある光景に違いない。彼らにとっての動物は商品であり、生活の糧であり、毎日の仕事の対象なのだ。

――ちなみに、蛇足ではあるが、「モンゴルのスイス」という表現はまったく好きじゃない。モンゴルはモンゴルであり、おそらくスイスはスイスなのだろうと思う。ただ、見たことがない人に簡単にイメージを伝えられそうだから、この言葉を借りた。いくらパッと見た光景がスイスのようであろうとも、そこにゲルがあり、遊牧民が生活し、モンゴル茶を飲み交わす人がクラスあの場所はモンゴルであると思う。

どうやらこの地を歩く生き物の中で馬は上位に入るのか、牛やヤクのような大きな動物も、馬を見ると道を譲るように後ずさりする。そもそも近づいたところで襲ってくるようなことはないので、心配はいらない。

乗馬ツアーは毎日3~5時間くらい馬で移動し、湖のほとりでテントを張り、湖で水を汲み、落ちている木で焚き火を起こし、モンゴル茶と夕飯を作る。あとは写真を見ながら雰囲気を味わって欲しい。

事前にお店で買っておいたラーメンやパスタを焚き火で調理して食べた。

事前にお店で買っておいたラーメンやパスタを焚き火で調理して食べた。

ただ載っているだけとはいえ、結構疲れるのだ。

ただ載っているだけとはいえ、結構疲れるのだ。

馬も時々休ませる。

馬も時々休ませる。

本当にモンゴルはいつも空が広い。広い空は何度写真に撮っても飽きないのだ

本当にモンゴルはいつも空が広い。広い空は何度写真に撮っても飽きないのだ

ス・テ・チャというヤクのミルクで作ったお茶をガイドが毎日作ってくれた。

ス・テ・チャというヤクのミルクで作ったお茶をガイドが毎日作ってくれた。

きれいな景色というのはなかなか飽きないものだ。何度「凄い景色!」と声にだしたことか。

きれいな景色というのはなかなか飽きないものだ。何度「凄い景色!」と声にだしたことか。

モンゴルは夜まで明るく、なかなか暗くならない。空が広いから、いつも太陽がどこかにあるんだな。

モンゴルは夜まで明るく、なかなか暗くならない。空が広いから、いつも太陽がどこかにあるんだな。

山頂に登ると日本でいう恐山のような光景が広がっていた。モンゴル人の観光客が一組いただけで、あとは僕らだけ。素晴らしい場所!

山頂に登ると日本でいう恐山のような光景が広がっていた。モンゴル人の観光客が一組いただけで、あとは僕らだけ。素晴らしい場所!

馬はたったまま寝るということをこのツアーを通して知った。

馬はたったまま寝るということをこのツアーを通して知った。

 

こうして、3泊4日の馬での旅路を終え、片言の英語とモンゴル語で仲良くなったガイドとも別れた。

すでに乗馬ツアーに参加していた他の旅人に散々脅されていた「おしりが痛くなるよ」という忠告は酷く的確で、やはり僕らもお尻が擦れて痛かったが、それにもまさる経験をさせてもらったように思う。

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