【76日目】突然、夜のホテルに警察がやってきた話

インドネシア・スラウェシ島のトリトリについた夜のこと。過去の投稿でドイツ人カップルと出会ったことは書いたが(参照「【75日目】見知らぬ地で安心感を与えてくれた奇跡の再会」)、その後で少し怖い出来事があったので、そのことについて書きたいと思う。インドネシアの特に田舎町に行く人は知っておいたほうが良いことでもある。

ホテルの周りはこんな感じ。

ホテルの周りはこんな感じ。

夕飯を済ませた夜の8時頃、ホテルの部屋でのんびりとしていると、ドアをノックする人がいる。見知らぬ土地で訪ねてくる人がいるわけもなく少し警戒するが、声でホテルの受付だと分かり、恐る恐るドアを開けた。

「警察が来ているのでロビーに来てください」
「警察!?」
「心配しなくて大丈夫」

ホテルの人は英語が少し話せるものの、警察が来ている理由を説明してくれない――今思えば、ただ英語の語彙が少なくて説明できなかったのだろうと思う。ただひたすら「No Problem, Don’t worry」と繰り返すだけ。僕らに選択肢などない。しかたなくロビーに行くと私服のおじさんが警察を名乗るが、やはり英語が話せず身振りと簡単な英単語で「警察署に一緒に来なさい」と言っている。そして僕らの後ろではホテルの人が「No Problem, Don’t worry. No Problem, Don’t worry」と……。

覚悟を決めて、警察を名乗る人の後ろを歩くとホテルから徒歩1分で警察署に着く。中はガランとしていて、ロビーのようなスペースにソファーがある。そのソファには大人の女性とその子どもがいて、隣に僕らも座らされる。話してみると、なんとこの女性は警察を名乗る人の奥さん。そして少し英語が話せるようで、どうやら僕らと話すために通訳係としているようだ。

「パスポートを見せてください」
「はいはい」

と、パスポートを男に渡すと熱心に中を覗き込んでいるが、よくみると覗いているページは何の個人情報も乗っていない定型文だけのページ。「これは日本政府が発行しているパスポートです」的なことが書いてあるページ。見ているフリ? その後、トリトリに来た理由やこれからの予定などを聞かれ、適当に答えていると、上司らしき人が出てきて、またパスポートチェック。またしばらく覗き込んで「OK」と。

少し雑談をした後で無罪放免、開放される。たぶんパスポートをチェックするのはあまり意味がなく、少しコミュニケーションを取って、警察として「知らない人じゃない」という状態を作りたいだけなのだろう。僕らだけじゃなく、同じタイミングでやってきたドイツ人カップルも後日チェックされたと言っていた。

トリトリの道端の風景。素朴な良い町だったな。

トリトリの道端の風景。素朴な良い町だったな。

数人の子どもにカメラを向けるとあれよあれよと子どもが集まって、最後にはこの人数に。外国人が珍しいのね。

数人の子どもにカメラを向けるとあれよあれよと子どもが集まって、最後にはこの人数に。外国人が珍しいのね。

また、別の日の話になるが、名前も知らない小さい島にインドネシア人の友だちに連れていってもらったときのこと。島に到着すると友だちのインドネシア人が一直線に村長の家に向かった。理由を聞くと「ここにきたら、村長に挨拶しないといけない」と言う。意味も分からず首を傾げていた僕らだが、その村長の家にかかっていたインドネシア語の看板を辞書を片手に読み解いてみて意味がわかった。

<この村を訪ねる者は24時間ごとにここ(村長の家)に来ること>

後ろの青い看板に「この群に来たらここにくること」みたいなことが書いてある。

後ろの青い看板に「この群に来たらここにくること」みたいなことが書いてある。

 

Lonely Planetにも「パプア島などでは新しい村に入ったら警察に挨拶しておくこと」というようなことが書いてあるのだが、もしかするとインドネシア全域で同じような文化なのかもしれない。「自分たちは怪しいものではないですよ」と目的や予定を話しておく必要があるようだ。それが街によっては警察だったり、村長だったりするのだと思う。

人の家を訪ねたらそこの主に挨拶するように、村を訪ねたら村の代表者に挨拶する。考えてみれば当たり前の感覚なのかもしれない。

難しいのはどんな町で「村の代表者に挨拶が必要」で、どんな町では「不要」なのかが分からないこと。インドネシアに行く人はいつ警察に聞かれてもいいようにパスポートを持っていくことと、警察がやってきても驚かないこと。

<旅の豆知識>

* インドネシアの小さな村で警察や偉い人が訪ねてきたときは、怖くないので丁寧に対応すること。

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