【95日目】国立公園で出会った虫歯の子ども

ゴロンタロでの休息とウェブサイト制作の日々を終えた僕らは次の行き先を考えた。インドネシアはあちらこちらに素晴らしいダイビングスポットがある。つまり海の遊びはあちらこちらにある。そこで天邪鬼な僕らは陸の遊びを求めた。そして愛読しているガイドブックであるLonely Planetにきわめてあっさりと触れられているだけのボゴニ・ナニ・ウォルタボネ・国立公園(Bogani Nani Wartabone National Park)という熱帯雨林の国立公園を目指すことにした。

Lonely Planetにも情報がほとんどなく、なんとガイドブックに「町にある国立公園の事務所で情報を集めなさい」と書いてある。ネットで探しても明確な情報がない。地図で見るとずいぶんと面積は広いのだが、そう遠くないはずのゴロンタロのホテルのオーナーに聞いても「ああ、そんな国立公園もあったね。詳しくは知らないけど、行けば教えてくれるんじゃない?」と、また情報がない。

観光者があまり行かないというのなら、なお行ってみたくなるというのが長期旅行者の性だろう? 僕らはあれこれ人に聞き、どうにかその国立公園にまでたどり着いたのだ(どうだ!? と胸を張ってこの記事を書いているところを想像してほしい)。
どうやって辿り着いたのかは一番下に〈豆知識〉として書いておくので、行きたい人はそこを参照してほしい。ここでは国立公園に行くために原付スクーター以外にアクセスがないということだけお伝えしておく。

さて、ゴロンタロから1泊2日かけて辿り着いた場所は大きな国立公園運営の宿泊施設だった。2人部屋が10部屋ほどあり、食事用の大広間がある。そこに泊まっているのは僕ら2人だけだ。国立公園を2人で貸しきっている気分だ。

そのスタッフであるヘンリーという男性に宿泊費や食費を訊ねるも、なんと即答できず本部に電話で聞く始末。いかに宿泊客がいないかが想像できる。ちなみに国立公園の地図が欲しいと訊ねたが、本部にも宿泊施設にも在庫なし。あまりに客が来ないのだろう。

施設は大きく、割ときれいに保っているので、維持に相当なお金をかけているだろうことは容易に想像できる。国立公園の存在意義は自然保護にあるので、観光客が少ないことは一向に構わないが、宿泊施設を作るなら客を呼ぶ努力をしないと税金の無駄遣いになっちまうゾ、と人の国のことながら心配してしまうほどだ。日本にも無駄な施設がたくさんあるから、そっちを先に悩んだほうがいいか……。

初日から2日目にかけては部屋の水が止まっており、水は近くの川から汲み、体は川に入って行水することになった。ああ、モンゴルを思い出す。そんな状態にもただの1言も文句を言わず、「久々に水に浸かれる!」と嬉しそうに川に入りに行く僕らも逞しくなったものだ、と思わずにはいられない。

行水した川

行水した川

そんな誰もいない宿泊施設の運営のために2家族ほどが住み込んでいる。子どもが何人もいて、1日中そこらを走り回っている。そのうちの1人である5歳くらいの虫歯だらけの少年と僕らは仲良くなった。棒を振り回して遊んでいたので、僕も落ちていた棒で立ち向かい、七転八倒の斬り合いの末、友情が芽生えた。最後まで言葉は1つ足りとも通じなかったが、たしかに友だちだったのだ。

部屋の前を棒を振り回しながら現れた少年に突然立ち向かう俺。

部屋の前を棒を振り回しながら現れた少年に突然立ち向かう俺。

結局そこに滞在していた3日間、トレッキングをしていた以外は散歩をしたり、この少年を含めた少年らと遊んでいた。トレッキングの模様はまた別の記事にしたいと思う。見かけるたびに「フォト! フォト!」と喜んでポーズを取り、ビー玉を見つけると僕らには分からないルールで一緒に遊んでくれた。

カメラを向けるといつもピースで応えてくれる少年

カメラを向けるといつもピースで応えてくれる少年

ほら、彼はいっつもピース

ほら、彼はいっつもピース

写真だいすき!って感じが伝わってくる。

写真だいすき!って感じが伝わってくる。

アイスを手から離さない少年。

アイスを手から離さない少年。

ルールも分からないまま、彼の遊びに付き合う。買ったり負けたりするが、仕組みが分からないアホな大人。

ルールも分からないまま、彼の遊びに付き合う。買ったり負けたりするが、仕組みが分からないアホな大人。

彼が大人ならばメールアドレスでも交換して、僕らがそこを去った後もゆるく長くコミュニケーションを取ることはできる。だけどネットもない場所に住む5歳児との別れは、文字通り「2度と会うことはない」別れを意味する。

2泊した後、帰り際にいつまでも「バイバーイ」と叫び続けていたあの少年を思うと、僕らは彼の中でどういう残り方をして、どう消化されていくのか? と考えてしまうのだ。少なくとも僕にとっては観光地を見た感動よりも、こうやって日々出会っては別れていく人とのやりとりの方が思い出深い。

〈旅の豆知識〉

このインドネシア・スラウェシ島にあるボゴニ・ナニ・ウォルタボネ国立公園(Bogoni Nani Wortabone National Park、以下国立公園)へのアクセスは非常に不親切で分かりづらいので、細かく説明する。また情報収集も苦戦するであろうと思うので、その点も説明する。

[情報収集]

[アクセス方法]にあるようにとにかくコタモバグを目指そう。そこで英語の分かる人にお願いして「Bogoni Nani Wortabone National Park Kotamobagu Office」に行きたいと紙にでも書いて伝える。コタモバグの中心地からベントルと呼ばれる3人乗りバイクで10分強も行けばオフィスに到着する(料金:4000~5000Rp/人)。

そこの事務所にいる人に適当に声をかけたら、英語が分かる人が出てきていろいろ教えてくれた。

とは言ってもアレコレ順序立てて教えてくれるわけではないので、自分で1つ1つ質問すること。行き方、料金、入園許可証、観光スポットなど聞けば丁寧に教えてくれるが、聞かないとなんにも教えてくれない。僕らが把握している情報だけ書いておくが、変動する可能性があるので、自分でも確認してほしい。

・ガイド:100,000Rp/半日
・カメラ:50,000Rp/1台
・宿代(シングルベッド2つ):100,000Rp/日
・朝食:20,000Rp 昼食:50,000Rp 夕食:50,000Rp

[アクセス方法]

・まずコタモバグ(Kotamobagu)に行く。大まかに2通り。
 1.ゴロンタロ(Gorontalo)から乗合タクシー(料金:約150,000Rp/人 時間:8時間程度)
 2.マナド(Manado)から乗合タクシー(料金:? 時間:4時間程度)
 僕らは1で行ったが、国立公園を目指すならマナドからの方がアクセスは良いはず。
 ちなみに乗合タクシーはホテルで聞けば教えてくれると思う。

・コタモバグの中心地にあるParis Supermartの向かいに青いワゴン車がたくさん止まっているので、ドルドゥオ(Doruduo)に行きたいと伝えよう。朝6〜7時には出発するので朝1で行くこと。料金:20,000Rp/人、時間2時間弱。

・ドルドゥオに着くとオジェットと呼ばれるスクーターがたくさん止まっている。彼らが集まってくるので、行き先を伝えてバイクで国立公園が運営する宿泊施設であるWisma Bina Cinta Alam Torautに送ってもらう。料金:15,000Rp 時間:30分程度。

[まとめ――ゴロンタロから行く場合]

+ゴロンタロ


| 乗合タクシー(150,000Rp/8時間)

+コタモバグ(ここで情報収集!)

| 乗合タクシー(20,000Rp/2時間)

+ドルドゥオ

| スクーター(15,000/30分)

+Wisma Bina Cinta Alam Toraut(宿泊地)

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