【144日目】タイ・ミャンマー最大の難民キャンプ

メーソットから北に進む道は今までタイで見てきた中で最もきれいで、貧しい場所だった。

2013年11月4日

タイの北部の古都チェンマイに住む知人がいる。正確にはMiaが使っている味噌を造る味噌屋の社長の同級生なのだが、とにかくその彼と僕らは連絡を取り合っていた。

その彼にミャンマーへの入国に失敗した旨を伝えると、それならば、とさらに人を紹介してくれた。僕らがいるメーソットから北に200km強を行った場所に住むというT氏は元船乗り。面白い人だからぜひ会うべきだという。

メーソットの町を出て、どれくらいがたっただろうか。上り下りの激しい山道を僕らの貧弱なバイクに鞭打って走り続けていた。左右はただ深い森が続き、時折コウテイヒマワリが鮮やかな黄色い花を咲かせていた。

その集落が現れたのは突然だった。

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森の中に百を超える家が姿を現した。そしてそのすべてが同じ色をしていた。壁は短冊状にした竹を貼り付けている。屋根は顔よりも一回り大きいチークの葉を並べている。どちらもカラカラに乾燥し、きつね色になっている。そんな家が森の新緑の中に立ち並んでいた。

入り口はゲートが降りて入れないようだった。僕らが走る道路沿いには座り込んだ村人が何人もいる。どうやら不定期に通るバス――という名の幌付きピックアップトラックを待っているらしい。どうやら自分のバイクや車は持っていない人が多いようだ。

本当にこの町のことを僕らは何も知らない。ただ強烈な印象を持って、目に飛び込んできた。位置も正確には分からないが、ひと山向こうはミャンマーになるのは確かだ。タイで見かける顔付きと少し違って見えるのはそのせいだろうか。

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その集落は僕らが走る道路沿いから始まり、山に入り込む形で、数百メートルも奥まで続く。そして、道路と集落の間には鉄条網。集落の入り口には背丈より高いゲートが閉じている。

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数枚の写真を撮って、僕らは先を急いだ。この集落の印象がとにかく強烈だったが、どうしてか「よし入って散歩でもしよう」とはならなかった。目の前の家々、鉄条網、ゲートがそれを拒んでいるように思えた。

後日談。
後で、調べてみたのだが、この場所はメラ難民キャンプと呼ばれるらしい。

ミャンマー国境から10kmに位置し、タイ・ミャンマー国境難民キャンプで最大の30,000人が居住[1]。 住民の90%以上がカレン人で、ミャンマー南東部からタイに避難。  人口の大部分は仏教徒、及びキリスト教徒。 教育、医療、法務、障害者、性犯罪被害者、子供等の支援を行う約15の機関が活動。[2]
http://ja.wikipedia.org/wiki/メラ難民キャンプ

無知なまま入らなくて良かったと思う。鉄条網の下に咲くオジギソウがきれいだったが、やはりオジギソウもとげがある……。

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