【170日目】抜糸のためにミャンマーの病院へ

タイで縫った傷口もそろそろ治りかけている。抜糸をしなければならないので、ヤンゴンの病院を探した。

013年11月29日

つまらない不注意で僕は足に4針も縫う怪我をした(参考「【156日目】タイの病院で4針縫うはめに! チェンマイは僕らを離さない」)。2週間で抜糸せよ、とあの時の医者が言っていた。ちょうど2週間がたち、どうやら傷口も閉じている。

とはいえ不安がないわけではない。タイの医療は進んでいると聞いていた。不幸にもタイ入国してすぐに同じく3針縫ったMiaのときも、自分のときも、見ていて安心感のある病院だった。一方でミャンマーはどうか? 情報がない。日本大使館で見た日本語の「ミャンマー情報誌」を見ても、はっきりとは明言しないまでも、ミャンマーの医療がまだ発展途上であるなどと書いてある。

とはいえ、ヤンゴンで抜糸しなければ、さらに田舎町へ行くことになり、それも見送れば、インドとなる。インドはインドで、医療は進んでいるとはきくが、そんなに先送りしては、治る傷も治らなくなる。意を決して、ホテルで病院を勧めてもらった。

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↑もし行きたい人がいれば、これを見せれば病院まで行けるはず。

その病院はホテルから歩いて10分の場所にあった。何件もクリニックと書かれた看板がある。ほとんどは歯医者のようだが、なんにせよ病院通りとでも言えそうな場所だ。路上に座り込む、赤いつばを吐くおじさんに目指す病院の名を告げると、親切にそこまで連れて行ってくれた。

なるほど、他のクリニックと名の付く場所に比べて遙かに混み合っている。10人以上座れる長椅子が1つあるだけの待合室だが、それがびっしりと埋まっている。外国人は自分だけだ。入った途端、患者とスタッフの視線が自分に集中するのがわかる。ミャンマーでは働く人の年齢が総じて若い。それはレストランなどに限った話だと思っていたが、なんとこの病院でも同じだった。高校生くらいにしか見えない男の子が駆けよってくれた。

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↑入り口付近。

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↑混み合っていて、人の出入りが多い。

言葉は通じない。足の怪我を見せ、手でチョキの形を作ると、その男の子は親指を上げて「OK」と言って笑った。

大混雑を見て、しばらく待つ覚悟をしていたのだが、なんと即座に通される。パスポートのチェックなどもなく、名前だけ紙に書いて、治療開始だ。

診察室は2階にある。そこに行くためには限りなくハシゴに近い、階段を上らなくてはならない。手を使わないと登れないほど急だ。今でこそ上れるが、怪我していたら難しいだろう。

診察室に入ると、小汚い机とプラスチックの野外用の椅子が1つと、木の板で作ったお手製のベッドがある。医者と患者が膝をつき合わさないと座れないほど狭い。

医者は単語程度の英語が通じる。怪我を見せ、抜糸をしたいと伝えると、布の筆箱のような入れ物からはさみを取り出し、消毒薬に漬けた。

外国人患者が珍しいのか、スタッフの女の子が2人診察室を覗いている。この子らも高校生くらいにしか見えない。中学生でも通じるほどだ。診察室が薄暗く、医者は手元が見えないらしい。覗いているスタッフに言いつけて、どこかから懐中電灯を持ってこさせた。女の子はそれで傷口を照らしながら、医者が上機嫌に糸を切っていく。

「はい、1本」
「ほら、また1本」

と、ぎこちない英語で1本切るごとに説明してくれる。

「うん、これを縫った人は上手な人だ」

最後に医者はそう言った。タイの医者だと言うと、納得したように頷いた。

終わってみれば良い経験だったと思う。

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