【218日目】人とシルクの目利きに挑戦、バラナシのシルク!
バラナシと言えばシルク。実はこの言葉にはいろんな意味が含められているのだが、僕らなりに知ったことを書いてみよう。
2014年1月16日
行ったことのある人には、バラナシのシルクに対していろんな感想があると思う。その中には「バラナシのシルクには近寄るな」という意見さえある。
まず背景としてバラナシはシルクの産地として有名であるという事実がある。バラナシのシルクは品質が良いので、良質のシルクを低価格(日本に比べれば)で手に入るということだ。
ところが「シルクが売れる!」と気付いた商売人たちが、品質の悪いシルクを高額で売ろうとするケースが増え、結果としてバラナシは玉石入り交じったシルク店が溢れることになった。
ほとんどの場合、こんな流れで買わされる。
客引きが「バラナシと言えばシルク。うちに工場があって、そこで作ったものを販売しているから、原価に近い金額で売っているんだ。観光として見るだけでも面白いから、見に来たら? 別に買わなくても問題ないよ!」と声をかけてくる。
「買わなくて良いなら」と客はついて行く。店には靴を脱いで上がるケースが多い。そうすると改めて「買わなくていいんだから、たくさん見てごらん」と言って、店主がその場でたくさん広げてくれる。きれいにたたんであるシルクのスカーフやショールを20枚、30枚と広げていく。日本人としては「そんなに広げたら畳むの大変だから、もう広げないでいいよ! 買うわけでもないのに……」と申し訳ない気持ちになる。
「どれが好き?」
と店主は広げた大量の商品を1つずつ見せては、気に入ったものと気に入らないものに分けていく。客は気に入ったものを選んでいき、最後には自然と3枚くらいに絞り込まれる。
「これが○○ルピー、これは○○ルピー、どっちを買う?」
と、突然買う話にすり替わる。この時点で客としても気に入った数枚を目の前にしているし、ずいぶん時間をかけてもらったという申し訳なさも手伝い「1枚くらい買おうかな?」という気持ちになる。で、お買い上げ、というわけだ。
僕らも興味があり、いくつかの店を回ったけれど、どこのお店もだいたいこの流れ。「いらない」と言うと「なんで? 気に入っているんでしょ? 何か問題があるの? どうして買わないの?」と口調が強まる。「問題ないけど、買うほど気に入ったわけじゃないよ」ときっぱり答えて立ち去るのがよろしい。
まあ押しつけてくるわけじゃなくて、彼らの売るための話術なので、詐欺だとかぼったくりだとか、悪く言うつもりはない。僕らもあれこれ見た結果1枚買った。押されて買うんじゃなくて、たくさん見てから気に入ったものを買うようにした方がいい。
実はそのうちの1つの店で、僕らは非常に気持ちの悪い思いをした。その店は中心地にあり、日本人向けのお店で、日本語の看板も出している。流暢な日本語を話す人が店主で、愛想も良く、置いてある商品も悪くなさそうなのだが、そこであれこれ見せてもらった後で「買わない」となった途端に「どうせ、あんたらは買わないと思ったよ!」と驚くほど強い口調で言われた。罵声を浴びせられた、と言ってもいいくらいの口調だった。非常に悲しい思いがした。言い返せば喧嘩になりそうな様子だったので、そのまま僕らも立ち去った。
相手の言い分というものもあるだろうと思うが「こういうこともある」とだけ知っておいても良いだろう。
こういうクルータ&パジャマと呼ばれるインドの服。寒い時期じゃなければ欲しかったのだが……
バラナシのシルク。さわり心地もよく、デザインもキレイなので、信頼できるお店で買ってみては?
良い店もあれば、悪い店もある、本物もあれば、偽物もある。高いものもあれば、安いものもある。人とシルクの目利きに自信があれば、バラナシのシルクに挑戦してみてはいかがだろうか? 僕らは自分で買ったものについては大変満足している。
バラナシはシルクが有名っだってこと知りませんでした。インドきて右も左もわからない最初の方にクルタとパジャーマ買って、後悔してます。質が悪すぎる。今度はバラナシでしっかり見てから買います。
バラナシも良いものも悪いものも混ざっているようです。「自分の工場で作ってる」という売り文句も当てになりません。とはいえ、1000〜2000ルピーくらいで大体買えるので、物は試し、で買ってみるのもいいでしょうね。実は僕もクルタが欲しいのですが、迷ってます。