【236日目】チップを要求する電車のインド人スタッフ

まだ昨日と同じ電車に揺られている。なんにもすることもなく。延々と読書に耽るしかなかった。

2014年2月3日

なにしろ今回の電車は50時間。目的地であるトリバンドラムに到着するのは、明日の早朝の予定になっている。今日も朝から寝起きのチャイやオートミールを固めたような団子の朝食を出される。

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これが朝食。見た目はともかく、割と満足して食べた。

向かいに座る青年たちも、黙って出されたものを食べ、それ以外の時間も、黙ってただそこに座っている。僕らだけじゃなくて、インド人も暇なんだな。

旅の最中、読書ができないのが苦しいので、iPod TouchにKindleのアプリを入れて、電子書籍で読んでいる。ネットがあるときにAmazonで本を数冊買っておき、iPod Touchに同期しておけば、あとはオフラインでも読めるから凄く便利なんだ。

そのおかげで、この長距離電車もどうにか楽しめているという感じ。旅のお供にどうぞ。僕はこの電車旅の合間に、「ピストルズ(阿部和重)」や、「日本の黒い霧(松本清張)」を読み切った。長い作品を一気通貫で読めるのが、電車旅の醍醐味だと思うのだ。こんな時に「今まで読みたいけど、敬遠していた長編作品を持ってくる」というのが乙だと思う。

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外の様子。時々大きな町を通り、それ以外は荒れた広原ばかり見えるばかりだった。

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僕らの居住スペース。ここのスペースに2人で座って過ごす。狭いようでも、カーテンを閉じればプライバシーも保てて、快適、かな……。

さて、この長い1日も終わって、到着予定の早朝までの淡い惰眠を貪っていた時だ。突然ベッドのカーテンが捲られた。日中、食事を配っていたインド人と、もう1人のインド人が、2人で立っている。到着したのか? でも電車は快走している。

「チップくれ」

は? 人の寝起きを起こしてチップかよ。とカチンとしながらも、たしかにこの人は毎食苦労して働いていたのを知っている。少しくらいあげたいと思わせるくらいには働いていた。そこで20ルピーか30ルピーくらいを手渡したところ、

「ダメ、50ルピー」

と渡したチップを返される始末。なんてやつだ。僕らからだけじゃなく、他のインド人たちからももらっているらしい。多少の問答の末、50ルピーをあげた。

ここまではまだ良かった。50ルピーを手にした男は、隣に立つもう1人のインド人を指さして、

「彼にもあげて」

と指示した。お願いや、アドバイスではなく、紛れもない指示。こいつ何やってた人だ? たしかにたまに顔を見た気はするけど、よく分からない。もしかしたら車両の清掃をやっていたのかもしれない。とにかく働きぶりが分からん男なので、漠然と10ルピーを手渡した。すると、

「ダメ、50ルピー」

と、また命令口調。鉄道会社からお金貰っているんだろう? チップとしては貰いすぎた、と。更に問答を重ね、ようやく去って行った。

他のインド人たちのところでも、同じように問答していたので、みんな揃って不満だったんだろうな、と思う。インドにチップ文化はないと思うのだけど、実はバラナシでもチップを要求されたことがある。あの時はおつりを受け取ろうとしたら「これ(おつりの30ルピー)をチップとしてくれ」と要求された。その時はなんにもサービスらしいサービスなど受けておらず、むしろサービスレベルが凄く低かったので「嫌だ」と言うと、そのおつりを投げつけるようにテーブルにばらまいて、男は遠ざかった。その様子を見て、やっぱりあげなくて良かった、と思ったものだ。

今回50ルピーのチップというのはあげすぎたかな、と反省しているが、それでも「頑張ってた」と思える人に渡せたのは良かった。これからも誰に対してお金を落とすかはよく考えないといけないな、とつくづく思った。

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