【238日目】南インドのタリーが北と違いすぎて驚いた
新しい土地に行くと、まず楽しみなのが食事。ところ変われば食事が変わる。日本でも西と東じゃうどんのつゆだって違うのだ。インドだって、カレーの味くらい変わるだろう。
2014年2月5日
さて、トリヴァンドラムにやってきた。安いご飯が食べたいと、あれこれ歩き回ってみても、めぼしい食べ物には行き当たらない。妙に高級感のある――要するに屋根のあるお店がほとんど。
そんな中で最も高級感のあるお店――なんと屋根も扉もあって、ドアマンまでいる――に入ってみることにした。貧乏旅のぼくらに贅沢は文字通り敵なわけだけど、そんな僕らが入ってしまったくらい、どこの店に入っていいのか分からなかったんだ。混乱してた、と言ってもいい。
とにかくフラフラと入った店は、妙に照明が暗かった。オシャレな間接照明のあるお店から、間接照明を抜いたような雰囲気。店員は他のお店と同様にたくさんいて、入るなり寄ってきて注文を聞こうとする。メニューで値段を確認し、まぁ許される贅沢の範囲内であることにホッとして、頼んだのがタリーだった。
タリーというのは、日本で言う「定食」くらいの意味だと思えばいい。しかも食べ放題。北インドでもタリーは定番で、どこのレストランにも必ずある。北インドのタリーと言えば、
シンプルな芋のカレー
ダルという芋のスープ
ご飯
チャパティというナンの子どもみたいなやつ
パパルという巨大なポテチみたいなやつ
というのが定番だ。店によってチャパティが無かったり、チャパティだけだったり、と多少の違いはあれど、「カレーとご飯が食べ放題」の定食だと思えばいい。
それを想像しながら頼んだのだが、出てきたのはなんと10の小皿にチャパティとご飯。小皿はカレーを中心に、ヨーグルトやデザート。そしてその全てが食べ放題。なんとまぁ、こうも北インドと違うのか。北インドにいると、とにかく芋のカレーとチャパティで、はっきり言って嫌気が差すわけだが、これなら楽しい。なるほど、南インドは飯がうまい。
これが出てきたタリー。出てきたときは興奮したなァ。
ちなみにこれが北インドでのタリー。それも見栄えがいい方のタリー。
そうそう、インドと言えばカレーを手で食べるっていうイメージがあると思うけど、まったくをもってその通りで、今ではぼくも手で食べるようになっている。カレーにご飯をかけて、指先でこね回して、辛すぎるようならちょっとヨーグルトをかけたり、酸味のある漬け物を混ぜ、自分流の味付けにしたものを口に運ぶ。
カレーってお店で出てきた時点ではまだ未完成で、皿の上で好きな分量で混ぜ合わせて、初めて完成すると思うのだ。
南インドなら、これだけの種類のカレーを混ぜながら食べられると思うと、ただただ楽しくて、実のところ、このレストランには何度となく足を運んだわけだ。
まぁ、おいしいものばかりでもなくて、奥にある団子みたいなやつCutletってのは、ぜんっぜんおいしくなかった。
チャイは北と違ってミルク多めで、しっかり泡立てる。その代わり、スパイスが利いてない。個人的にはチャイは北がうまい。
食に恵まれた南インドのトリヴァンドラム。都会的で、その空気は好きじゃなかったけど、食べ物には恵まれた。うん。