【272日目】知り合いの土産物屋がオープンしたので、その物語を
前にブッダガヤに来たときは開店準備中だった知人の土産物屋が、オープンしてた。その開店物語をお店を紹介。
2014年3月7日
お店を開いたのはインド人のラカンさん。彼との出会いはマハボディ寺院の前だった。
「毎日17時にここで集まってチャイを飲むんだ」
ブッダガヤで知り合ったYさんはこの町の情報通。彼はインド人の友達も多い。で、彼は毎日17時にそのインド人らと待ち合わせてチャイを飲むという。なんだそれ? と思いつつ、参加したら本当に5人くらいのインド人が集まり、みんなでチャイを飲むことになったのだ。しかも彼ら全員日本語を話せる。
そのひとりがラカンさんだった。
「少し前までこの場所に土産物屋を開いてたんだけど、テロがあってから政府に撤去させられたんだ」
そう、ニュースを見て知っているかもしれないが、2013年に仏教の重要な施設であるこのマハボディ寺院で爆破テロがあったのだ。それに対して政府は警戒し、寺院の周囲を取り囲む塀を作り、入場規制を設け、警備員を配備し、と厳戒態勢だった。その塀を作るためにラカンさんの土産物屋は邪魔だったわけだ。
以前はずらりと土産物屋が並んでいたらしいが、みんな撤去させられた。しかも彼らは露店じゃない。ちゃんと建物を持っている店だった。一応政府から “代わりの土地” を与えられたらしいが、とても人通りの見込めない閑散とした場所。仕方なくラカンさんは自腹で新しいテナントを借りて、店を開くことにしたらしい。
僕らが出会った時はちょうど店の工事中だった。壁を作り、天井を作り、という具合で、まだまだ先は長かった。そして毎日彼らは17時に仲間と店があった場所に集まって、チャイを飲んでいたわけだ。
その店がオープンしたわけでお祝いがてら訪ねてみた。
こんな感じのちょっとした商店街というかアーケードの中に店はある。
左右に飲食店や土産物屋が並ぶ。
これがラカンさんのお店!
さすが仏教の聖地だけあって、土産物は数珠や仏像がメイン。
これも数珠。大きいでしょ。
ここで初めて数珠にもいろいろあるのだと教えてくれた。特に菩提樹で作られたものが1番いいらしい。見た目はくるみみたいだったな。
外でラカンさんと記念撮影。
真ん中のが菩提樹の数珠(だったと思う)
これはスジャータという女性が仏陀に乳粥をあげているシーンの置物。
これチベットのお香入れ。欲しかったけど、荷物になるし……。
別の角度から。欲しかったから写真も多め。
数珠について訪ねると日本語で丁寧に説明してくれる。本当に上手で「こんにちわ」だけ言えるインチキ臭い人とは違う。
僧侶がお経を読んでいるときに鳴らすやつ(名前をど忘れ……)
「これでようやく商売が再開できる」
そういってラカンさんは照れくさそうに笑いながら、僕らのためにチャイを買ってきてくれたのだった。僕らもお土産用にいくつか数珠を買った。これを日本へと郵送したのだけど、これもまた苦労に次ぐ苦労だったんだ。
とにかく、ありがとう、ラカンさん!