【285日目】アンナプルナトレッキング4日目〜トレッキング中の生活
トレッキングも4日目になると生活リズムができてくる。トレッキング中の生活について書いてみよう。
2014年3月20日
活動するのは2時まで!
トレッキング中は必ず 5:30 に起き、入念にストレッチをして、荷造りを済ませた頃には宿の朝食が用意され、なんだかんだと 7:30 くらいには出発していました。
村の出入り口には大抵このマニ車があります。だから出発の時に安全を祈願してくるくる回していました。チベット仏教ではこれを回すことがお祈りになるとされています。安全祈願になるのかは分かりません。
この朝のストレッチは本当に重要で、単純にやっていて気持ちいいのはもちろん、身体の故障を防いでくれます。Lonely Planet(旅行ガイド)曰く、トレッキング中の小さな事故のほとんどは準備運動の不足によるとのこと。
トレッキング中は50分に1度は10分くらいの休憩をいれ、疲れているかどうかは抜きに定期的な休憩を心掛けていました。そのおかげで極限まで疲れるというのを避けて(もちろん疲れたけど)、事故を防ぐことができただろうと思っています。
11時くらいには空腹になるので、近くに村があればそこで昼食にし、14時前後にはトレッキングを終えるのが基本でした。中には夕方まで歩く人もいますが、いくらトレッキングコースが整備されているとはいえ、遭難・怪我などがあったら大変です。遅くとも15時くらいには目的地に着くようにプランを立てました。
いくらトレッキング中でも洗濯はしなければ
2~3日のトレッキングだったら途中で洗濯しなくても着替えを持って行けば良いのでしょうが、20日を越える今回は途中の洗濯は必須です。
宿に着いたら日があるうちにシャワーと洗濯を済ませます。シャワーは水しか出ないところも多いです。中にはシャワーもなくて、バケツでぬるま湯を渡される場所もあります。それでも山の中で身体を拭けるんだから感謝しないと。
で、洗濯が終わればもちろん干すわけですが、到着が 15:00 過ぎると朝までに乾きません。そうなると次の日ザックの後ろに干しながら歩くことになります。
ちょっとかっこわるいですが、他の人もやっているので気にせず行きましょう。パンツや靴下も干しながら歩いてました。
地元の人との交流も楽しみのひとつ
トレッキングというと “自然を楽しむ” という視点でやってくる人も多いですが、ヒマラヤトレッキングの醍醐味は文化面にもあります。というのも昔からヒマラヤの山中には人が住んでいて、そういう人たちが今も山で生活しているわけです。昔ながらの生活風景を見ることができます。
例えば朝歩いていると子どもたちと一緒になることもあります。
「なにしているの?」と聞くと「学校行くとこ」とはにかんで答えてくれます。そう、僕らにとってのトレッキングコースは彼らの通学路。不思議な体験です。
この写真の少年。手に持っているのは自転車のタイヤです。これを棒で転がして遊びながら歩いてました。今の子どもは知らないかな? 車輪を転がす遊び……。昭和の子どもたちにとっては定番の遊びだったはず。このヒマラヤの山中でも遊びは一緒ですね。驚き。
歩いていれば動物に会うのは毎日のこと。このあたりから馬にもよく会うようになりました。モンゴルで4日の乗馬キャンプツアー体験をしているので、ちょっとだけ親近感。とはいえ、あのときだって馬はまったく僕らの言うことを聞いてくれなかったけど……。
山を見かけると「あの山の名前は?」と調べるのが楽しみになります。ところが「あんなの名前はないよ」と言われるのがオチ。
僕らはトレッキングシーズンだと思って、込んでいるのを覚悟して来たのですが、実はほとんど人がいませんでした。ヘタすると1日中だれもいないなんてことも。もし行きたい人がいたら、3月中旬スタートがオススメですよ。4月に入ると目に見えてトレッカーが増えてきます。
歩くことは自分と向き合うことなんだな
「こんな自然の中にいると自分がちっぽけに思える」という場面は毎日のように、というか毎時間のようにやってきます。
夫婦でトレッキングしているわけですが、歩いている間ずっと話をしているわけではなく、黙々と考え事をしながら歩いています。いつか人間関係で失敗したことや、仕事でうまくいかなかったときのことを思い出して「今ならこうするな」とか反省してみたり、幸せとは?という永遠のテーマをゆっくり考えてみたり、本当に有意義な時間でした。
2人で達した結論の1つはトレッキングは瞑想みたい、ということ。
じっくり自分の心に向き合い、身体に向き合い、ゆっくり整理していく感じ。
そうやって考え続けているうちに自分なりに答えが出てきて、過去の嫌なことを忘れることができたり、許すことができたり……。
そういうゆとりが出てくるようになったのが4日目くらいだったように覚えています。