アンナプルナ6日目〜ぜったい立ち寄りたい村アッパーピサン

ようやく標高3000mを越える村にやってきた。このエリアを歩くなら絶対立ち寄りたい “アッパーピサン” のご紹介。

287日目(2014年3月22日)

この日の目的地はアッパーピサン。地図によるとようやく3000mを越え、村のある位置は3300mほど。日本で言えばこの時点で “高い山” と呼ばれていい高さ。3776mある富士山に続き、日本で2番目に高い北岳が3192m。

つまり何気なく到達する村の高さがすでに日本で2番目に高い山を越えるのです。そこまでの道のりと、村の美しさが伝われば幸いです。


やっと越えた3000m

1番大きな変化はなんと言っても雪が現れたこと。これまで遠くに雪山を見ることはあっても、自分たちのいる場所は暑くて仕方なかったのです。徐々に標高があがり、歩いていても肌寒い気温になってきて、気付けばトレイルの隅に雪がちらほら見えるようになってきました。

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大袈裟に聞こえるかもしれませんが、空気が薄くなっているのも実感します。不用意に激しい動きをすると普段以上に息が切れてしまいます。3000mともなると、人によっては高山病の症状が出る高さ。僕らが1番恐れていたのは高山病だったので、歩きながらも呼吸を整え、ゆっくりゆっくりと先へと進みます。

このエリアに限りませんが、山奥に行くと荷物運びは家畜の仕事。村と村の間をピストンする馬の群れと何度も擦れ違います。黙って歩く馬ですが、荷物を降ろすと荷物の当たっていた皮膚に傷ができていたりして痛そう。モンゴルではそういう傷があると休ませたり、できる限りの手入れをするのですが、こちらではどうでしょう?

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また山奥の村は本当に信心深く、チベット仏教系のマントラ(祈りの言葉)を掘った岩が山積みになっていたりします。1つ掘るのだって相当な労力だろうに、この山積みの岩のすべてに掘られているのですから、長い歴史を感じさせます。

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天空の村に見えるアッパーピサン

どこかで道を間違えたようで、アッパーピサンに着くはずが、ローワーピサンに到着してしまいました。日本で言う「○○坂上」と「○○坂下」の違いですね。要するに同じピサンという村でも、山の下に位置しています。

見上げると確かに山肌にアッパーピサンの村が……。疲れた身体には本当につらい急登です。しかも目立ったトレイルもなく、獣道を上る感じ。

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しかし登るに従って、景色もよくなり、これまで以上の絶景が広がります。

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長い急登を登り切って、アッパーピサンに到着。見渡す限りの山山山。強い風が吹き、村中に立っている旗がはためきます。

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起きている間は祈り続けるお婆さんの宿

村に着いたら宿探し。僕らが選んだのは Yac&Yeti というロッジ。ロゴが可愛いな、という理由で選んだのですが、実はこのロッジ村で1番古い宿だったようです。建物も古くて年季が入っているのですが、長年宿として運営されているからか、非常に工夫が行き届いていて、何度と無く「客の気持ち分かってるなァ」と考えさせられました。

例えばリビングスペースに窓が多く、外は絶景、中は日が入って暖かい。しかもそこに物干し紐があるので、囲炉裏のある室内で服を干すことができる。ちょっとしたことのようですが、こういうことが快適さを生みます。

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なんか向こうから声が聞こえるなァ、と見てみると宿の主人の妻が熱心にマントラを唱えている。1日に何回唱えると決めているらしく、数珠を上手に使って数えているが、いっこうに終わる気配がない。結局、寝る直前まで唱え続けていた。

しかも人と話をしていても、会話に隙間ができると唱える。本当に唱え続けているのです。恐ろしいほどの信仰心の深さ。

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このアッパーピサンには非常に古いお寺があります。数字は覚えていませんが、数百年前に建築されたとのこと。面白そうだと行ってみたのですが、どうも建物が新しい。どうやら募金を集めて古い寺を新しく作り直したそうです。ちょっと残念ですが、村の人にとっては念願のリニューアルという感じなのでしょう。宿で祈り続けているお婆ちゃんも(言葉は通じないながらも)「寺には行け」と勧めていたのは、そういう信仰心があるからでしょう。

中には仏像があり、荘厳な雰囲気を感じさせます。僕らも中でしばらく座り瞑想。

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古き良きヒマラヤの村

建物という建物は岩を積み上げて作られています。日本だったら地震で崩れてしまいそうですが、長年この形なのですから理にかなっているのでしょう。

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この村には宿がいくつかあるとはいえ、他の村ほど観光地化されていません。本当に昔ながらの家が並び、家畜の世話に没頭する人々が住んでいます。必要なものは自分で背負って運んできます。高所であり夜は冷えるため、薪を燃やして暖を取りますが、その薪だって近場にあるわけじゃないんです。ヤクや馬を連れて、遠くまで拾いに行かなくてはいけません。決してラクじゃない生活です。

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しかし、窓から見えるこの絶景。何気なく座って外を見たとき「こんな贅沢したことない」と思うほど。1日歩いたあと、この絶景を見ながら飲んだお茶は最高でした。いつまで見ていても飽きないものです。

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大好きで連泊してしまったアッパーピサン

あまりにもこの村が好きになりました。そしてこの宿が好きになりました。あまりの絶景、環境、居心地の良さに僕らは恐らくここを歩くトレッカーには珍しく、ここで連泊することを決意したほど。

もしこのエリアをトレッキングする人がいたら、ぜひアッパーピサンに宿泊することをオススメします。そして、Yac&Yeti に行ってみてください。暖かい気持ちになる、優しい宿ですよ。

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