アンナプルナ12日目〜富士山より高い場所にあるヒマラヤのムクティナス

富士山より少しだけ高い場所にある村ムクティナス。思ったよりもずっと居心地のいい、住みたいくらいのいい村でした。今回のトレッキングで見た村の中で好きな村の上位に入ります。

293日目(2014年3月28日)

昨日、標高 5416 mという、人生の中でひとつの記録になるような体験をし、到達したのがここムクティナス(Muktinath)です。標高は 3800 mで、ちょうど日本の富士山を少しだけ超えた高さに位置します。

小さな小さな村で……、と言いたいところですが、なんと車がすぐ近くまで来られるようになっており、なんとなく垢抜けた村でした。


この村にもう1泊してみることにしました

昨日ムクティナスに着いて、他のトレッカーは次の村に向かって歩き始めているようでしたが、僕らはここでもう1泊することにしました。なにしろ時間の制約がない旅です。村や宿の雰囲気も気に入りましたし、昨日の疲れも溜まっています。そしてなにより “高地にいる感覚” をもう少し楽しみたいな、と思いました。

ここから先は10日ほどかけて下っていく感じです。この 4000 m近い標高の、見渡せば雪山がぐるりと囲んでいます。風は冷たく、陽射しは強く、垢抜けた村であると言いながらも高地の雰囲気を存分に残しています。

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まずは何もかもを洗濯しよう

さて、今日は本当に何もすることがない日です。

前にもアッパーピサンという村で2泊しましたが、その時は高所順応も兼ねて日帰りトレックをしていました。一方で今日は何にもしません。というわけで、洗えるものを何でも洗ってしまおうと思います。

干された洗濯物が気持ちよさそう。

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空気が乾いていて、風も強く、本当によく乾きます。昨日雪で濡れた靴も乾かしてやりました。ここで豆知識的なトレック中の宿選びのテクニックを……

  1. リビングが快適であること ▶ 陽射しが入り、長く居たくなる場所であること。部屋の善し悪し以上に大事です。どこも部屋に暖房などはないため、寒く居心地が悪いです。だから暖炉があったり、暖かい陽の入る共同スペースがあることが大切。そこで暖かいお茶でも飲むのが至福です。
  2. 洋服を干せる場所があること ▶ 気持ちよく干せる場所があるのは凄く大切です。というのも長期間のトレックですので、途中で洗濯の必要があります。しかし午後に歩くのを終えて、すぐに洗濯してもなかなか乾きません。陽が当たり、風が当たる場所というのは必須です。
  3. 家族経営の小さい宿 ▶ 宿のスタッフというのは1番交流しやすい地元の人です。家族で経営しているアットホームな宿であれば、スタッフと話をすることさえ楽しくなります。

というわけで、この宿の屋上の洗濯物干し場&憩いの場は最高に居心地のいい場所でした。

宿の前で何かを作っている人を発見

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宿のスタッフらしいので、声をかけてみると喜んで説明してくれました。が、あまり英語が話せず、身振り手振りの説明です。しばらくして分かったのですが、これチャンという地元のお酒を造っている様子なのです。

雑穀を発酵させて、水を混ぜながら絞っていく感じでしょうか? とにかく僕らが見かけた場面はチャン作りの最後の行程です。上にある雑穀を絞ると下にある緑のバケツにできたばかりのチャンが溜まります。カメラを向けると照れながらも喜んでくれた可愛いお爺ちゃんでした。

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右にある白い液体がチャン(チベットではジャンと発音するらしい)。

ちなみにトレッキング中の宿にあるメニューでは、宿によってスペルが違います。例えば Thang や Chang など。あるいは Local Beer という表記の店もあります。味は原始的なカルピスサワーとでも言いましょうか? アルコール度数も(たぶん)あんまり高くなく、日本人には飲みやすいお酒だと思います。

トレッキング中にお酒を飲みたい人はこれを飲みましょう。ビールと違い、空き瓶のゴミも出ませんし、手作りでおいしいし、安いです。

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見ていたらなんと1杯もらってしまいました。本当は有料のメニューなんですが……。おいしかったし楽しかったので、自分たちでも追加注文して、昼からお酒です。

なぜかインド人が多い

この村、どうもトレッキング目的じゃないインド人やネパール人の客が多いのです。なにかな? と調べてみるとどうやら古い古いお寺がある。建てられたのは1815年らしく、仏教とヒンドゥー教の両方にとって大切なものらしい。

観光客の多くはそれを目当てにやってくるようだ。みな両手いっぱいにお供え物を持っており、ただ見に来たのではなく、ちゃんと祈りに来たのは明白。神聖な場所であることがよくわかる。

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上の写真、寺に入ったところ、いくつか建物があるのですが鬱蒼とした木で全体が見通せないほど広いのです。

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女性が集まっている場所。みんなボソボソとお経を唱えながら建物の周りを時計回りに回ります。

僕らも中に入ってみましたが、なんとまぁインド人の多いこと多いこと。もちろん来ている客にもインド人が多いのですが、入り口に溜まり物乞いをしている修行僧もほとんどインド人です。

寺の建物はどれも外から見ると地味なシンプルな建物です。寺には見えないほど、普通の建物。しかし中に入るとカラフルで、ゴージャス。丁寧に管理されているのが分かります。

村はずれを散歩しているとひとりの老婆が

ムクティナス自体は静かな寺がある以外、とくに目立った観光スポットはありません。しかし落ち着く場所ではあり、僕ら以外にも2泊しているトレッカーはいました。

せっかく1日あるので、村はずれをブラブラ散歩していると、村から30分くらい離れた場所に1軒の家が。最初誰も住んでないと思ったのですが、お婆ちゃんが顔を覗かせました。

ほとんど英語が話せないお婆ちゃんは、ぼくらとコミュニケーションを取ろうと何かを言っているのですが、ほとんど理解できず、唯一理解できたのは「アップルパイあるけどいる?」と「帰り道はあっちだよ」の2つだけ。アップルパイは有料だろうと思ったので断り、彼女に従って帰ることに。

この写真「あっちだよ」の瞬間です。

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ムクティナスで連泊しよう

この地域のトレッキングをする人はぜひこの村でゆっくりしてみてください。

何もしなくていいんです。食べ物もおいしいし、村の雰囲気も良いです。少し商売っ気の強い土産物屋が多いですが、大きな町に比べれば全然です。ただ暖かい陽射しの下で本を読むのもいいでしょう。寺を散策したり、村の周りを歩き回ってもいいでしょう。山の上から降りてきたトレッカーと「どうだった?」と雑談に耽ってもいいでしょう。

周りの雪山の光景も手伝って、そういう「何もしないことをする」みたいなことが凄く楽しい村なんです。

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