ダラムサラにある、涙なしに見られないチベット博物館に行ってきた

昨日の投稿でダラムサラにはチベット亡命政府があるということはお話しましたが、実はぼくらが滞在しているマクロードガンジはその中でも “リトルラサ” (ラサ=チベットの首都)と呼ばれる場所なのです。


インド人とチベット人のるつぼ

ダラムサラにせよ、マクロードガンジにせよ、国はインドです。だからインド人が沢山いるのは当たり前ですが、チベットから亡命してきた数万人のチベット人も居住しており、さながらチベットのような様相も帯びています。

特にマクロードガンジについてはリトルラサと呼ばれるほど、チベットのよう(チベットに行ったことがないのですが……)。並ぶ店はみんなチベット系。土産物もチベット物。

インド人も若干アウェイなのか、探り探り観光しているのが面白いです。インド人はインド料理しか食べない人が多いのですが、チベット料理を試してみたりしているのがなんだか可愛い。

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ここに来たら行かねばならないチベット博物館

博物館というと、本当に当たり外れが多いのですが、マクロードガンジにあるチベット博物館については絶対に行ってほしいです。ぜひここでチベット人の現状について知ってほしいと思うのです。

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展示はほとんど写真+説明

展示と言ってもほとんどは写真と説明文ばかりです。と、これだけ聞くとつまらなそうと思うかもしれませんが、とんでもないです。

1959年にチベットは中国政府に圧力をかけられ、ダライラマと政府がダラムサラへと亡命しました。その当時の中国軍の様子や、その前のラサの様子、あるいは最近のチベットの様子などが写真で展示されています。中国支配の Before/After を見ることができるのです。

焼身自殺で訴えたいこと

ショッキングなのは多くの焼身自殺の事実です。100人以上のチベット人が焼身自殺をしています。

その理由を理解するにはやはり現状の中国支配を理解する必要があります。

母国であるチベットは、すでに中国人の方が多いという状態。教育なども中国語。自国にいるのに、外国にいるような疎外感。しかも、尊敬する(崇拝する?)ダライ・ラマの写真を持っていることさえ許されず、持っているだけで逮捕されるという始末。

信じられますか? ただ写真を1枚持っているだけで逮捕ですよ。たとえ外国人のぼくらが持っていても逮捕されるそうです(あるいは強制送還)。チベット政府の発表するサイトを見ると、それでもなお、チベットにいるチベット人はダライラマの写真を欲しがるそうで、外国人を見ると「ダライ・ラマの写真ない?」と聞くそうです。

参考記事:アングル:チベットのために、4児の母が選んだ焼身自殺

こんな悲しいことありますか?

こんなことは序の口なのでしょう。とにかく、チベット人の焼身自殺で訴えたいことは、自由や独立への渇望です。

※ちなみにダライ・ラマは “独立” を要求していません。チベット人の尊厳を認めてほしいと言っています。チベット語やチベットの文化など、そういったものを尊重してほしいと願っています。しかし、チベット国民はやはり独立の思いも強いよです。

こういった焼身自殺を中国政府は “テロ” と呼んでいます。そして焼身自殺を発見すると、逮捕するそうです。そのまま生きているか、亡くなったかも分からない人もいるようです。こういった方々の生前の写真が博物館に飾られています。そして、彼らの「最後の言葉」も展示されています。印象的だったのは「神様、チベット人として生きていくことはあまりに難しい」という言葉。

日本人が、いかに幸せな環境で生まれてきているかが分かると同時に、今まであまりにチベットに対して無知だったということが分かります。

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ダライ・ラマの活動

博物館の見所は映画です。短い動画かと思って見始めたら、1時間以上もある長編。主にチベットの現状やダライ・ラマの活動が紹介されています。

ダライ・ラマ14世は10代で亡命してから、今に至るまでその人生をチベットのために費やしてきました。また、チベットに限らず、仏教徒の長として、世界の平和に向けて活動しています。

中国政府と交渉し、チベットの尊厳を取り戻そうとする一方で、中国/チベット問題に第3カ国を巻き込まないという方針をもっているそうです。というのも、中国はあまり大きな国で、経済的に抗えない国も多く、そういった国に「チベットのためにひと肌脱いでくれ」とも言えません。あくまで、平和的に、他国に迷惑をかけず、静かに解決したいと思っているのが分かります。

あまりに無知

こういった展示を見ていると、自分があまりに無知であることを痛感します。

チベットは、日本と同じようにアジアの国であり、仏教の国であり、平和を願う国です。なのにあまりに知らなさすぎる。同じように戦いを放棄し、平和を願う国なのに、どうしてチベットはこんなに悲しいのでしょう。隣国の問題です。

博物館を見ていて、涙が出るような感情の高ぶりを感じたのは初めてです。知ろうとすることが第1歩と信じて、もう少し勉強します。チベットに行ったことがある人がいたら、ぜひ話を聞かせてください。

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