感激! ダライ・ラマ法王の講演を拝聴いたしました

ホテルでブラブラしていたら「なんか28日にダライ・ラマの講演があるらしいよ」と同じホテルの女の子が教えてくれました。それは行かないと!


噂話から始まりました

ホテルに併設されているカフェで朝ごはんを食べていたとこのことです。

「なんか28日にダライ・ラマの公開スピーチがあるらしいけど、何か知ってる?」

何にも知らないので「知らないけど興味あるから、何か分かったら教えて」とその場は曖昧に話を終えました。たまたまその次の日、ある日本食レストランに行ったときのことです。

扉に手書きの張り紙が……。

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(ああ、これのことだ)

と、とっさに写真を撮っておきました。事前情報がなければきっとこの張り紙も目に入らなかったと思います。本当、旅って言うのは偶然に支えられてますね。

手続きはなんてことはありません。パスポートを持って、Branch Security Officeという場所に行けば、参加手続きは完了です。

当日

「スピーチは9時30分から始まるけど、見に行く人は7時30分より早く行くこと」

と事務所で言われていたので、念のため7時前に会場である、チベット寺・ダライ・ラマ邸に向かいます。するとすでに長蛇の列。朝ごはんを食べていなかったので、近くのチャイ屋でチャイを飲んでから並びます。

列はどんどんと伸びて、気付けば後方にずらりと伸びています。早めに来て良かった……。

ゆっくりゆっくりと列が進んでいきますが、本当に遅い。辛抱強く待っていると、ようやく入り口が見えてきました。どうやらセキュリティチェックが厳しく、一人ひとりボディチェックをしているため、時間が掛かっているようです。

それも終え、ダライ・ラマ邸の前で1000人以上の人間が集まります。

すでに時間は10時になろうという頃、ようやく準備が整い、まずは写真撮影。国籍ごとに集まり、そこにダライ・ラマ法王が入る形で写真を撮るとのこと。日本人も集まってみれば30人くらいはいるでしょうか。知っている人もたくさんいて、ちょっとした同窓会のような気分でした。

ゲートが開き、おつきの僧侶と共にダライ・ラマ法王が姿を現しました。会場中が拍手に包まれます。第一印象は「小さくて大きい」でした。物理的な身体の大きさは小さいです。しかし、オーラが凄くて、見た瞬間にクラッとするほど。和やかで、感激するぼくらを見て「ハッハッハ」と声を出して笑っているのですが、その笑いひとつとっても、吸い込まれそうなほど深く感慨深い。

そりゃそうです。1959年、当時24歳にして、彼は恐ろしく難しい問題に向き合っていたんです。詳しく語るのは避けますが、当時彼は……

  • チベット法王として、国とチベット仏教のトップ
  • 1949年から始まった中国のチベット侵略への対応
  • このままチベットにいれば殺されるという危機感からインドへ亡命

という彼の人生はもちろん、チベットという国の大転換期にありました。しかも国を失うという負の転換です。彼の生涯を知れば知るほど、自分の人生における不幸などたわいもないことだ、とさえ思えます。

そんな彼の笑い声は本当に深く尊く思えました。

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写真撮影が終わり、いよいよスピーチ

彼のスピーチをここですべて伝えるのは無理です。しかし彼が伝えようとしていたことの趣旨は「本来、人は平等であり、人が人を区別する要因はすべて人が作った物である」ということです。人は国を作り、組織を作り、国籍を作り、人種を作り、”彼ら” と “わたしたち” という区分けを作りました。西欧の人、東欧の人、アメリカ人、インド人、など何か区分けを作っては、それが争いや差別を生みます。

ダライ・ラマ法王が繰り返し仰っていたこととして、「異なる人種や宗教のハーモニー」という言葉がありました。そして、それらは完全に調和されるべきものであり、それが成功しているひとつの例がインドである、とも。一方でインドにおけるカースト制度は最悪で、一刻も早くなくなるべきであるとも明言しておりました。

また人類誰しもが望むこととして「幸せ」というものがあるが、多くの人は物理的な幸せを求めている、とも言います。スピーチを思い出しながら書き起こしてみます。ユーモラスで面白いですよ

「良い音楽を聴いたり、おいしいものを食べたり、良い香りを嗅いだり、セックスをしたりするのは、物質的な楽しみです。まぁ、わたしは僧侶なのでセックスの楽しみというのは知らないのですけどねぇ(会場笑)。楽しいんでしょ?(会場笑、法王、会場を見渡して『楽しいの?』と訊ねる)。――そういう物質的な楽しみは一時の物です。そんなに長くは続かないんです。続かないでしょ?(会場笑) そういう物質的・表面的な幸せってのは、さらなる欲求を生むだけなんです。欲求は苦悩を生んで、幸せを遠ざけます。幸せって言うのはもっと内面的なものなんです」

思い出しながら書いているので、少し違うのは許してください。

彼の話はビパッサナ瞑想などで教わったことと同じです。実際、今日のスピーチの中でビパッサナ瞑想が大切、とはっきり仰っていたので、きっと日常的に取り組んでおられるのでしょう。

ダライ・ラマ法王はこの後も定期的に笑いを取りながら、しかし本質を突く、大事な言葉を随所に織り込んでいきます。そのどのメッセージも「人は本来平等で、誰もが幸せになれるはず。暴力的な手段を用いず、平和を手に入れることが大事」という彼の願いに通じる物です。

スピーチを終え

スピーチは30分ほどだったでしょうか? もっと長かったかもしれません。時計を持っていなかったので……。

とにかく彼の言葉は深いです。決して英語がネイティブのように話せるわけではなく、時々おつきの人に単語を聞いたりしながらのスピーチでした。しかし、スピーチというのは英語力なんてまったく関係ないのだと痛感。シンプルな言葉を、明確に繋げていく。それが彼の人生と重なって、重要な意味を発信していきます。

途中、何度となく客席から大きな拍手がわき、感極まって涙を流す人もいました。それだけ彼の影響力が大きいのです。これを書いている今でも、ダライ・ラマ法王の姿というのは目に焼き付いています。また、彼の言葉もそうです。

なかなかない機会に巡り会えたことを、本当に感謝しています。

ありがとうございました。

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