チベット人の気質が垣間見えた、チベット人ナースの雨へのリアクション
5日前にお腹を壊して、検査を受けたところお腹に「ミャオミャオ」という菌がいると分かったMiaですが、その後いまいち体調が治らないので、改めて病院へ行くことに。
352日目 – 2014年5月27日(wow, もうすぐ1年!)
壊れたお腹は治らず、熱も出るし……
5日前にお腹を壊し、病院に行ったところ「お腹に菌がいるから抗生物質を飲もう」と指示され、言われたとおりに薬を飲んでいたのですが、いっこうに良くならなりません。お腹の調子は緩やかによくなっているものの、抗生物質で良い菌を殺してしまっているからか、熱が出たり、食欲がなくなったりと、弱っていく……。
どうすればいいか聞いてみようと言うことで、タクシーを飛ばして病院へ行くことにしました。
薬は間違いない!
若い先生に事情を話すと
「うん、症状を見ると薬は間違いない。ちゃんと最後まで飲んでみて、様子を見よう。あまりに調子が悪いなら、点滴でもうつ? 元気出るよ」
海外で点滴とか注射って何となく怖いんですね。「針大丈夫?」「清潔?」みたいに疑心暗鬼になってしまうんです。でも、過去に点滴を受けたら凄く元気になった経験があったので、Miaを説得し、点滴をうつことに。迷うMiaを見て先生は
「チベット人はみんな点滴打ちたがるんだけどね~。点滴打って元気にならないと病院来た気にならないんだよ。わっはっは」
そういや、100年前の話になりますが、川口慧海のチベット旅行記1にも
チベット人は薬を飲んで、すぐに効果が現れないと「薬が弱い」と思ってしまうから、医者は薬に下剤を混ぜたりして、飲むとすぐに症状が変化するように仕組んでいる。
という内容の記述があったのを思い出しました。今でも即効性を求めているんですね。気質ってのは変わりませんね。
さて、勇気を出して点滴をうけることに
医者が書いてくれる受診票を受付に渡すと、奥からあれこれ用意して、箱を渡される。箱を開いてみると、中に点滴道具一式が入っている。日本だったらこんなの患者に渡さないよなァ。
写真にあるペットボトルみたいものが点滴液。これを2本打つらしい。看護婦はチベット人のおばちゃん。パパッと手際よく準備して、Miaの腕に点滴用の注射を刺します。なんだかこうして点滴に繋がっていると重病人のようですね。
病室のベッドはほぼ埋まっていて、老人が眠っていたり、ベッドの上で数珠を繰りながら延々とお経を唱えていたり、携帯電話で嬉しそうに音楽を聴いていたり、本当に思い思いに時間を過ごしています。
「ヒュー! 雨だ!」
1本目の点滴を終える頃、おもむろに看護婦が現れて、2本目の点滴液に変えてくれました。その時です。外は強烈なにわか雨。ここ数日、天気雨のような天気が続いていたから、別に珍しい雨でもなかったのですが、看護婦が突然
「ヒュー! 雨だ!」
と歓声をあげました。「雨嬉しいの?」と訊ねると「だって涼しくなるからね」とまた満面の笑みで答えてくれます。なんか和みますね。だって、病室ですよ。点滴を打っている真っ最中に、恵みの雨に歓声をあげる看護婦。なんだか温かい気持ちになりました。
余談ですが「にわか雨」って言葉が好きなんです。中島みゆきの「春よ来い」に
淡き光だつにわか雨~♪
という歌詞があり「なんかいい言葉だなぁ」と心に残り続けています。名曲ですね。
結局、その後
後日談的。
点滴を打ち終わると、やっぱり元気になるんですね。その後少しずつに体調が直り、今ではもう元気です。ご心配なく。
そもそもお腹を壊した原因が分からないのです。食べ物や水は気をつけているし、不健康な遊び方もしていないし、まぁ、決して衛生的な場所にいるわけではないので、どこで感染してもおかしくないのですが……。
この調子で、各国の病院に行って「世界の病院特集」でもやりましょうか。
やらずに済むことを祈りますが……。
みなさんは海外の病院で面白体験をしたことがありますか?
- 川口慧海のチベット旅行記:100年前、まだチベットが鎖国していたときに日本人として始めてチベット入国を果たした僧侶が書いた旅行記。チベットでダライ・ラマに会い、仏教研究に献身した。オススメの旅行記。 ↩