家族の人数が3桁オーバー とてつもない大家族の家に泊まることに

長旅していると誰かの家に泊まらせてもらうという機会に恵まれることが多いのですが、まさかこんな大家族とは……。日本では考えられない大家族です。


目的地はバトマン

トルコの東の果てにいるわけですが、このあたりは遺跡的な観光場所が非常に多いです。ある人に聞けば「ディヤルバカルが1番面白い」、別の人は「ハサンケイフには行かないとね」といった具合に、オススメの場所が人それぞれ。薦められるがままに行っていたらキリがないので、ここはハサンケイフに行くことに。特に根拠はありませんが、オススメする人が多かったので……。

で、ハサンケイフというのは小さな町です。泊まる場所があるか分からないので、少し大きな隣町であるバトマンに1泊し、明日ハサンケイフを目指すことにしました。

トルコではオトバスと呼ばれる観光バスに乗って、バトマンを目指します。到着したのはちょうど日暮れ時。宿も決まってないし、どこに宿があるかも分からない。しかもバスを降ろされたのはバス停でもない町外れ。

知らない町の隅っこで宿の場所も分からず「どうしようか?」とふたりで考えていました。旅をしていて、こういう状況に離れているので、変に不安になったりはしませんが、やっぱり心細いものです。遠くを見ると高級ホテルが見えます。「ひとまずそこに行けば英語を話せる人がいるかもしれない」という淡い期待を込めて歩いてみることにした、その時です。

車で送るよ

ふたりの青年が寄ってきました。英語はほとんど話せないのですが、身振り手振りで「ホテルないかな?」と聞くと、向こうも身振り手振りで「友だちが車で迎えに来てくれるから、それに乗ってホテルまで送るよ」と言ってくれました。

(それにしても、こういう会話を身振り手振りでこなすのはうまくなったと思いますよ)

で、後ろをついていくと、その友だちの車がありました。乗り込んで、ぼくらを誘ってくれた青年が迎えに来た友だちに事情を説明しています。そしたら

「うちに泊まりなよ、いいでしょ?」

と、ぎこちない英語と身振り手振りで言ってくれました。車の中でバックミラー越しに顔を見ただけのぼくらを泊めてくれるなんて、こんなありがたいことはありません。他に行く当てもないので甘えることにしました。ちなみに彼です。

ん? 子どもが多い

ついたのは結構大きな家。離れのようになっている大きな部屋をあてがわれて、ここに泊まって、と言われます。その離れの窓を見ると、子ども、子ども、子ども……。

突然やってきた外国人に大興奮の子どもたちです。ぱっと見ただけで10人くらいいます。


どうやら大家族の様子。そこで家族構成を聞いてみました。

するとその辺を歩いている5歳くらいの子と、20歳を越えた青年たちは兄弟だったりいとこだったりします。なかにはぼくらくらいの年の人もいて、その人も、その辺の子どもと兄弟だったりする。実は細かい家族構成が分からないのですが、確実に分かったことは……

お爺ちゃんには妻が3人(3人とも健在で同居、要するに一夫多妻)。で、それぞれの妻に10人以上の子どもがいる。だから、そのお爺ちゃんにはざっと33人くらいの子どもがいる。そんな状態だから、双子じゃないのに同い年の子どもがいたり、

「わたしのお母さんはこの人、で妹のお母さんはあの人」

ってな具合に、異母兄弟が入り交じって生きているというわけ。

ってことは何人家族?

と聞いても「分からない」と。そりゃそうですよね。だって、お爺ちゃんの子どもが33人として、それそれが結婚して、ひとりずつ子どもがいたら、それだけで100人越えるんです。凄くないですか? 33人の子どもに、33人の子どもの嫁・夫、そして33人の孫。で、言っておきますが子どもがひとりなんてことはないですよ。2人3人は当たり前。ということで、3世代合計すると100人どころが、150人を越える大家族、というわけ。

家族が集まって食事なんて言ったら……。いくらかかるの?

一夫多妻制ってどうなの?

ぼくらの常識からしたら頭にハテナが浮かぶ一夫多妻。世界的には決して珍しくないけど、世界中で廃れてきている制度でもあります。ちなみにチベットは珍しい一妻多夫という制度。しかも男側はみんな兄弟。言い換えれば兄弟でひとりの妻をもつ、という状態。面白いですねェ。

「実際、正直なところどうなの?」

とひとりだけ流暢に英語が話せる女性に聞いてみました。

「絶対イヤ。わたしは絶対にひとりの妻として結婚するし、そういう時代じゃない。昔はお金があれば結婚できたけど、今は違う。お母さんたちだって苦労してるもの」

熱くなってそう答えてくれました。まァ、そうですよね。

それにしてもお爺ちゃん。元気ですねェ。そのお爺ちゃんにも会いました。

「いきなり来て、泊めてもらってすいません」

と伝えると

「きみらもぼくの子どもみたいなもんだから、自由に泊まっていっていいよ」

と突然やってきた外国人であるぼくらを受け入れてくれました。彼は物静かで、周りを子どもたちが走り回って、騒ぎ回っていても、一切無視して、ジーッと黙って座っていました。

そういえば君は?

本当に寝るとき以外は静かになる場面がない、騒々しい環境ではありますが、凄く楽しい家族たちでした。

結局2泊させてもらったのですが、その間に「君は兄弟がいるの?」と聞かれました。

「いないよ」

と答えると、ものすごい哀れそうな顔で「かわいそう……」と……。

いやいやいや、別にかわいそうじゃないんですよ。ぼくは最初からひとりっ子で、兄弟が欲しいと思ったこともないし、ぼくにとっては当たり前のことだから。海外を旅しているとひとりっ子をかわいそうと思う人が多いみたいで、よく言われるんですよ。

でも、まぁ、兄弟が30人もいる人にとってはひとりっ子って想像もできないんだろうな。

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