Workawayの話:ぼくらをホストしてくれている家族について
Workawayは事前にメールでコミュニケーションを取っているとは言え、結局は会ってみるまでホストの人がどういう人か分からないものです。今回のぼくらのホストがどういう人で、ボランティアであるぼくらに何を求めているかをご紹介しようと思います。
何をしている家か?
50歳くらいになる男性レヴァントがこの家の主。レヴァントは十代でイギリスに行ったトルコ人ですので、完璧な英語を話します。トルコ人は(日本人と同じで)英語を話せない人が多いので、こうして流暢な英語を話せる人は珍しいです。
彼の持つこの敷地は広大です。細かい数字は忘れてしまいましたが、とにかくふたつの土地を持っていて、どちらもしばらく歩き回らないと全体像が掴めないほど広いです。片方の土地はブドウやオリーブの果樹園になっており、村の人にメンテナンスを依頼しているとのことでした(取れた果実を折半することになっているようです)。
ぼくらが滞在していた方の土地も半分は果樹園です。ほとんどはオレンジですが、イチジク、ザクロ、ブラックベリーといった果樹を育てています。で、残った土地に母屋を中心に建物が数軒あるという形。その建物の周りに家庭菜園レベルの畑があり、トマト、チリ、ナス、トウモロコシなどなど少しずつ育っています。
自由に取って食べていいと言われていたので、食べたりジュースにしたりしてました。
でレヴァントが何をやっているかと言えば、ブドウからラキというお酒を造って販売したり、オリーブオイルを作って販売しているそうです。
レヴァントはできるだけサステイナブルな生活スタイルにしたいという想いがあるようで、すべてではありませんが、自分が食べる分の野菜くらいは自分で育て、果樹から取れる果物をジャムにして冬の間の食料にしたり、とがんばっています。
そうは言ってもやっぱりお金は必要なので、開いている部屋を使ってゲストハウスを開きたいということでした。
ぼくらは何を求められているか
仕事はシンプルでした。
日常的な仕事は……
- 家の周りの掃除(枯れ葉集め、プール掃除など)
- 家の中の掃除
- 畑のお世話(水やり、雑草抜きなど)
時々発生した仕事としては……
- Booking.comへの登録手伝い(日本で言う楽天トラベル的なもので、ホテル検索サイト)
- 買い物
- 壁のペンキ塗り
といった感じ。英語でGeneral Maintenanceと呼ばれる、いわゆる家事+雑用という程度の内容です。
Workawayをやったことがないと「行って難しい仕事を頼まれたりしない?」と不安になる人もいると思いますが、だいたいこんな感じです。やったことがないものは「やったことがない」と言えば、教えてくれるかホストが自分でやります。そんなものです。
とにかくぼくらに求められていたのは、ゲストハウスを開くための準備手伝いと言ったところでしょう。いつ客が来てもいいように、広い敷地をきれいに保ち、古くなっている物置や ”離れ” を掃除してペンキを塗ったり、ということを延々とやっていました。
兄弟住まい
レヴァントは姉が3人いて、その3人もここに滞在しています。いわゆるリゾート地にあるので、夏の間だけ泊まっているようです。だからぼくらはトルコ語しか話せないおばちゃん3人と、英語も話せるレヴァントと同居していたことになります。
おかげでトルコ語が少しだけ話せるようになりました(単語だけですが)。
ちなみに……、ですが、近所に耳の聞こえないおばちゃんが住んでいて、よく遊びに来ていました。その耳の聞こえないおばちゃんが1番コミュニケーションが取りやすかったです。お互い言葉に頼らず身振り手振りで伝え合うので、生半可トルコ語を話す人よりも通じ合うんですね。
写真左の人です。
そのおばちゃん、本当に優しい人で、ぼくらの滞在が終わる頃に別れの挨拶を言いに行ったら、すごく寂しそうにしていました。また会いたいな。
他にも遊びに来てくれる家族がいて、最後まで言葉が通じなかったものの、会うたびに和やかに「マルハバ(Helloみたいな意味)」と挨拶しあう関係でした。
地中海地方
この家は地中海近くの山の中にあります。車で30分も行けば、地中海沿岸のビーチに行けます。歩いて行ける範囲には何にもなく、店の1軒もありません。ちょっとした外出でもヒッチハイクです(これが思ったよりもうまくいく)。
とにかくそんな場所で、ぼくらは1ヶ月を滞在していました。なにもかも順調だったわけではありません、ぼくらなりにストレスを感じたり、うまくいかないこともあり、悩み悩みの1ヶ月でもありました。が、振り返ってみればいろいろ勉強になったし、楽しかったし、何より姉が作るトルコ料理は最高にうまかった。
どんなに大変な時でも、この家の子猫のおかげで和みます。名前はパスパス。トルコ語でドアマットを意味します。いつもその辺で寝ていて、践んでしまうから、とのこと。持って帰りたい……。
ちなみにぼくらが滞在している最後の1日になって初めての宿泊客がやってきました。それはそれは大変だったのですが、その話はまた別の機会に……。