トルコの社交場、トルコ風呂の体験記

トルコの名物のひとつが「トルコ風呂(ハマム)」です。日本でも誤用されていた言葉でもありますが、ちゃんとここで説明しましょう。

2014年7月27日

さて、トルコと言えばトルコ風呂。聞いたことがないと言う人もいれば、「なにそれ、やらしい!」と思う人もいるでしょう。


トルコ風呂とは?

イスラム教の教えとして「清潔は信仰の半分」という言葉があるくらい、清潔であることが大切なことです。例えば、ほとんどの国ではトイレのあと手を洗いますが、イスラム圏の国では肘までちゃんと洗いますし、靴を脱いで足まで洗います。

日本人男性を見ている限り “水で流して、パッパッ” と済ます人が多いことを考えると、雲泥の差です。

そんなイスラム圏のトルコですから、お風呂は大事な施設のひとつです。どれだけ大切かというと、新しい町を建築するとき、モスク(イスラム教における教会)と神学校の次に建てるほど。日本で言えば、神社と学校のあとに銭湯を建てるイメージです。

“お風呂” と言っていますが、文字通りの風呂ではなく、その多くは蒸し風呂が基本のようです。だから湯船に浸かるわけではありません。

日本のトルコ風呂

さて、子どもはこのセクションは読まなくて結構です。

始まった年代は不明ですが、1984年まで日本でトルコ風呂といえば、個室付き特殊浴場のことを指していました。今のソープランドです。これは2つの大きな誤解の上で起きた誤用だと思われます。

ひとつはハーレムに対する誤解。日本でハーレム(本当の発音はハレムに近い)と言えば「男性が多数の女性をはべらかす」くらいの理解だと思います。実際は意味が違います。

イスラム圏では女性は自分の家族以外に髪や肌を見せるべきではないという教えがあります。だから今でも全身黒いマントのような服をまとって、目だけ出して生活しているわけです。そこで家の中でも「客が入れない部屋」を設けるようになったそうです。ここがハレム。突然お客さんが来ても、みんなこの部屋に逃げ込めば見られずに済むというわけです。

まぁ、実際、いろんな意図があった仕組みのようで、良いとも悪いとも言えませんが「女性は家にいてもらおう」という意図はあったようですね。善し悪しはともかく、「女性をはべらかす場所」ではないことだけは確かです。

参考→ハレム(Wikipedia)

もうひとつの誤解はトルコ風呂(ハマム)のサービスです。ハマムでは浴室(蒸し風呂)でマッサージやあかすりなどのサービスを行います。浴室+マッサージ

「トルコにはハレムって言うたくさんの女性をはべらかす場所があって、浴室ではマッサージもしてくれるんだって」

という勘違いから、個室付き特殊浴場を指すようになったんでしょうね。ともかく1984年にトルコ大使館から抗議を受けて、トルコ風呂という呼び名はなくなり、ソープランドと呼ばれるようになりましたとさ。

まったく……。

ハマム体験

実際のところ、すっごい文化的にも宗教的にも深くトルコに根付いていたハマムです。語ることはまだまだありますが、それはともかく体験記に移りたいと思います。写真は撮れないので、文章だけでお楽しみください。

ブルサのハマム

イスタンブールから南に行った場所にある、ブルサという町でハマムに行きました。この町はいわゆる温泉街。ハマムがたくさんあり、場所によっては500年前から続くハマムもあります。この日はぼくの誕生日の翌日ということで(当日が移動日であんまり遊ばなかったので……笑)、贅沢して、その500年前からある古いハマムに行くことにしました。

ちなみにここ、裏が女性用になっていて、Miaはそっちに行ったのですが、スタッフの対応も悪く、団体客が入ってきて騒がしそうだったので、入らなかったようです。

ちなみに女性のハマムは当時、母が息子の嫁を探す場所として使われていたそうです。イスラム教では女性はみんな顔を隠して歩いているので、息子を美しい女性と結婚させたければ、このハマムで顔を出している中から探すのが良かったわけですね。また、女性のハマムは男の目を気にせず話せる場だったことこともあり、すごく騒がしい場所だったそうで、イランやレバノンでは「ハマムの女湯」といえば「騒がしい場所」を表現する言葉だったそうです。

「騒がしい場所だ!」の代わりに「女湯みたいだ!」と言ったんでしょうね。

中に入ると

中に入るといきなり「個室で服を脱げ」と言われます。日本だと共通の脱衣場で脱いで、ロッカーなり、かごに服を置きますが、ここでは脱衣場が個室です。そこで服を脱いで腰にタオルを巻き、荷物を置いて、鍵をかけて出ます。

で、促されるままにサウナへ。サウナは日本で見かけるサウナと一緒。あるいはちょっとだけこっちの方が熱いかもしれません。ちなみにその場にヨーロッパのどこかから来た若者たちがいたんですが、サウナに入った途端「熱い!」と出て行きました。あれじゃ、草津の温泉には入れませんね。

しばらくサウナで過ごし、全身から汗が吹き出したころ、サウナから出るとそこは蒸し風呂です。蒸し風呂なので、浴槽はなく、みんな適当に壁際に腰掛けています。

部屋の真ん中に2メートル四方の台があり、その各辺に客の男性が横になり、マッサージを受けています。

しばらくボーッとしていると、そのうちマッサージをしていたスタッフに呼ばれます。そしてその四角形の辺に横になります。まずはあかすり。これは日本で受けるあかすりと同じですが、日本で受けたのに比べると、雑だと思いました。日本ではもっと念入りやってくれた気がします。

それが終わると、流れでマッサージが始まります。ここでいうマッサージというのは、目の細かい泡で、全身を手荒に洗う感じです。屈強な男が手で全身を揉みながら洗ってくれます。凄い勢いです。

あっという間に終わり、シャワーへ送られます。汗を流し、外に出ると、すぐに3枚くらいタオルを体に巻かれ、終わり。でも、終わってからもゆっくりするのがハマム流なのか、みんな浴室の外にある椅子で、タオルを巻いて座っています。ここでも地元の人同士が和やかに雑談しています。

男性にとっても、ハマムは交流の場だったと言いますから、こうして裸の付き合いをすることも社交の一環だったんでしょうね

とにかく凄い勢い

上に書いたとおり、ぼくが入ったハマムは凄い勢いでした。サウナ→蒸し風呂→あかすり→マッサージ→シャワーと、考える間もなく流された感じです。

たぶん、これは人気のハマム(観光者向け)に行ってしまったからだろうと思います。本当はもっと素朴に静かに過ごせるのではないでしょうか?

やっぱりぼくは日本の温泉が好きだなァ。そんなことを再確認した1日でした。

参考→ハンマーム

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