薪で調理は本当に環境に優しいか? 薪燃料を語ります

ぼくらがお世話になっているホストは調理+暖房に薪ストーブを使っています。それももちろん環境を意識してのこと。本当にガスやその他の燃料に比べて薪ストーブは環境に優しいのでしょうか?

※ここのホストについて他の紹介記事


調理についてホストの方針

このホストは調理に使う燃料について明確な方針があります。

  • 朝食 ▶ ガスコンロ
  • 昼食 ▶ ガスコンロ
  • 夕食 ▶ 薪ストーブ

恐らく、これが冬になるとすべて薪ストーブになるはずです。そして、朝食・昼食はガスコンロと言っていますが、実際はあまり火を使った調理をしません。せいぜい卵料理を1品作るくらいのものです。

つまりここのホストは明確に「まとまった調理は薪ストーブで作ること」という方針を決めています。

理由は?

理由は2つあります。

ひとつは薪が安いこと。周りが山に囲まれた田舎町です。地元の人が木を間伐した際、その間伐材を安く買い入れています。正確な値段を忘れてしまいましたが、ガスに比べて半額以下でした。

ちなみに間伐というのは森の木を切って、他の木の生長を促進するための行為です。いわゆる野菜を育てるときの間引きと同じです。

もうひとつの理由は環境に優しいこと。薪の方が環境に優しいというのですが、実は腹に落ちませんでした。だって、森林伐採は問題視されているし、木を燃やすことは二酸化炭素を発生させるし……。

そこで調べてみました。本当に薪ストーブは環境に優しいのか?

※ぼくは専門家ではありませんし、ネットで調べた程度の知識です。参考程度にどうぞ。

二酸化炭素の排出

できるだけ簡単に説明します。

ガスも石油も木材も燃やせば二酸化炭素を排出します。それは同じです。だからそういう意味ではどれを使っても同じだと言えます。

しかし一歩も二歩も踏み込んで考えてみると、薪ストーブが環境に優しい理由が分かるかと思います。

二酸化炭素の排出量

木は成長する過程で光合成をして、二酸化炭素を酸素に変えていきます。そして切って燃やすと二酸化炭素を吐き出すわけです。つまり生きているときは二酸化炭素を吸い、死んでから吐き出していると言えます。この吸った二酸化炭素と吐き出すに酸化炭素の量が同じであることをカーボンニュートラルと言うそうです。

で、この吐き出す量は例え木が自然に倒れ、腐っていっても同じとのこと。つまり、木というのは吸った分だけ、吐き出すようになっているんですね。ということは、木を育てて燃やすという行為は地上の二酸化炭素の絶対量を変えません。

一方で地下資源(石油・ガスなど何でも)はもともと地下にあって、当面は地上に出てくる予定のなかった資源です。それを人間がわざわざ地上に掘り出して、燃やして、二酸化炭素を生んでいます。つまり地上の二酸化炭素の絶対量を増やしているわけです。つまりカーボンニュートラルではない。これをカーボンポジティブと言います。

結論として、カーボンニュートラルである木と、カーボンポジティブである地下資源を比較すると、当然薪ストーブの方が二酸化炭素という切り口で考えたときに、より環境に優しいというわけです。

灯油と薪の二酸化炭素の排出量を計算しているサイトがありました。

暖房燃料の違いによる二酸化炭素排出量
(カーボンニュートラル考慮)
灯油利用 : 二酸化炭素排出量= 1,756 kg-co2/年/世帯
薪の利用 : 二酸化炭素排出量=  316 kg-co2/年/世帯

薪とCO2排出量の関係は?

「カーボンニュートラルを考慮」とされていますね。これはつまり、木が吸ってきた二酸化炭素を考慮しているわけです。これを考慮しないと実は灯油よりも多くの二酸化炭素が排出されます。つまり薪は短期的には二酸化炭素をより多く発生させるが、長期的にはバランスが取れている、というのが正しい答えなのでしょう(ちなみに「薪もゼロじゃないじゃん」と思った人は鋭いです。理由は後述します)。

物事は長期的に考えたいものです。

バイオマス燃料

先ほど書いたことの繰り返しになりますが、木は地上の生物(植物)であり、地下資源は文字通り地下の資源です。前者から作る燃料のことをバイオバス燃料と言って、地上の二酸化炭素の絶対量を変えない燃料として、枯渇の心配が少ない非枯渇性資源とも言われていることから注目されています。

この点からもバイオマス燃料である薪は環境に優しいと言えるわけです。

本当?

実際のところ問題もあります。

  1. 輸送コストがかかる ▶ 輸送の際にトラックが二酸化炭素を排出してしまい、カーボンニュートラルではなくなる。実際、先ほどご紹介した二酸化炭素の排出量がゼロになっていない理由は輸送を考慮しているため。
  2. 再生力が必要 ▶ いくらバイオマス燃料だと言っても、木は生長するのに一定の時間がかかる。これを適切に管理しなければ、森林の縮小という問題を生む。
  3. 土地の問題 ▶ すべての燃料を薪で置き換えようとすると、膨大な土地が必要になる。例えば日本だと国土の7杯も必要だとか。この土地の大きさのことをカーボンフットプリントと言います。

このホストの場合、木は周りの山で伐採され、地元の人が馬で運んでくるくらいの距離です。だから問題1はクリア。問題2については間伐材なので恐らくOK(使わなくても必要な伐採だったと言える)。同様に問題3も明確に間伐材を使っているので、大きな問題ではないといえ、ここのホストの場合は概ね問題をクリアしている、と思われます。

つまり「積極的に薪を使う」というホストの選択はこの場合、すこぶる正しいわけです。

ただ全人類が突然「薪に切り替えよう」とすると1〜3、特に3の問題に直面します。木の入手元が大事ですね。

「木だからOK」という簡単な問題ではなく、木を使っているとはいえ、やっぱり節約する必要があります。だから、ここのホストも薪ストーブを燃やしているときは絶対にフル活用します。調理の隙間は必ず水を湧かしたり、犬のエサを作ったりするわけです。

考えることが大切

自分が家で使っている燃料はエコですか? どれが本当に環境に優しいかは生活環境や、使い方にもよると思います。

例えばここのホストも昼食の簡単な料理に薪は使いません。調理に使える火を作って、玉子を焼いて消すのでは効率が悪いからです。また昼間にお茶を作るためには電気の湯沸かし器を使います。

一長一短、適材適所、臨機応変、そんな言葉が示すように、自分で考えて、正しい判断をすることが大切です。

また、ひとつの燃料に依存しないことでトラブルに強い家を作っているとも言えます。電気が止まっても、ガスがなくなっても、薪を使えば大丈夫。薪ストーブが壊れたらしばらくガスを使えばいい。エネルギーは日常生活に大切なものなので、2重3重に用意しているわけですね。

みなさんは正しい燃料を使っていますか?

ぼくは本当にいい加減でした。反省、反省の毎日です。

参考記時

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