オーガニック庭園にこだわるホストにオーガニックについて聞いてみました

ぼくらがお手伝いしているホストが「なぜオーガニック農業」に転向したか? 聞いてみたので、書いてみたいと思います。


ランドスケープ・アーキテクト

日本語でホストの仕事をなんと呼ぶのか分からないのですが、英語では Landscape Architects と言います。土地をデザイン・構築する人。なので、庭師か庭園建築家という言葉が正しいのだろうと思います。とにかく客から依頼を受けて、庭をデザインし、作り上げるのが仕事です。

イギリス人なのですが、トルコで会社を運営しています。なんとつい最近、トルコで有名なベテラン歌手からも庭造りの依頼があったらしく、みんなで驚いていました。それも本人は相手が歌手だとは知らず、依頼のメールに何度も「私は○○だ」と名前を念押ししてくるらしく、それを知り合いに話したら「その人歌手だよ!」と分かったような始末。

いわゆる花で彩られたような庭園も造りますし、家庭菜園的な畑も作ります。そして一貫して、オーガニックにこだわっています。

オーガニックとは?

日本オーガニック&ナチュラルフーズ教会の説明を引用します。

化学農薬や化学肥料を使わずに、水、土、大気を汚染から守ります。

オーガニックとは|日本オーガニック&ナチュラルフーズ教会

これに加えて、適地適作・地産地消なども加えられているようですが、一般的にはやはり化学農薬・化学肥料を使わないということに尽きるかと思います。

ホストがオーガニックに目覚めたきっかけ

1980年代に、イギリス政府が「農薬を利用する人は必ずライセンスを取らなければならない」という制度を制定しました。その頃から今のようなランドスケープ・アーキテクトとして仕事をしていたホストは、ライセンスを取るために指示された研修を受けることに……。

その研修では農薬の使い方・効果に加えて、悪い面の話もきっちりしてくれたそうです。例えば農薬を摂取したらどうなるか? 農薬をまいている自分にどういう影響があるか? など……。

皮肉にも、農薬を使うための研修で、農薬を使うのをやめないといけないと思ったそうです。

その後トルコにやってきて、更に驚くことになります。イギリスではすでに利用が禁止されているほどの農薬がトルコでは日常的に使われたいるのです。農薬メーカーが自社の生き残りのために利用禁止になった国から撤退し、利用可能な国で売っているわけです。ある国では健康被害があるから使ってはならないという危険な農薬が、別に国では利用されているという事実に驚き、やはりここでも「農薬をやめないと」と実感したそうです。

その後、本人は農薬・化学肥料を使わない畑作り・庭造りを勉強します。彼女の言葉を借りれば「どんな問題に対しても農薬を使う方法と使わない方法がある。使わない方法を知っていればいいだけ」とのこと。例えば害虫を駆除するのであれば、その害虫が嫌う植物を植えたり、その害虫を補食する別の生き物を呼び寄せる植物を植えたり、と必ず方法があるそうです。

農薬は悪か?

「農薬は悪か?」と聞けば、ホストは「でもなければ大勢が飢えてた」とも言います。トマトの栽培を例に取り、説明してくれました。

トマトを農薬や化学肥料を使い、適切に育てれば1㎡/1年あたり80kgの収穫ができる。一方オーガニックに育てると4kg程度(思い出しながら書いているので、もしかしたら面積などの単位が違ったかもしれません。ここでは10〜20倍も収穫量が違うのだ、とだけ理解してください)。

つまり適切に使えば凄い収穫量になるのは事実です。今、世界中の農家がオーガニック農法に切り替えたら、それはそれで大変なことになるかもしれません。

また昨今、農薬の利用が増えた背景として、第二次世界大戦が終わり、あちらこちらの戦争のための工場の仕事がなくなり、しかも兵士が帰ってきて、仕事を求めている。そういう場面で、軍事工場をそのまま農薬工場にすることになったケースが多かったそうです。当時の雇用の必要性、また食料の必要性を考えると、必ずしも悪だとは言えないと思います。

しかし一方で、定期的に農薬による事件を目にしてしまうこともあるそうです。

最近では自分のお客さんの畑(オーガニックに作られている)で、ナメクジが大量発生して、お客さんが自分で殺虫剤をナメクジのいるポットの中に入れたそうです。ところが彼女が飼っている小型犬がそれを食べてしまい瀕死の状態に……。一命は取り留めたものの、これをあとから聞いたホストは「やっぱり気をつけないと」と実感したと話していました。

選択肢が必要

やっぱりオーガニックに農作物を作るのは時間もかかり、手間もかかり、収穫量も少ない。ひと言で言えば、金額が高くなりやすい。それでも、ちゃんとオーガニックについての知識を持つことと、買おうと思えばオーガニック商品を買える環境を作ることが大切だと言います。

自分もやってみたい

旅の第1ヶ国目だったモンゴルにいたときから思っていたことですが(読み返してみたらちゃんとブログにも同じことを書いていた)、やっぱり日本に帰ったら、少しでもいいから自分の食べるものを自分で作ってみたいという思いが強まりました。

庭があれば大々的にやってもいいし、なければベランダでいくつか育ててみるのでもいい。

自然を意識した、自分が納得できる作り方の食べものを作ってみたい。そういう思いが強まった経験でした。

「でも、野菜だけオーガニックにしても、今どき何でも農薬・化学肥料を使っているからね。肉も魚もコーヒーも……。全部は避けられないよ」

と残念そうに言うホストの表情が印象的でした。まずは知ることが大切。自分もよく勉強しなくちゃ、と身が引き締まります。

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