薪ストーブを全力で使いこなす7つの方法

ぼくらがお世話になっていたホストの家には薪ストーブがあります。毎日の夕食はこの薪ストーブで調理するわけですが、ただ夕飯の調理をするだけじゃもったいない。効果的に薪ストーブを使う方法をご紹介しましょう。


なぜ薪ストーブか?

これについては以前 薪で調理は本当に環境に優しいか? 薪燃料を語ります で書きました。ここでは読んでない人向けに結論だけ書きます。

石油やガスと違い、薪は比較的短い時間で再生できる資源です。間伐材などであれば、放っておいてもゴミになってしまうわけですし、それを薪として利用することはむしろエコです。多分エコに調理をするなら、薪が1番(あるいはソーラー発電のみを利用する電気コンロか?)だろうと思います。

さて、そんなエコな薪ストーブですが「ただ火をつけて夕飯を作って終わり」じゃもったいない。しっかり使い込んでいきましょう。薪ストーブを使いこなすテクニックをご紹介!

ここの薪ストーブは鍋3つとオーブンがあります。うまくやれば、一気にいろんなものを調理できるわけです。上手に使いたいところ。

火をムダにしない!

薪ストーブの口数を考えてみてください。ガスコンロは2口とか4口とか決まっていて、何個まで同時に調理できるか決まっています。また、1口しか使わないときは1口だけ火をつけることができるわけです。

一方で薪ストーブはストーブの上の面全体が調理場所。鍋の大きさに応じて、何個でも同時に調理できます。言い換えれば、0個でも4個でも使うエネルギー量は同じです。だから0個の状態で火を置いておくのはムダでしかない。最低1つ、できれば3つ4つ調理をしておきたいところ。

そこで火をムダにしないテクニックを!

1. 湯を沸かそう

まず火をつけたら、何にも考えずに大鍋で湯を沸かします。火をムダにしないためにとにかく湯を沸かす。料理で使うかどうかも考えません。メニューをまだ決めていない段階でも湯を沸かします。で、大体使うんですよ。例えば

  • パスタを茹でる
  • 野菜を茹でる
  • 湯引きする
  • スープを作る

なんて具合に料理をすればお湯を使うんです。

量も気にせずたっぷり沸かします。そこから必要な分をとって使えばいいんです。これで「いざお湯が欲しい」という場面で、時間の節約ができます。時間の節約は、薪の節約にもなりますので、絶対やりましょう。スペースが余っているなら鍋2つ分でも沸かしていいんです。絶対に使いますから。

もしお湯を使わなければ大きな魔法瓶に移します。そうすれば、火がないときに「お湯が欲しい」ってなってもノーエネルギーでお湯が得られます(沸騰したお湯が欲しいとしても、すぐに沸きます)。これはヒマラヤ山脈に住むネパール人から学びました。彼らは薪ストーブを調理と暖房にフル活用しますが、常時お湯を沸かしています。それを魔法瓶に貯めて、お茶や料理に使うわけです。だから彼らの薪ストーブの周りはいつも10個くらい魔法瓶が置いてあります。

※ちなみに日本ならこのお湯で熱燗を作るなんてのも……。飲みたいなァ。

2. 煮込みたいものを一気に煮込む

例えば、日中に自宅の畑でトマトをたくさん採ってきて「多すぎるから、煮込んでトマトソースにして、冬のためにとっておこう」なんて場面があります。

また、同じように日中にブラックベリーなどの果物を採ってきて「よしたくさんあるからジャムにしよう」なんて場面もあります。

こういう「いますぐ必要じゃないけど、採った野菜や果物を効率的に使うために煮込んでおく」ものは、日中にやらずにこの夕飯の時まで待ちましょう。こういうのを夕飯の調理中、ずっとストーブの隅っこに放置しておきます。そうすれば、「トマトソースを作るための薪」や「ジャムを作るための薪」が不要になります。夕食の用意のときの余ったスペースで作ることができるという寸法です。

ちなみにぼくらのホストは犬のエサもいろんな余り物を煮込んで作るので、同じように夕食の調理中に煮込みます。

こうやって、できるだけ薪ストーブの上面を埋めておきましょう。煮込みたいものやお湯の鍋を置いておくと、ムダが減ります。

3. 調理後も湯を沸かす

1と同じですが、忘れがちなので挙げておきます。

調理を終えると、当然料理をテーブルに出して、みんなで夕食です。

しかし、ガスコンロと違い、薪ストーブには「火を消す」という機能がありません。つまり調理を終えても、大なり小なり火はついているわけです。調理を終えたからといって、薪ストーブの上を空っぽにしては薪のムダ。これも活用します。

どう使うかといえば、やっぱり湯を沸かす。用途は2個あります。

  • 食後のお茶のため
  • 食器洗いのため

食事を終えたらお茶を飲みたいですよね。これも食事中の火で作ればムダがありません。そして、ここで強調したいのは2個目の用途「食器洗い」です。

当然鍋やお皿には油汚れがあります。普通なら食器洗い用洗剤でも使うのでしょうが、環境に悪いです。悪くないタイプもありますが、それにしたって使わないに越したことはない。そこでたくさんお湯を作っておいて、このお湯で洗いましょう。普通の油汚れは熱湯で落ちます。食器洗い機に入れるにしても、ちょっとお湯ですすぐだけで、汚れのオチが全然違います。

4. 夜は空気弁を閉じてゆっくり燃やす

そういう作業が全部終わったら、空気弁(っていうのかな? 薪を燃やすのに必要な空気を取り込む窓のことです)を閉じて、太めの薪を1つ入れておきます(特に冬)。

そうするとじっくりゆっくり燃えて、朝まで火が消えません。寒い冬などはこれで最低限の暖房になりますし、朝、もう1度火をつけるのがラクですよ。

ぼくらのホストはこの火で犬のエサを煮込みますし、お湯も沸かしておきます。さすがに朝になると “熱湯” というわけにはいきませんが、あったかいお湯くらいにはなります。それを電気ケトルで沸かせば朝のコーヒーも省エネですし、なによりすぐに沸く。

灰もムダにしない

さて、ここまで「燃えている火をムダにしない方法」を挙げてきましたが、燃え終わった灰だってゴミじゃないんです。灰の活用について書いていきます。

※ちなみに薪ストーブの中の灰は完全に取り除く必要はありません。少しあった方が熱効率が良かったり、火が付きやすかったりします。増えすぎたら取り出しましょう。

5. 畑に使う、コンポストに入れる

灰は土壌調整剤として土に混ぜることがあります。土壌調整剤を買うくらいなら、この灰を利用しましょう。ただし、使う前にその特徴を正しく理解してください。基本だけ挙げておきますので、実際に使う際はご自身で調べてください。

  • 灰を入れると、土がアルカリ性に傾きます。酸性が強すぎる土に使いましょう。
  • 土に空気の層ができます。粘土質な土に入れると改善が見込めますが、入れすぎればスカスカに。
  • ミネラル(カリウムとか)を多く含んでいます。

ぼくらのホストは畑に直接入れず、コンポストにいれています。まぁどちらでも良いんでしょう。

6. しつこい汚れ落としに

鍋に着いたしつこい汚れ、固まった汚れに灰をつけると落ちやすいです。

いつもペットボトルのような容器に灰を入れておいて、シンクの横に置いておきます。完全に乾いていると粉のように舞うので、水を入れてあります。これで食器洗い用洗剤を使わずに済みますね。

こんな感じでボトルに灰を入れています。頻繁に入れ替わるボランティアのために、灰の使い方が紙に書いてあります。

7. 重曹代わりに洗剤として

いわゆる手垢などを落とすのに凄くよいのです。いわゆる「重曹」を使う場面で、灰が活躍します。ただし使うのは灰ではなく、上澄み液。作り方は簡単。灰に水を入れて、その上澄みを使います。

これもアルカリ性なので、皮脂などの酸性の汚れを中和します。例えば食器棚など、これで磨くとキレイになりますよ。これを知っていれば重曹などを買わずに済むかも。

ちなみに窓を拭くのにも使えます。上澄み液で拭いた後に、新聞紙などを使えばばっちり。普通の汚れなら新聞だけで良いかもしれませんが、汚れが頑固なときはどうぞ(例えば薪ストーブについている窓などはこれで掃除しましょう)。

いかがでしたか?

薪ストーブ自体、環境に優しいという話は以前していましたが、どうせ使うならより効率的に使いたいものです。環境に優しいということは、財布にも優しいというわけです。

火を効率的に使えれば、薪の節約=出費減につながりますし、灰を上手に使うことで、洗剤の節約にもなり、畑の土壌調整剤にもなります。これらも全部出費減です。それだけじゃありません。洗剤を買うためにスーパーに行かなくて良いなら、自分の時間の節約にもなるし、交通費の節約にもなる。洗剤の容器というゴミを買わずに済む。一石五鳥くらいになりそうです。

「薪ストーブのある生活」に対して憧れを持っている人もいると思いますが、ただリビングの真ん中に置いて、暖房代わりに使うっていうんじゃもったいない。使い込んでみると、ライフスタイル全体が変わるのが分かると思います。それこそ薪ストーブライフってものでしょう。

どうせ使うなら使い込む。その精神が大切なのかもしれません。他にも薪ストーブや焚き火に関するノウハウがあったら教えてください。

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