ヨーロッパ最古にして、巨大な美術館ウフィツィ美術館
フィレンツェに来たらぜひ行ってみたいのがウフィツィ美術館。ヨーロッパ最古と言われ、メディチ家の歴代のコレクションを展示しているという、ウフィツィ美術館の紹介です。
メディチ家
冒頭に書いたとおり、このウフィツィ美術館というのはメディチ家のコレクションを収蔵しています。このメディチ家というのはフィレンツェを旅していると、たびたび目にする名前なのです。知らない人のために簡単にご紹介しておきます。
メディチ家は13世紀頃から17世紀にかけて銀行家・政治家として実質的にフィレンツェを支配していた家系です。政治的な影響力はもちろんのこと、芸術の分野にも興味が強く、以下のような芸術家のパトロンをしていたことから、ルネサンス文化の向上に貢献したと言われています。
- ボッティチェリ
- レオナルド・ダ・ヴィンチ
- ミケランジェロ
- ヴァザーリ
- ブロンツィーノ
- アッローリ
フィレンツェを歩いていると「ここはメディチ家の○○」と紹介されているスポットも多いです。行かれる時はちょっとだけ予習をしておくと「へぇ、あのメディチ家のねぇ」と感慨深い気持ちになるかもしれません。
参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/メディチ家“>メディチ家|Wikipedia
ウフィツィ美術館
もう、このWikipediaの紹介を見ただけで「すごい」と思ってしまうのではないでしょうか?
古代ギリシア、古代ローマ時代の彫刻から、ボッティチェッリ、レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロらイタリアルネサンスの巨匠の絵画を中心に、それ以前のゴシック時代、以後のバロック、ロココなどの絵画が系統的に展示されている。
というわけで、さっそく行ってみました。
入り口に列
予想していたとおり、入り口にはそこそこに長い列がありました。長さにしてどれくらいでしょう。20〜30mくらいでしょうか。列に並ぶと、スタッフ風の人が「すぐに入場できるチケットあります」と宣伝しています。どうやら「予約チケット」のようなものがあり、”○○時に入場できるチケット” として使えるようなのです。その代わり値段は高く、ほとんど誰も買っていませんでした。
列自体は長いと行っても、ゆっくりとでも進んでくれればそんなに長くはかからないと践んでいました。が、とにかく進まない。詳しい事情は分かりませんが、時間をあけて入場させているのか、「進むときはバッと進むけど、進まないときは1mmも進まない」仕組みになっているようです。進むときには進むので、辛抱強く待ちましょう。
カメラで遊んだり、電子書籍で読書したりと、30分ほどたったころようやくぼくらも中に入ることができました。
カメラが……
で入ってみて驚くことが……。というのは、普通の美術館は——少なくとも日本の感覚だと “カメラ禁止” だろうと思うのですが、ここでは カメラOK なのです。たしかフラッシュは禁止だったかな。
しかもどうやら今年からOKになったようです(確かな情報ではありませんが、2014年6月頃からOKになったとか)。
だから、ここに挙げている作品の写真は隠し撮影でも何でもないんですよ。
※だけど、強く言いたい。人が多いんだから、絵の前で他の人を押しのけて家族で並んで撮影とか勘弁して欲しい。人が少ないときならいいけど、まわりで待つ人が増えて、結果的に混雑の要因に。人の邪魔にならないようにサッと撮って、あとは自分の目で鑑賞しましょう。
芸術の波
もう、絵とか彫刻とか、ぼくが解説するのはあまりに心許ないので、放棄しましょう。あえて言えば、波です。芸術の波。展示されている作品だけでも2,000とか2,500とか言われています。そのどれもが一級品。それが次々と押し寄せてくるのです。
ある絵で感動していたら、その次の絵でまたがつんとやられる。それを繰り返しているうちに気付けば酸欠になっていて、ぐったりと疲れている。そんな美術館です。
全部をじっくり見ようと思ったら陽が暮れてしまいます。いや、陽が暮れて、また朝日が出たって見終わりません。気に入った絵はじっくりと見て、心に刺さらなかった絵はササッと見て回るのが妥当だと思います。
ちなみに時期によるのかもしれませんが、中は大混雑という感じではありませんでした。むしろ空いてる印象です。日本の美術館の方が込んでいるイメージ。通路にも延々と彫刻が飾られています。天井もよく見ると美しい。
込んでいる部屋もこんなもの。いいでしょう。
ほとんどの絵に、これだけ近づけます。平気で触れるくらい(触っちゃダメですよ)の距離で見るのもまた楽しい。芸術は細部に宿るなんて言葉があるくらいです。近くで見ると筆の跡が見えたりして、それはそれで感動しました。
それでは、バババッと写真を流していきましょう。解説抜き。感じてください。
息も絶え絶え……
いやはや、絵のことをぼくが解説するのは本当に心許ない。絵心がまったくないぼくですが、それでもこの絵の中で描かれた人たちの表情の深さ、体の動きの妙、目線に感動しました。「ただ嬉しい」「ただ苦しい」といった一面的な感情ではなく「嬉しいけど苦しい」「苦しいけど希望がある」といったように入り交じる感情がたった1枚の絵で描かれているのです。
自分も小説を書いているわけで、こうやって絵を見ながら「これくらいできたら……」と嫉妬の思いが湧いたのも事実です。精進せねば……。