ただのイタリア人のためのイタリアの町をご紹介

次の観光地はナポリ。だけど、ナポリ市内の宿はすこぶる高いので、Airbnbで郊外の安宿に泊まったところ、観光地よりよっぽど楽しい日々を送ることができました。


その場所はStriano

ナポリから電車で50分ほどの場所にあるStrianoという町にぼくらは泊まりました。この町を選んで理由は、宿が安かったから。Airbnb経由で30ユーロ(3,900円程度)。どうしてもナポリ市内だと50ユーロどころか、60〜70ユーロ、あるいはもっとかかります。

そこで安い宿を探したらこのStrianoという町が引っかかったというわけ。ナポリ市内に泊まりたいという欲求なんてなかったし、できれば本当にイタリア人が住んでいるエリアに泊まりたかったという気持ちがあったので、迷わず決めました。

ぼくらが泊まった家はどうやらアパートのオーナーさんが空き部屋を貸しているようで、誰かの家の部屋に泊まると言うよりは、普通のアパートの1世帯分を丸ごと借り切ったような形。キッチン、リビングルーム、ベッドルーム、どれを取っても広くて、ホテルだったらかなりの高級ホテル扱いだろうと思います。キッチンが使えるから、自炊できるのがかなり大きい。節約できるし、変なレストランで食べるよりおいしい。

辿り着くのはひと苦労

さて、そんなStriano、観光地ではないので辿り着くのがそれなりに大変。

駅で周りの人に「ストリアーノに行きたい」と伝えても、地名が伝わらないのです。アクセントを変えながら、ス ”ト” リアーノとか、ストリ ”ア” ーノとかあれこれ試してようやく伝わる始末。そして伝わっても「何でストリアーノに行くの?○○じゃなくて?」と別の地名を薦められる。そりゃそうだ。本当に何にも観光資源のない町だから、日本人が大荷物を持って行く場所とは思えなかったのだろうと思います。

本当は電車1本で行けるのですが、何かを間違えて3回も乗り換えてようやく到着。

イタリア人為のイタリア人の町

当たり前なのですが、観光者向けのサービスも店もありません。すべての店は地元の人のためのものです。だれも英語を話せないし、バールなどに入っても「お? 何で外国人が迷い込んでんだ?」という顔をされる。決して嫌な顔をされるというわけではなく、本当に「お!?」と小さく驚く。で、その後に「良く来たなァ」という感じで笑ってくれるし、すごく親切に対応してくれる。

結論から言ってしまえば、何日でも滞在したいステキな町でした。

散策

さて、写真を交えながら、そんな観光者がやってこないStrianoの町をご紹介しましょう。

町の拠点は駅です。改札口とかありません。日本の田舎でもそうですが、だれでも自由には入れる仕組みです。切符は駅の事務室にいる駅員さんに声を掛ければ買うことができますが、どうやら地元の人は定期券を持っているのか、誰も買う素振りがないのです。だからぼくらが事務室を覗き込んで「Ticket?」と訊ねると、また「外国人が何やってんだ?」と驚いてくれる。

写真の通り、駅は落書きだらけです。これはこの駅に限らず、イタリア中にいえること。イタリアは落書き大国で、本当にどこを歩いても落書きだらけ。上手な絵もあれば、小学生の落書き程度のレベルもある。

昔、日本人の女子高生が修学旅行中にイタリアの教会か何かに落書きをして、それに気付いた日本の高校がその生徒を停学処分にしたうえで、生徒をつれてイタリアまで謝りに来るという事件がありました。日本人的には「歴史的建築物に落書きするような、モラルの低い行動をすれば停学くらい自業自得」という感じですが、イタリア人的には「ええ? 落書きだけでしょ? 気にしない気にしない。むしろ停学処分なんてかわいそー!」という呑気な反応だったそうです。落書きに寛容なのですねェ。

ちなみにその落書き騒ぎの時、落書きをされた教会の技術担当者は「イタリア人も日本人に見習って、落書きを重く捉えて、自粛して欲しい」という反応でした。イタリア人でも立場が違えば、反応も違うんでしょうね。

さて、駅を出ると、まぁ、なんてことのない町並みが続くわけですが、さすがイタリア。そんな普通の町並みだって、どことなく洗練されています。

道は残らず石畳。日本だったらコンクリート舗装なのでしょうが、この辺抜かりがないというか、やっぱりイタリアはオシャレだなァ、と思ってしまいます。

町のバール

さて、歩いているとバールがあります。要するにカフェですね。さっそく入ってみましょう。

店内は日本で言うバーに近いでしょうね。下の写真の通り、カウンターがメインのお店。一応店の隅にテーブルと椅子がありますが、おまけです。ほとんどの人は立ったままコーヒーを飲み、小腹が空いた人は立ったまま、店内で売っているパンを食べます。これがどちらもうまい。出勤前の時間帯に行くと、朝食がてら寄っている人が多いようで、みんな顔なじみ。イタリア人が毎日通う店です。まずかったらはやりません。

このオーナー、言葉が通じないながらも、気さくで面白い人でした。ぼくらがカプチーノを2杯頼みたくて「ドゥエ・カプチーノ」(ドゥエが2という意味です)と注文すると、他の店では「ok」と対応してくれるのですが、このオーナー、ぼくらに正しいイタリア語を教えたくて仕方がないようで、「No! ドゥエ・カプチーニ」と微妙な違いを正してくれます。

写真から伝わるか分かりませんが、この店に限らず、イタリアのバールはどこもカウンター内の家具が木製で本当にきれい。昔ながらのデザインをすごく大切にしているのだと思います。何でもかんでもモダンなデザインにするのではなく、ちゃんと昔のデザインを活かしながら、要所要所モダンなデザインを取り込んでいるのがよく分かります。

個人的に旅に出てから興味を持ったもののひとつが家具で、行く先々で家具を見るのが楽しいのですが、こういうバールを見ていると「香るような木製のお店」ってステキだな、と心底思うのです。

町並みも、一見 “古き良き"という感じですが、車なんかはモダンでスタイリッシュな ”イタ車” が走っているわけです。その古さと新しさの組み合わせがイタリアなんですね。

ジェラート

さて、ジェラート大好きなぼくらは町のジェラート屋さんを発見。さっそく入ってみます。店の外のベンチもオシャレです。

見てください。住宅地の真ん中にある、町のジェラート屋さんなのに、この取り揃え。何が何だか分かりませんが、全部おいしそうで、全部試したくなってしまいます。

で、アイスを食べて、陽が暮れたらたまにはビールでも飲みに行きましょう。というのも、イタリアに来てからというもの、酒と言えばワインという生活です。たまには軽くビールでも、というです。

イタリアのPeroniというビールを飲んで、路上を行き交う人々を眺めているだけで楽しいものです。

いかがですか?

さて、本当になんてこともない、Strianoの紹介でしたが、いかがでしたか?

とにかくここで言いたいことは「Strianoに行ってみよう」ではなく「あえて名の知れない、なんてこともない町に行ってみよう」です。はっきり言って、観光知育よりも楽しい出会いがたくさん待ってます。

みなさんにとって「なんてこともないけど、好きな町」ってどこですか?

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