ワイン学校の見学ついでに授業に参加してきました

先日の記事に書いたとおり、ぼくたちはワイン学校の先生のお宅に滞在しています。職場見学ということで、ワイン学校を案内していただきました。


ワイン学校って?

ワイン学校と言っても、1〜2年で卒業する専門学校ではありません。13歳から18歳までの5年間をかけて、一般科目とワイン的な科目の両方を勉強します。日本で言う商業高校的な扱いでしょうか。

そして聞くところによると先生は非常勤講師が多いとか。この辺は正確には未確認ですが……。とにかくぼくらのホストは非常勤講師であって、学校に行くのは週に3日程度。それも大抵は半日だけ。だから、残った時間はサイドビジネスに勤しむわけです。

ぼくらのホストはサイドビジネスとしてヘーゼルナッツを栽培しています。ぼくらの仕事もこのヘーゼルナッツに関することが主でした。

あれ? 13歳って未成年じゃ?

そう。13歳からワイン学校に通っているわけですが、いくらワインの国だからといって子どもでも飲めるってわけではありません。先生に聞いてみると「一応未成年のうちは飲むことはしないで、理論などに集中する。で16歳(だったと思う)になると法律的に飲めるので、試飲を含めて勉強をする」とのこと。理屈上はワインを飲んだことがない人がワイン造りを学ぶわけです。が、もちろんそれはそれ。現実的には飲んだことがある人がほとんどでしょう。

学校へ

歴史ある学校で、長くワイン造りを教えてきたこともあり、廊下には現在は使われなくなったワイン造りの道具が展示されており、さながら博物館のよう。

卒業制作なども展示されているのですが、もちろんワインです。毎年卒業生がワインを作り、ラベリングもしています。そしてそれらは町で販売されるとか(ぼくらのホストはそれをいつも買って家で飲んでいます)。

ワイン造りをするのですから、当然ワイナリーがあるわけです。こうして樽が並べられ、いろんな種類のぶどう、製法でワインを作り分けています。商売でやっているわけではないので、こうして少量多品種をつくることができるというわけ。

ワイン学校なので当然「化学」の授業は「ワインの化学」でもあるわけです。

下の教室を見てください。各席に明かりがついていますね。この上にワイングラスをかざすと、ワインの色が見えるというわけ。ワイン学校ならではの教室です。

そして、下の写真が上級生用の実験室。ワインについてのすべての実験ができる、と先生が言っていました。

そして、当然ワインの学校なのでブドウ園もあるわけです。日本酒造りは米作りと言われることがありますが(夏子の酒の受け売り……)、ワイン造りはブドウ作りでもあるわけです。このブドウ園もイタリア中の種類を集めているようで、こんなに多種のブドウを育てている農園など普通はありません。

ここで生徒はブドウの育て方も勉強します(ちなみにワイナリーの多くは、ブドウ自体を育てています)。

授業に参加

英語の先生を紹介しておもらい、「よかったら授業に参加してみる?」というわけで、英語の授業に参加することに。

ぼくらふたりと先生が前に立ち、みんなから日本について気になることがあれば英語で質問する、という授業をやりました。すると出るわ出るわ、質問の数々。しかも生徒のひとりが日本語を話せる。何で話せるの? と聞いてみると驚きの答えが……

「日本人のセンセイから盆栽を教えてもらってる」

なんと趣味が盆栽。イタリアでは一般的なの? と聞くが、もちろんそんなことはない。将来は日本で盆栽を習いたいとか。それはそれはがんばってほしい。

ほかにもアニメ・マンガに関する話題は多かった。One Pieceとかナルトといった定番アニメはもちろん、驚いたのは突然「サンペイ」と言い出した子。何のことかと思えば「釣り吉サンペイ」……。良くしってるな。さらに聞いてみると「Takeshi’s Castle」。「たけしの城」というわけで、風雲たけし城のこと。本当によく知ってるな。

「ところで……」と話がアニメやテレビに流れるのを遮って、話題を変えてみた。
「みんなは大人になったら何をしたいの?」

このクラスの生徒は15歳。まだ将来を見据えて、という年でもない。ひとりずつ全員に聞いてみたところ、結構な数が「分からない」だった。これにはなぜかひと安心。しかし、決めている人のほとんどが「ワイン関連」の仕事をしたいと思っているらしいのにも更にひと安心。

土地柄か、親がワイナリーを持っているという人が凄く多い。地元のワインの名家という生徒もいる。そんなこともあり「親と一緒にワインを作る」とか「他の国でワイン造りをしたい」とか「ワインの輸出入をしたい」など、多岐にわたるワインへの興味があるようだ。

ちなみにその中で「自転車レースのチャンピオン」というのがいた。将来はやっぱりレーサーになりたいらしい。しかも女の子。すごいもんだ。

文化を育てる

このワイン学校を見ていて、ふと「文化は勝手に育つもんじゃなくて、こうやって地域や社会が育てていくもんだな」と思った。食やワインといった文化を大切にするイタリアの文化は、こうやって学校で育てられた子どもが作り上げていくわけです。

決して自然発生的に育っているわけじゃない。

こうやって見ていて、やっぱり日本では日本の文化を大切にしなきゃな、と当たり前のことを思ったわけです。イタリア人がワインを愛するように、日本人は日本酒を愛せているか? イタリア人がチーズを愛するように、日本人は味噌を愛せているか? イタリア人がオリーブオイルを愛するように、日本人は醤油を愛せているか? そんなことを思うのです。

「ワイン・チーズ・オリーブオイル」の方が「日本酒・味噌・醤油」より格好良く思う人もいるかもしれませんが、思い込みだと思います。

大切にしたいですね。そういうの。

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