世界の柑橘を集める柑橘コレクターに突撃訪問してみた

フランスに世界中の柑橘を集める柑橘コレクターなる人がいるとの情報を聞きつけました。観光ガイドには載っていない、柑橘コレクターの突撃お宅訪問の様子をご紹介。

2014年11月11日(まだこの時期のことを書いているのです)


きっかけは突然に

イタリアで知り合った人に「フランスにいるなら、おもしろい人がいるよ」という紹介を頂きました。なんと世界中の柑橘を集める柑橘コレクターがいるというのです。最近 “” に興味のあった僕らにはちょうどいい最高におもしろそうな出会い。

アポなしで訪問しては迷惑だろうと思うので、とにかくメールを送ってみることに……

ぼくら「○○氏の紹介で連絡しています。もし良ければ柑橘を見せてくださいな」
柑橘コレクター「んじゃ、14時に来なさいな」

ということで、会えることになりました。

さて出陣

観光地ではないので、いわゆる簡単なアクセスというのはありません。電車で最寄りの村まで行き、そこから歩くという作戦です。最寄りの村に早く着きすぎた僕らはブラブラと散策。フランスはパリを除いて、ひたすら田舎の村を旅していた気がします。そしてそれが楽しいこと楽しいこと。

今回伺ったのはこのあたり。

最寄りの村は石を積んだ建物ばかり。教会を中心に村が広がっていました。

村にひとつと思われるカフェにはおっさんおばさんがたくさん、みんなTOTOのような宝くじ的なものに熱中しつつ、歓談に夢中です。このカフェ、釣り具も売っていて、近くの水辺の存在を予感させます(というのも、ぼくが水辺好きなんですね。平たく言えば釣り好きなのです)。

水辺があるならいかなきゃ、と歩いていると川を発見。釣り人おらず……。

どうしてこうも「柑橘コレクター」と関係ない話題と写真が続くかというと、こうして観光ルートから外れることが、いかに素朴な楽しみに満ちているかを伝えたいからなんですね。名前も知らない小さな村の、いつ作られたか分からない小さな教会の前に座って、出入りする人を見ているだけで、穏やかな気持ちになるのです。

あるいは道端に伸びている、柿の木に郷愁の思いを抱いてみたり……。

ご対面

さて、村の散策を終わりにして、柑橘コレクターに会いに行きます。駅から小1時間歩いて家に向かいます。

すると看板が! そして看板の側におじさんが! そのおじさんに声を掛けると、なんとその人が柑橘コレクターのおじさんでした。「ついて来な」って具合にフォークリフトに乗って、走って行く。ぼくらも走る!

入って早々、道端に柑橘が! 胸が高鳴ります。

この方が柑橘コレクター。世界中にあるありとあらゆる柑橘を集め、育てています。

そして、こちらが息子。弟子です。

突然やってきた、ただの旅行客であるぼくらに対して、親子で柑橘ファームを案内してくれました。そして案内しながら、彼らのことを少しずつ教えてくれました。

もともとは趣味で始めたそうです。しかし今ではそれがビジネスになっていて、世界中の柑橘の苗を集め、育て、挿し木して増やし、最終的には実や苗を販売しています。あらゆる種類があるので、いつでもその季節にあった柑橘を提供できる。ただ、種類は多いが、1種類あたりの生産量は少ないので、高級レストランなどに少量を高く卸しているようですね。

息子はそれを継ぐ形で勉強中とのこと。お父さんは葉っぱを見ただけで「これは○○国の南部にある、△△という品種で、あーだこーだあーだこーだ」と説明してくれますが、息子は実がなっていないと分からない物も多いとか。それにしても尋常じゃない知識なのは言うまでもないですが……。

さて、本当にいろいろ説明してくれたのですが、いかんせんぼくらの柑橘の予備知識が皆無なもので、ここで自信を持って説明できそうにない。というわけで、つらつらと写真を見ながら、ただただ読者の皆様には「凄い量だね。凄いね、凄いね。まるで柑橘コレクターだね」と思って欲しい次第でございます。

「仏陀の手」なんて呼ばれるこれも柑橘!



おじさん、こうして、歩きながら説明してくれるのですが、いやー、詳しいこと詳しいこと。ちなみにこういう巨大なビニールハウスが何個も何個も何個もあります。



実は柑橘コレクターは日本マニアだった!

実は、というか、考えてみれば当たり前ですが、日本の柑橘も多いです。ぼくらが日本人だということで、日本の柑橘を中心に見せてくれました。

その知識量が半端ない。

「これが熊本のあれで、こっちが鹿児島で、あれは……、これは……」と止まらない。

もう日本の都道府県は全部言えるのではないか、という具合。日本にも行ったことがある。というか、頻繁に来ているようで、日本食大好き、日本酒大好き、日本の地図さえ持っている始末。

家にも招待してくれたのですが、お茶も日本のお茶を取り揃えている。そんなお茶を飲みながらしばし歓談。写真で伝わるでしょうか? この暖かい家庭の雰囲気。なんだか家の雰囲気がある種の理想として完成しているようにさえ思えます。

日本好きが高じて、柑橘だけでなく日本の木や竹も集めているそう。

あれこれ見ながら説明してくれます。「これは日本の○○という木で、こっちはあれで」とぼくらよりもはるかに詳しい。恥ずかしい! 

最高に楽しい体験でしたが、お礼がしたい!

さて、仕事で忙しいはずなのに、ぼくらのためにこんなにゆっくりと案内してくれて、良くしてくれたわけです。もう感謝してもしきれない。もし彼らが日本大好きだと知っていたら、味噌を持ってきて、この場で味噌汁を振る舞うなどできたのですが、持ってきていない。

で、この場では何もできなかったのですが、後から日本から送ってもらっているおいしい “たちばな味噌” を郵送しました。きっと気に入ってもらえたことでしょう!

まさかフランスとスペインの境目で、日本を感じることができるとはね! 最高でした。

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