ウイスキー街道を行く! 世界一売れているシングルモルト、グレンフィディック蒸留所見学

スコットランドにあるウイスキー街道をひた走り、世界で最も売れているグレンフィディックの蒸留所に行ってきました。


ウイスキー街道とウイスキーとスコッチ

エルギンとう北スコットランドの小さな街から、山間に向かって伸びる1本の道。それがウイスキー街道です。その由来は至極簡単で、スコッチの蒸留所が山ほど並んでいるから。

スコッチとは? ウイスキーとは?

ちなみにスコッチとは何か? ウイスキーとは何か? 分からないひとのために簡単に説明します。

ウイスキー
大麦・トウモロコシなどを糖化、発酵、蒸留させたお酒。アルコール度数40%程度。
スコッチ
スコットランドで製造されるウイスキーのこと。スコットランドの5大輸出品目である。

ちなみに日本では世界の主要ウイスキーを5大ウイスキーとしてまとめています。5大ウイスキーとは

  • スコッチ
  • アイリッシュ
  • アメリカン
  • カナディアン
  • ジャパニーズ

なんと日本も含まれているわけです。少し前なら「うそだぁ!」と笑う人もいたかもしれませんが、マッサンというドラマのおかげで受け入れられやすいでしょう。

ウイスキー街道の見つけ方

実のところ、これが意外と情報が少ないのです。

地球の歩き方などはほとんどお話にならず、地図もない中で「インフォメーションがあるからそこで聞け」ってな具合。イギリス英語(しかも田舎できっちりなまっている)を流暢に聞き取れ、臨機応変に焦らず、情報収集できないとたどり着けません(半分冗談、半分本気です)。

ぼくらはまったく情報がないまま、とにかくエルギンのバス停にまでやってきました。ちかくにインフォメーションオフィスがあるというので、それを探していたのですが、最初は見つかりません。なんと近所の図書館の中にあるのです。そこで恐る恐る「ウイスキーの蒸留所が見たいんですけど……モゴモゴ」と切り出すと、若いお兄さんが目を輝かせて「例えば、この蒸留所はね、で、こっちもね、ああ、あっちもいいよ」とバーバーバーと話してくれます。

行きたい蒸留所があるのならここで告げましょう。ちなみにマッサンが修行したとされるロングモーン蒸留所もこのあたりにありますが、見学を受け付けていないとのこと。残念ですね。

バス停で「ウイスキー街道ウイスキー街道」と呪文のように唱えながら歩いていると、確実に誰かが教えてくれます。これが最も簡単なウイスキー街道を走るバスの見つけ方です。

バス、ひた走る

ようやくバスに乗って、山を登っていきます。周りは広い高原と牛。あとで分かったのですが、ウイスキーを作った後のカスは牛のエサになるようで、この辺の牛はそれを食べるおいしい牛なのだそうです。

ところどころで小さな村を通ります。だいたいどの村にも蒸留所があり、バスからも蒸留所の看板を見ることができます。知っている銘柄があったりするとテンションがあがります。

時々、こういった川も越えますが、こういう水源の存在もウイスキー作りに適した条件のひとつなのです。大きな蒸留所は川沿いの土地を買い占めて、水源を守っています。日本酒でもそうですが、水が酒を造るという意識が強いそうです。

グレンフィディック蒸留所のあるダフタウン

グレンフィディック蒸留所はダフタウンという村にあります。ここでバスを降りると、本当に人気がない。ひとっこひとり歩いていない。シーン、と静まり返っています。

ちゃんと蒸留所自体が観光地として定着しているようで、こういう看板があるのでまぁ、迷子になることはないでしょう。

歩いて10分ほどで蒸留所に到着です。この看板左前方に見える建物群が蒸留所関連の建物になります。

ここではビジターセンターに行くと、無料でツアーをやってくれます。ただし時間が固定されているので、事前に調べてから行きましょう。1日数回はやっているので、適当に行っても何時間も待つ、と言うことにならないと思います。

また料金についてはここは無料でした。蒸留所によっては小銭程度のお金を取られることもあります。試飲もできることを考えれば安いもの。

グレンフィディック蒸留所は世界最大の輸出量を誇るシングルモルトウイスキーです。どこのバーに行っても見かけるので、実感できますね。それだけ大きな蒸留所なのに、いまだに家族経営で代々引き継がれています。大したものです。

ちなみに創業は1887年となっていますが、実際のところはよく分かりません。というのも、スコットランドではこういったお酒は税金逃れとして密造酒として作られていたのです。それが認可を受けるようになったのが1800年代のこと。だから、蒸留所によっては公式の創業と、密造酒時代の創業は異なるわけですが、記録が残っていなかったり、公開してないことがほとんどのようです。この密造時代が、スコッチの製造法を作り上げたので、決してムダな期間ではありませんでしたが。

実はこの蒸留所内の光景はどこの蒸留所も似たり寄ったりです。装置も近い。あるいは同じメーカーのものを使っている(だって、蒸留所の機械を作るメーカーなんてあまりないですから)。もちろん建物自体は違いますし、規模も違います。しかしとにかく製法は同じです。

(まぁ、もちろんぼくらには計り知れない、細かい工夫は山ほどあるのでしょう)

さて、味を決めるのは何か? 1番分かりやすい部分は樽の違いです。

どこの蒸留所も樽へのこだわりは相当なもので、自分の蒸留所に樽職人を抱えている蒸留所もあります。樽でなにが変わるか? これはもう、味そのものなんですね。どういうことかと言いますと、スコッチを作る際、まっさらな新品の樽は使いません。使うのはアメリカでバーボンを作っていた樽か、シェリーを作っていた樽が主です。

つまり樽に付いたバーボンやシェリーの味が、10年以上寝かせることで、スコッチにつき、それがスコッチの味になる、というわけです。だからバーボンやシェリーがなければ、スコッチは成立しないのです。

その由来もおもしろい。前述の通り、スコッチは長い密造酒時代がありました。その時、密造した酒をシェリー樽などにいれて隠していたところ、良い味わいが出た、とまぁ、そういうわけなんです。

スコッチのボトルを見ると、使っている樽を明示しているものも多いです。大きく分けて、

  • バーボン樽で作ったスコッチ
  • シェリー樽で作ったスコッチ
  • ミックス

があり、それ以外にもポートワイン樽などを使う変わり種もあります。そして職人の腕の見せ所は、どの樽を、どう使うか、どう混ぜるか、にかかっています。ミックスとひと言で言っても割合は千差万別。それどころか、同じスコッチを最初の10年はバーボン樽で熟成させ、その後の数年をシェリー樽で寝かせる、なんてことをやることもあるそうです。

これからスコッチを飲むというひとは、同じ銘柄の樽違いなどを比べてみると、すごくおもしろいですよ。ぼくはそれがとにかくおもしろかった。全然、味が違う。

もちろんグレンフィディックでも試飲があります。メインイベントです。ここは年代違いの3種類を飲み比べます。たしか12年、15年、18年の3つ。値段で言えば長ければ長いほど高くなるわけですが、好みとなるとこれは人それぞれ。ぼくは散々迷って15年、18年、12年の順で好きでした。

グレンフィディックといえば、有名過ぎるほど有名で、いまさら試飲しなくてもどこでも飲める! と思う人もいるかもしれませんが、あえて、ぜひ、ここで試飲してみるのをオススメします。というのも、ちゃんとその酒を愛する人が、その酒がどううまいのか、説明してくれるのです。それを聞きながら飲むと「ああ、たしかにナッツの香ばしい香りがする」とか「バニラの香りが」と気付くことができます。

「ああ、やっぱり長く寝かせるとマイルドだね」なんていう当たり障りのない味わい方から、グッと踏み込んだ味わい方をできるようになるのです。結構目から鱗でしたよ。

皆様も、よきスコッチライフを。

※訂正:2015年2月25日 誤:世界一売れているスコッチ ▶ 正しくは世界一売れているシングルモルト です。ご指摘ありがとうございました。

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