キューバ人の家に泊まり、キューバ人の生活を疑似体験 カサ・パティキュラレについて
キューバという国は僕らが知っている他の国々とはずいぶん違うのです。ぼくらは住んだわけではないので、偉そうに国民の生活について踏み込むことは出来ませんが、あくまで1ヶ月だけ滞在した僕らの目から見た、これからキューバに行く人には知っていて欲しい情報を連載形式で紹介したいと思います。
連載は下記4つ。順不同にご覧ください。
- (この記事)キューバ人の家に泊まり、キューバ人の生活を疑似体験 カサ・パティキュラレについて
- ひとつの国に通貨がふたつ 使いこなさないとキューバ人と出会えない
- ぼくらが見たキューバの食料配給制度と医療と教育 何が正しいか言える人などいるのか?
- ぼくらが見た「物不足」 ターボライターも、ロンリープラネットも見つからない
今日は第1回と言うことで、人の家に泊まれるカサ・パティキュラレという仕組みをご紹介します。
人の家に泊まれるカサ・パティキュラレという仕組み
まず予備知識として知っていて欲しいことがあります。キューバでは他の国のように、外国人を自由に家に泊めることは禁止されています。だから旅人の間で流行しているカウチサーフィンやAirbnbのようなサービスは使えません。それどころか一般家庭にインターネットもないので、そもそも無理です。
となると「ホテルに泊まるしかないのか」と思うわけですが、そこにはなんとも優れた仕組みがあります。それがカサ・パティキュラレという仕組み。これを極めて簡単に説明すると政府公認で一般家庭の家にホームステイできる仕組み、です。
政府公認のAirbnbというわけ。しかもAirbnbと違って、サービスレベルは政府が審査しているのか、基準を明確に設けているようで、どの街で、どこ家に泊まっても、等しく同じサービスが受けられます。料金も政府が基準を決めているのか、15〜30ドルの範囲に収まるようになっていて、それ以上も以下もまず見かけません(認可を受けていない非公認の家だと安いのもあるかもしれませんが、泊まるべきではありません)。
カサ・パティキュラレのサービス
まず個室です。ドミトリー形式の宿もあるようですが、ぼくらは見ていません。ちゃんと個室になっていて、椅子と机くらいはあります。また共同(あるいは専用の)トイレとシャワーもあります。
朝食は含まれていたり、別料金だったりします。僕らが見た1番高いパターンでも、25ドルの部屋代とふたりで5ドルの朝食でした。
朝食の内容も徹底して、どこも同じです。恐らく政府で定めているのでしょう。
- トースト or 何らかのパン
- 卵料理
- フルーツ盛り合わせ
- フルーツジュース
- コーヒー
フルーツジュースはもちろんちゃんとしたフルーツを絞って作る、100%天然のジュースです。毎朝こんなにフルーツを食べられるのは幸せでした。フルーツの種類はもう一貫してパイン・パパイヤ・バナナです。季節によって違ったりするかもしれませんが、なにしろ国産で仕入れられるものから出しているのでしょう。選択肢はありません。
これだけ出てきてひとり2.5ドル。ちなみに内容にこだわらなければ、はるかに安く外食で住ますことも可能です。例えば……
- ちょっとしたサンドイッチが0.2〜0.4ドル
- コーヒーが0.04〜0.08ドル
で買えます。フルーツも自分で市場で買えますが、少し高く付きます。ぼくらは朝くらい静かに過ごしたいし、ハバナでお世話になった家族とすごく仲良くなり、アレコレお世話にもなっていたので、少しでも助けになるかな、といつも家で朝食を食べていました。
まぁ、なにしろあのメニューを全部用意して出してくれるだけでも、ありがたいわけです。
カサ・パティキュラレの探し方
さて、このカサ・パティキュラレという家を探す方法です。ひとつ目はネットで探す方法。これはキューバ国外にいるときにオススメの方法です(なにしろキューバ国内でネットは凄く高いです)。
http://www.casaparticularcuba.org/default.asp
http://www.casaparticular.com/
http://www.casaparticular.org/
ところが困ったことにネット予約は法律で禁止されているようで、それどころかネットにカサ・パティキュラレの住所を掲載することも禁止されているようなのです。だから正確な場所が提示されていなかったりします(サイトによってはネットの掲載は禁止だから、希望者にメールで住所を提示する、なんてサービスもやっています)。
キューバに入国する際に「宿泊先」を厳しく求められるので、こういったサイトから1つ見つけておいて、印刷するか、スマホにでも保存しておくといいです。実際に予約しているかどうかは抜きで、通してくれました。
で、キューバ国内にいるときはどうするか?
これは簡単です。大抵の街は、歩けばすぐに見つかります。本当に、本当に、このカサ・パティキュラレは多いです。観光地らしいところに行くとすべての家がカサ・パティキュラレをやっている、ってな始末。
見分け方は簡単。碇のマークが付いた家を探せばいいのです。
なんだか、こういう写真しかないのですが、もっと「公式っぽい」看板があるのです。なんか認可番号が書いてあったりするやつが。まぁ、そういうところに泊まってください。
カサ・パティキュラレのオススメの理由
ホテルに泊まるのと違って、なにしろ人の家に泊まります。キューバ人の生活を中から見ることが出来るという意味で、これほど良い仕組みはないでしょう。朝食などは旅行客用のメニューではありますが、実際のキューバ人の3食の食事を見ることも出来ますし、毎日どんなテレビを見て、何時に帰ってきて、何時に寝るのか? どんな音楽を聴いて、どんな表情で喋っているのか? いろんなことをみることができます。
サービスレベルはどこも近いのですが、当然居心地の良さは家それぞれ。ぼくらがハバナで最初に泊まった家は居心地が悪かったです。顔を見れば「どこか移動するときは、タクシーの手配から、バスの予約もやるからね」と営業をしてくる。断っても、断っても、「今はどこに行く予定もない」と言っても、顔を見れば営業活動。あまりに居心地が悪いので、そこはすぐに出て行き、近くの別の家に行きました。
値段は同じですが、そちらは雲泥の差。ハバナでの滞在はすべてそこで過ごし、その家族と一緒に夜は遊びに行ったり、一緒にお酒を飲んだり、とまさに家族のような付き合いができました。旅は出会いで決まる。そういう出会いが生まれるという意味で、このカサ・パティキュラレという仕組みはオススメです。
お試しあれ。
ちなみに
キューバ以外の国でも「現地の人の家に泊まりたい」なら、この記事もどうぞ。
▶ 最強の旅支援サービス! 人の家に泊まり、暮らすように旅をするAirbnbのご紹介
その時の体験談もひとつどうぞ。
▶ Airbnbを通して泊まった家で派手に落書き! いいのかこれ?