ぼくらが見た「物不足」 ターボライターも、ロンリープラネットも見つからない

キューバはひどい物不足に陥っている。これを簡単に不幸と嘆くこともできるのだけど、ある種の物不足は、別の魅力を生んでいるようでもある。


すぐに分かる物不足

キューバに来て物不足に気付かずにかえることは難しい。もし気付かなかったとしたら、キューバ人の生活や家の様子などをまったく見ずに帰ったのだろうと邪推してしまう。いや、旅行の目的によってはそういうこともあろうが、少なくとも僕らが気軽にフラフラ旅しているだけでも、物不足を実感した。

ロンリープラネットが見つからない

日本人はガイドブック=「地球の歩き方」というイメージの人が多いが、世界的にはロンリープラネットが主流。ぼくらはガイドブックとしての哲学に共感することが多いのでロンリープラネットを全面的に活用している。

で、無計画なぼくらは新しい国に入ると、その国の本屋で英語のロンリープラネットを購入することにしている。「している」と書いたが、実際は買うのを忘れて入国し、入ってから必要に迫られて本屋を探すことになるのだ。

で、例にならってキューバでも探すことになった。実はキューバ入国してすぐ、公園のフリーマーケットで1冊のロンリープラネットを見つけた。古本で1500円と高い(定価は2500円くらい?)。この時ぼくらは、このあとでやってくる苦労も知らず「ちょっと高いし、様子を見よう」と買わなかった。

この翌日「やっぱり買おう」と同じお店に行くも、もう売っていない。売れてしまっている。

諦めてフリーマーケットを出て、本屋で探すことに……。本屋はたくさんあるのだが、どの本屋もガラガラ。人が、ではなく、本がない。日本ならば本棚にびっしり本があるのが当たり前だが、本棚にある本のほとんどが表紙を向けて立てかけられている。わかるだろうか? 背表紙を見せて並んでいるのではなく、表紙を見せて並んでいるのだ。いかに本が少ないか分かるだろう。

スペイン語圏のキューバだからということもあり、英語の本など1冊たりありゃしない。当然ロンリープラネットもない。首都ハバナの本屋でこの始末。結局1冊人とも見つけることはできなかった。

ここで諦めたわけではない。ぼくらがその時滞在していた宿に古いロンリープラネットがあったのだ。軽い気持ちで「良かったら買うから売って欲しい」とお願いしたのだが「そりゃだめだ」とのこと。

このとき、ようやくぼくらはキューバの物不足を理解した。宿の人だってお金は欲しいだろうが、お金以上にものが貴重でもあるのだ。金さえ出せばかえると思っていた自分がバカみたいだ。

ライターもない

ぼくは葉巻が好きだ。葉巻というのはガスライターやジッポーで着火するのはよくないとされている。バスやオイルの臭いが付くからだ。つけるなら普通はマッチかターボライターを使う(他にも方法はあるけど、専門的なので省略)。

で、ぼくは葉巻大国キューバにいるわけで、本場のキューバンシガーを買って吸おうとしたわけだが、ターボライターが売っていない。それどころかガスの100円ライターだって、なかなか見つからない(けど、たまには見つかる)。葉巻ショップに行っても、マッチこそあれ、ターボライターは売っていない。

車もない

語弊がある。

「最近の車」がない。車の輸入が難しいのだ。そうなると、古い車を乗り続ける。

で何が起こるか……?

クラシックカー天国&排気ガス地獄だ。



とにかくみんな古い車を直し直し乗っている。ちなみに上の写真たちはタクシー的な使われ方をしている車だから、見た目がキレイに塗装されている。が、ここにはないような見た目からしてオンボロの車も山ほど走っている。それも目に見える排気ガスをモクモクとあげて走っている。

この排気ガスを見ると「新しい車が流通すれば空気もきれいになるのでは?」と思わないでもないが、新車新車と数年で買い換える人が多い先進国を思うと、それも環境に悪いのは言うまでもない。計算上の「環境汚染」はどちらが悪いのか、その答えは知らないが、精神的な美しさはキューバの人たちに軍配が上がるだろう。

壊れたら直せばいい

今の日本であれば「壊れたら買い換えればいい」となるが、キューバでそんなことを言ったらいけない。壊れたら直す。例えばマットレスのスプリングを直す専門店があるほどだ。スプリングがアホになったのを持っていくと、直してくれる。携帯電話やスピーカーなど直せるものは何でも直す。

理論上、人間が作った物で直せないものはない。

インターナショナルブランドの欠如

最後になるが、キューバにはインターナショナルブランドがあまり進出していない。そしてどういう理屈なのか “看板” というものがない。道を歩いていて、看板がないというのは本当に目にやさしい。あるいは目に静かだ。

ものを持っていくと喜ばれる

例えば洋服。スカーフ、帽子、靴といったもの。最低限はキューバでも買えるのだが、なにしろ選択肢がない。例えば高級じゃないにせよ、日本・アメリカなどのちょっとした服を持っていったら喜ぶ人も多いだろうと思う(とはいえ、良かれと思って会う人会う人にに配り歩くのは失礼に当たるときもあるかも)。

ぼくらはキューバ入国前にこういうことに気づけず、実現に至らなかったが、もし次に行く機会があれば、女の子向けに髪留めなどのファッション小物、男の子向けにTシャツや帽子なんかを少し持っていって、お世話になった人へのお礼にしたいと思っている。

これから行く人の参考になれば嬉しい。

ブログランキング・にほんブログ村へ