葉巻大国キューバで試すべき3つの葉巻 キューバでしか手に入らない稀少なものも
葉巻大国キューバに来たらぜひとも試したい3種類の葉巻。日本にいては金を出しても買えない葉巻をご紹介します。
葉巻大国キューバ
葉巻の歴史というのは、キューバの原住民族が吸っていた煙草から始まります。キューバを植民地としていたスペイン人らが自分の国に持ち帰り、それが紳士のたしなみとなったわけです。
今、葉巻というのはきっちりブランド化され、それなりに高価なものとなっています。1本$6〜$30くらいが一般的な価格帯でしょう。まぁ、実のところ葉巻の価格は青天井。希少価値と相まって、1本$100を優に超えるようなものもあります。
この辺の感覚はワインを想像してもらえば良いでしょう。葉巻も熟成させることで味が変化します。そのため、当たり年の、高度に熟成された葉巻であれば、そんな底なしの値段が付くのです。とはいえ、こういうのはマニアとお金持ちのもの。普通の人であれば、前述の通り$30以内で楽しめば十分です。
キューバで買いたい3種類の葉巻
さて、本題です。実はオススメのブランドを紹介しようとしているわけではありません。オススメしたい3種類とは……
- ブランド化されたキューバンシガー
- 葉巻ショップで職人が巻いたハウスシガー
- 現地の人が日常的に吸える路上のシガー
という3つ。では詳しく見ていきましょう。
1. ブランド化されたキューバンシガー
これは実のところ日本でも買えます。キューバ政府はこのブランドシガーを国の大事な事業だと捉えて、しっかり世界中に売っています。とはいえ、税金を考えると、現地キューバで買うとずいぶん安いですね。
例えば日本で4000円以上するものが、現地で2000円程度で買うことが出来る場合も。葉巻ファンであれば、ぜひ普段は手が出ない銘柄に手を出して欲しいです。実はぼくもこの手の葉巻をいくつか試しました。
その代表はCohibaのMaduro 5。製造してから5年以上寝かせた葉巻で、葉巻の王様と言われるCohibaの中でも高級な銘柄になります。これはそのままキューバで吸いました。
まず火をつける前に香りを嗅いでみます。ラム漬けのレーズンのような上質な甘さが漂います。吸ってからずいぶん経った今でも思い出すステキな香り。吸い口をカットして着火。いきなりがつんとくるスモーキーな香ばしさ。迫り来る強い香ばしさの中でも何気なく唇の端に甘味を残します。ぼくの場合、この唇の端や歯の裏に感じる甘味というのが、葉巻の楽しさのひとつとなっていて、好きな葉巻の基準になっています。
時間が経って、短くなってくると徐々にスパイスの香りを漂わせます。この辺はやっぱりコイーバらしいですね。前半の香ばしさと言い、後半のスパイシーさといい、どちらも容赦なく主張します。マイルドな葉巻が多い中で、こいつはマイルドさとは正反対の1本。「俺こそが葉巻だ」と主張する、頑固な政治家のようです。
毎日吸いたい葉巻ではありませんが、記念の日に吸いたくなるような、大事な葉巻になり得ると思います。
2. 葉巻ショップで職人が巻いたハウスシガー
さて、キューバで高価なブランドシガーを堪能したら、次に試したいのはハウスシガーと呼ばれるものです。こちらはコイーバやモンテクリストといったブランド化されたものではなく、葉巻ショップの職人が手で巻いた非量産品。
決してこれは闇タバコではありません。葉巻ショップにも政府公認と非公認があり、これはちゃんと公認のお店で作られているものなのです。この公認のお店をLa Casa del Habanoと言うようです。
※ 実のところ、この公認・非公認やLa Casa del Habanoという定義を良く理解できておりません。ぼくはLa Casa del Habanoが政府公認、あるいは何らかの基準をクリアしたお店と理解しています。だれか詳しい人、教えてください。
ハウスシガーとはコーヒーや紅茶の “お店ブレンド” のようなもの。量産品ではないだけに、際立った特徴的な、いわゆる尖った葉巻に出会える可能性があります。
さて、公認ショップの見つけ方ですが、以下のサイトが非常に参考になります。分かりやすいものもあれば、見つけにくいものもあります。
ハバナには8つのLa Casa del Habanoがあります。いくつか行った中で、1番好きだったのは “コンデ・デ・ヴィジャヌエバ” というお店、こちらは場所さえ分かればアクセスが良く、ぼくも何度か足を運びました。
このお店は観光客の多い通りの小さなホテルの中にあります。上記サイトで場所を調べ、ホテルを見つけたら「シガーショップは?」と聞けば教えてくれるでしょう。
こちらはまず普通の各種ブランドの葉巻の品揃えも豊富で、いろいろバラ売りもしています。1本から買えるので、お土産やぼくのようにアレコレ試したいという人にオススメのお店です。
このお店に行ったら「ハウスシガーは?」と聞いてみましょう。店の奥にある、キャビネットに案内されます。そのキャビネットにはいろんなサイズや形状のハウスシガーが並んでいます。ラベルも名称もついていない、裸の葉巻です。写真は禁止されていたため、ご紹介できないのが悔しいのですが、中には圧巻の巨大な葉巻もありました。
こういったハウスシガーは国際的な流通には乗りません。というか、このお店でしか買えません。別のLa Casa del Habanoに行くと、別の職人が巻いています。いろんなお店で吸い比べてみるのもおもしろいと思いますよ。
ちなみに葉巻は大きいほど高くなるわけですが、一般的なブランドシガーに比べて、ハウスシガーは割安だと思います。この辺は考え方によるでしょうけどね。
3. 現地の人が日常的に吸える路上のシガー
さて、ここまではそれなりに高価な葉巻でした。いくら日本で買うより安いとはいえ、です。
この3つ目の葉巻はブランドもなく、政府の公認でもない。キューバ人が吸うための葉巻です。桁違いの安さでなければキューバ人は吸えません。
というのもキューバ人の平均月収は$20。とてもじゃないですが、ブランド物の葉巻は買えません。これらはあくまで輸出用と言っていいでしょう。それに対して、ちゃんと現地の人が吸える価格帯のものがあるのです。
それはどこで買えるか……。ぼくも実のところ「ここに行けば買える」という紹介はしかねます。ハバナ近郊の小さな漁村であるコヒマルという村にいたとき、地元の人が集まるカフェがありました。そこで発見したのが、現地の人でも買える葉巻でした。
その価格は4円。キューバの最低通貨であれ1ペソクバノで買えるものでした。地元の人がバラで数本買ったり、25本の束で買ったりしているのを見たことがあります。
この葉巻を現地の人がどう捉えているか、知ったかぶりして説明することは出来ません。ぼくが言えることは、たしかに地元の人が買って吸っていた、という事実だけ。スペイン語ができず、コミュニケーションがとれないため、詳しい話を聞くことはできませんでした。無力。
ぼくも吸ってみましたが、上品ではないが、たしかに葉巻である、とされだけは言えます。お酒でも高価なお酒がある一方で、格段に安い荒々しいお酒もあります。そういう立ち位置なのでしょう。吸っていると、近くにいたキューバ人が嬉しそうに見てきたのを覚えています(嬉しそうに、というか興味津々だったのかもしれません)。
3つの葉巻
さて、高価な葉巻、職人が手作りするハウスシガー、キューバ人が吸う路上の葉巻。まったく毛色が異なる3つの葉巻でした。
嗜好品なので、どれが好きか、どれがあなたに合うか、それは分かりません。しかしキューバに来たならば、キューバでしか吸えないものに注目してみるのもおもしろいのではないでしょうか?