キューバ人の若者に連れられて歯医者と煙草農園見学 最後にサプライズが

ビニャーレスから超ローカルバスに乗って、ピナール・デル・リオ州の中心部に行こうとしたら、現地の若者に連れ回されるおもしろい展開に。田舎のタバコ農園と歯医者訪問記。


いきなり出会う

ビニャーレスから1時間ほど離れた町の中心部に行きたいわけですが、どのバスに乗っていいのかも分からない。バス停らしい場所に立って、通る人にぎこちないスペイン語で訊ねていると、ある若者が食いつきました。

「それならぼくらが案内するよ」

と、なぜかいきなり全力で優しい。怪しいくらいに優しい。優しすぎるひとは注意せよ、という悲しい鉄則に従って、少し距離を置きつつも頼ることに。

バスに乗ると、ぎゅうぎゅうに詰め込まれる。「バス」と呼んでますが、形は幌着きトラック。写真は中のものですが、幌がかかっているのが分かると思います。

妻のMiaの銀歯が取れてしまって、放置はできないし、なんとか歯医者に行くのが今回の最大の目標なのだ。と、出会った若者たちに話すと「任せておけ」と胸を張って歩いていく。ずんずん、ずんずん、と進んでいく。見知らぬ町で見知らぬ人に着いていくという、とても子どもに勧められない展開。

歯医者に着くと、その若者と歯医者が話し合っている。ぼくらは何にも話を知らされず、治療室に連れ込まれ、一気に治療。そして完了。

なんか呆気なくすべてが終わり。ここで新たな展開が——。

「ぼくはタバコ農園で働いているんだけど、見学にくる? $2でいいよ」

「それが目的か?」と一瞬勘ぐりたくなるけど、それにしても$2。はっきり言って安い。ほかのタバコ農園見学は$5など、もっと高いのです。なんかおもしろそうだし、感じのいい青年たちだし、着いていくことに。

すると、電話で友だちを呼んで、その友だちの車に乗せられタバコ農園に到着。これもまた呆気ない。

タバコ農園見学

今まさに収穫の真っ最中。なんか煙草農園の中を馬が歩いているけど、タバコの葉は食べないらしい。

近くで見ると、タバコの葉はこういう見た目。根に近い部分と、上の方では味が異なるため、別々に収穫して葉巻を作る際は、それを上手にブレンドするのだそうです。

延々、こうして腰を曲げて収穫するわけです。大変な重労働。

この農園の本業はもちろんタバコの葉を育てること。収穫した葉を葉巻メーカーに卸すのだそうです。ただし、敷地内に葉巻を作る建物があり、少しだけ作っているようでした。

せっかくなので葉巻を巻く工程なども見せてもらうことに。

葉巻作り

収穫した葉は選別されて、乾燥させます。

こうやって天井付近に束ねて干し、徐々に緑色が黄色くなり、最終的には真っ茶色になります。

ここで、葉巻作りの工程をまとめると、

  1. 葉を収穫
  2. 乾燥
  3. 発酵
  4. 葉巻の形に巻く
  5. 熟成

の5工程があります。発酵の際は乾燥していてはだめなので、通常は水を霧吹きなどでかけながら湿度を保つわけですが、高価な葉巻はこの水に工夫があるのです。

ブランドや銘柄によりますが、水に少しラムやコーヒーなどを混ぜるのです。あくまでほんの少しだけ。混ぜるものとしては

  • ラム
  • コーヒー
  • バニラ
  • ハチミツ
  • チョコレート

など。例えばぼくの好きなモンテクリストというブランドはハチミツを混ぜています。コイーバはものによって蜂蜜やラム。オヨー・デ・モントレーはコーヒーだとか。自分が好きな銘柄について聞いたら、揃って蜂蜜でした。こんなところで、自分の好きな葉巻の中の共通項を発見してしまったのです。

とはいえ、はっきりとラムやコーヒーなどの味がするわけではありません。念のため。あくまで隠し味。

ともかく、こうして発酵が終わると、やっと葉巻を巻くという工程へ。それも見せてくれました。こうやってタバコの葉を広げて、不要な部分をカットし、少しずつ丸めていきます。

手元のアップ。慣れたものです。

最後にこういう特殊なカッターに乗せて、適度な長さにカットして完成。

サプライズ

こうして若者ふたりに連れられて、楽しい1日が過ぎていったのですが、サプライズはまだありました。

お礼に、と最後に食事をご馳走したのですが、途中で若者のひとりが離席していなくなってしまいました。どうしたんだろう? と待っていると、手荷物を持って帰ってきます。

持ってきたのはなんと葉巻の束とキューバのワイン!

「君たちにキューバを好きになってもらいたいんだ!」

とそんなことを言いながら、そのすべてをくれたのです。地元の人だから安く買えるのらしいですが、それにしたってキューバじゃお金は貴重です。決して裕福な人らには見えません……。

彼らはタバコの束にたくさんのメッセージや、彼らの連絡先を書いてくれました。

Viva Cuba y Japan = キューバと日本、万歳

優しすぎて怪しいと思ったことを恥じる1日でした。

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