キューバ滞在の総括 ぼくが1ヶ月キューバに滞在して何を思ったか

ぼくらはキューバに1ヶ月滞在しました。大好きなキューバ。でも考えさせられることも多いキューバ。おもしろく、深い、小さな島国。なんか、こう書いてみると日本のことみたいですね。

長々と書いていますが、写真集だと思ってパラパラ写真を見てもらってもおもしろいかもしれません。


キューバ人は幸せか?

ハバナの海辺。釣りをする親子。町にいればいきがって歩いている少年たちもお父さんといるときはおとなしい。

もちろん、こんなことをたかだか1ヶ月滞在しただけのぼくが「キューバ人は幸せだ!」とか「キューバ人は不幸だ!」と断言することはできません。自分が幸せかどうかだって分からないのだから……。

でも、少なくともぼくが接した人たち——例えばハバナの旧市街でお世話になった家族。ビニャーレス地区で1日中ぼくらに付き合って遊んでくれた青年たち。ぼくらがよく行った飲食店で働く人たち。ダンスを教えてくれた女性。そういう人たちは総じて前向きで、楽しそう。みんな何らかの形で未来に希望を持っていて、それをもうすぐ実現させようとしている人もいるのです。

ぼくらがお世話になった家族。仲良し親子ですよね。右の娘が歯科医を目指し、左の息子は獣医を目指しています。このお父さんの誕生日に葉巻をプレゼントしたら、嬉しそうにプカプカ吸っていて、お母さんに「家の中で吸うなんて……」と呆れられてました。

例えば、ハバナでお世話になった家族には娘と息子がいます。娘は歯科医を目指していて、もうすぐそれも実現します。息子はまだ思春期くらいの年ですが、獣医になりたいようで、それも彼次第で実現するでしょう。特別に裕福でもなく、何かのコネもなく、親の教育にも関係なく、子どもふたりが歯科医と獣医になるなんて、国によってはあり得ないことでしょう。

チャンスがある。それは幸せと近い意味を持っているような気がします。

真ん中にあるのはビール。友だちらと集まって、この大ビールを飲みながら葉巻を吸う。キューバのお兄さんたちの遊び方です。

葉巻をプレゼントしてくれたビニャーレス地区のふたり。葉巻のラッピングに彼らの連絡先とメッセージを書いてくれました。「ぼくらがアメリカに行くとき、もし君らがアメリカにいたら、いろいろ手伝って欲しいんだ」と彼らは切実に思いも持っていました。

一方で制限もある。極度の物不足と現金不足です。食費・医療費・教育費は国から補助があるので、現金をあまり持っていなくても生きていけますが、それはつまり飼い殺しに近いとも言える。自分でお金を貯めて海外旅行とか、外国に移り住みたい、とか。そういうことは難しいですね。

そういう制度の話は置いておいて、ぼくがキューバ人は総じて幸せそうだ、と思うのは実のところ彼らの表情なのです。いっつも笑っている。ぼくらを見て笑い。話をして笑い。音楽が流れれば笑って踊る。新しいものを見て笑い。愚痴りながらも笑う。笑えることって大事ですよ。本当に。

ハバナの平均的な住宅地の様子。こういう道が縦横無尽に通っていて、3〜4階建ての建物が延々並んでいる。窓からみんなの生活が見えて、それを隠す素振りもなかったり……。窓から窓へ、窓から道路へ、大声で話をするのもキューバ流。

社会主義は悪か?

なんか、ほら、キューバに関連するブログとかニュースを見ていると「社会主義だから〜〜〜」とか「社会主義なのに〜〜〜」とか毎度のことのように社会主義を掲げて、それをマイナスのことのように語る文章が多いように思います。

トリニダで行きつけだったピザ屋。このおっさんが手際よく焼いてくれる。少し痩せた方がいいよ。でも、溢れるほどジューシーなピザはなかなかうまかった。

そういうぼくだって、資本主義な社会で生きてきたわけで、それを正しいと信じてきたわけです。やっぱり資本主義の社会を「正しい競争社会」と捉えています。だけど、自分が正しいと思っていないからといって、社会主義を「悪だ」と言い切るのって、それも違うと思う。

それぞれの宗教に正しさがあるのと同じで、こういう社会構造にだってそれぞれの理念の上で正しさがある。「正しさ」って普遍的なものじゃないのですから。モテる女性のスタイルが時代によって違うように、「正しさ」も時代ごとや文化ごとに違う。他文化の正しさを受け入れないまでも「全否定しない」くらいの器量はあってもいいのでは?

キューバを歩いていて、そこに生きる人がいっつも笑っているのを見て、毎日のように思ったことでした。

参考にどうぞ。

ハバナで行きつけだった定食屋。$1も出せば何でも食える。飲むヨーグルトも美味しくて、2杯も一気に飲んでしまうことも。

キューバの楽しみ方

これは他の国にも言えることですが、キューバは特に言いたい。「観光地なんて行かなくても旅行は楽しいよ」と……。

ぜひキューバのハバナの町を毎日毎日歩いてみてください。おきにいりの店を見つけて、お気に入りのカフェを見つけて、好きならお気に入りのバーやお気に入りの葉巻ショップを見つけて、通い詰めてみてください。

ふと漏らす彼らの愚痴。あふれ出る楽しさ。そういうものに触れてみると本当におもしろい。

クレープを食べるおっさんふたり! ふたりとも本当に嬉しそうで、見ているこっちが和んでしまう。

 

そういうものに触れるためには、現地の人が行くお店を必ず見つけましょう。例えば先日紹介した日本人のクレープ屋。キューバ人が見たことのないクレープを食べる様子を眺めていると、それだけで楽しいですよ。

みんな店を覗いて、他の人が食べているものを覗いて、「なにこれ? うまそうだけど……買ってみる? やめておく? う〜ん」と悩んでいる様子。で、食べてみて「うまい!」なんて一気に表情が和らいで、横に立っているぼくらに「うまいぞ」と自慢してくる彼ら。おもしろい人たちです。

キューバと言えば葉巻とヘミングウェー。それはそれでぜひ満喫してください。

変わりゆくキューバ

ただの旅行者で、ただの訪問者であるぼくらがキューバが変わることを惜しんだり、望んだりするのは、お門違いでしょう。でも、とにかく言えることは今キューバは変化の時期にある、ということです。

疲れた日は家の中でギターを弾きます。インドで買ったギターもとうとうキューバまでやってきました。壊れませんように。後ろの絵は芸術です。

 

ご存じの通り、何十年も続いたアメリカとの国交断絶。それがまさに今年の頭、緩和されました。キューバ人は国交が断絶されながらもアメリカが大好きです。アメリカのヒップホップやファッションなど、若者はみんな大好き。チャンスがあればアメリカに行きたいという人も少なくありません。

ぼくはハバナ沿いの海辺が好きでした。特に夕陽が見える頃、釣り人たちが帰りを惜しんで、ぎりぎりまで釣りをしている様子が、大好き。

怖い話ですが、フロリダまで船で密入国する人も少なくないのです。もちろん海上で嵐に遭い亡くなる人もいますし、海上でアメリカに見つかれば強制送還。だけど、アメリカの「陸に上がってから見つかった場合は見逃してもらえる」というルールを頼って、今でもフロリダ目指して不法入国する人が耐えない。

なぜ彼らはキューバを出てアメリカに行くのか……。一概に言えませんが、一部の人は過剰なアメリカへの期待があるようです。事実「アメリカに行ってみたら思ったほど住みやすくなかった」と言って、帰りたくなる人もいるようです。隣の芝生は青い。そんなケースもあるというわけ……。

もちろん切実な思いを持って、アメリカを目指す人もいます。

まだ髪が長かった頃。キューバはどの町も海沿い。どの海もカリブ海。楽しいよ。

なんにせよ、これから何かが変わっていきます。政策的なことを言えば、アメリカとの外交が増え、輸出入が増え、外貨が入ってくる。通貨の価値が変動し、物価が変動し、行き来する人が増える。

それでどうなるか? それは数年後に行った人が教えてくれるでしょう。でも、変わる前を知りたければ、今です。今でも遅すぎるくらい。この記事を見た瞬間に航空券を取るくらいの「今」しかチャンスはありません。

キューバが大好きだ

「ビールある?」「ない」「ラムはどんなのがある?」「これだけ」と結局このバーには1種類しか酒が置いていない。なのに客はいつもいる。楽しい場所でした。

ぼくはキューバが大好きです。

ぼくらが好きだったバンド。このバンドが好きで「次見かけたらCD買ってあげよう」ときめていたのに、それっきり会えなかった。一期一会。チャンスは逃してはいけないことの教訓。

例えば「葉巻が好きだから」とか「キューバ人がいつも楽しそうだから」とか、好きな理由を挙げればキリがないのですが、なんかうまく説明できない魅力もあるのです。普通に生きていることが楽しい。そういう魅力。

キューバの家はカラフル。それが派手派手しくなくて、不思議な統一感で保たれているのはなぜだろう?

カナダ人など、北米の人にとってもキューバは魅力的な場所のようで、毎年何度も来る人がいます。中南米にたくさん国があるのに、こうしてキューバを選んでやってくる人が多い背景には「なにか」があるのですね。

その何かを言葉で短い説明するのはすごく難しい。だけど行った人はみんな「キューバいいよ〜」と言う。日本人の定番の旅行先ではないキューバですが、ぜひ行ってみてほしい国のひとつです。

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