陸路ではいけない最大の都市イキトスに陸路と船で行く 船の上のハンモック編

陸路ではいけない最大の都市「イキトス」に行く「後編」です。26時間の車移動と120時間の船移動。後編は船移動のお話です。

前編の車移動はこちらをどうぞ▶陸路ではいけない最大の都市イキトスに陸路と船で行く〜トラブルだらけの陸路編


港に到着したものの……

昨日のブログに書いたとおり、26時間の4駆での移動を経て、プカルパという川沿いの港町に到着しました。下の写真の向こうに見えるのがアマゾンの都市「イキトス」に向かう船です。写真だと分かりづらいですが、地面はドロドロぐちゃぐちゃで大荷物を持って歩いていくのは難しいと思うほど、そのため荷物を運んでくれるサービスもあります。ぼくらは気合いで自分で運びました。

まずはチケットの買い方を調べなくてはいけません。Miaが船に乗り込んで聞いてみたところ、こんなことを言われました。

「チケットはココで買えるよ。料金は100ペソ(5000円くらい)。だけど出航日は未定なんだ。荷積みが終わったら出航するから、今晩か、明日か……。乗るなら、今から乗っちゃって泊まっていいよ」

こう言われてしまうと、困るのです。なにしろもし明日の朝、また来てみたら出航しちゃってるかもしれないのですから。だから嫌々ながらも、動きもしない船で夜を越すことにしました。

ところがこの船に乗るにはチケット以外に必要なものがふたつあります。それはハンモックお皿です。というのもこの船、ベッドなんてありません(一応、個室にはありますが、ずいぶん先まで埋まっていて乗れません)。ハンモックの紐をかける場所が船中にありますので、自分でハンモックを買ってきて、そこに寝ることになるのです。

「ハンモックなんてどこで買えるの?」と心配する必要はありません。そこら中で買えます。

買い物を済ませて中に入ると、もうハンモックだらけです。

オロオロするぼくらを見かねたスタッフが、率先して場所を見つけて、ハンモックを掛けてくれました。地元の人ばかりで、ぼくらのような外国人旅行客はほとんど見かけません。チリ人の旅行客は何人かいましたね。

第1日目 動かない船上の生活

さて、船に乗っても移動は始まりません。さきほど書いたように、まだ荷積みの真っ最中なのです。外を見ると、船の横にはトラックがたくさん。そして荷積みは100%人力。労働者がトラックから荷物を背負い船に持ち込みます。働き蟻のように行ったり来たり……。1台のトラックにゆうに1時間はかかります。そのトラックの数……いくつだろう。何十もあり、それは今もなお増えているのです。

「どう考えても今晩の出発はあり得ない」
「それどころか明日も出発できないのでは?」

諦めてこの日は寝ました。ハンモックで寝るのに慣れず、身体を動かして、寝心地のいい根方を探します。近くの現地のおばちゃんは上手に寝るんですね。参考にさせてもらいましたが、最初の頃はただひたすらぎこちなかったです。

船の中はすることがないけど、船の外にも何にもない。しかたなく船の中でごろごろします。

第2日目 朝、出発するかと思いきや

思ったよりもハンモックの寝心地は良く、快適に夜は過ごせました。朝起きて最初にやったことは、窓の外を見て船が動いている確認すること。残念ながら動いていません。

荷積みの様子を見に行くと、トラックの台数は減るどころか増えている。朝出発するかもしれないと行っていたスタッフの神経を疑います。朝どころか、今日中に出発できるかどうかさえ怪しいと思うのですが……。

みんないつ出発するかも分からない船の中で、時間を持てあましています。食べ物は定期的に地元の売り子が来てくれるので、なんとかなります。というか、果物でもご飯でも、何でも手に入ります。

この日の午後のことです。スタッフがやってきて、ライフベストを配ってくれました。きっちりひとりひとつ配ってくれます。見るからに頼りないぼろいライフベストですが、ないよりは100倍増しなので、しっかり確保。周りの人を見るとみんなちゃんと自分の分を確保しています。まるで沈む可能性が高いかのように……。

ということは出発か?

そう、この日の夕暮れを過ぎて、やっと船は動き出しました。船に乗ってから出発までに24時間以上。辛かった……。でも動き始めると気分は変わるものです。目的地に近付いているという感覚は沸いてきます。

隣の隣にいたおばちゃん。もうハンモックになれきっていて、ごろごろ寝返りを打ったり、自由自在にハンモックの上で生活しています。ハンモックの妖精です。

この船、動き始めると食事がつくんですね。最初の食事は朝食。見た目はまったくうまそうじゃないですが、実はうまかったです。毎朝パンと暖かい汁物でした。ちなみに食事の時間になるとキッチンの調理担当がカンカン!と窓枠を叩いて知らせてくれます。で、乗客が一斉にキッチン前に並ぶ、と。まるで囚人のような生活です。

いつかの食事です。こんな感じでひとつの容器に全部入れてくれます。見た目は全くうまそうじゃないですが、シンプルで、意外と悪くないものです。ちなみにバナナは毎回必ず入っていました。見た目はバナナですが、味は芋ですね。で、ちゃんと芋も入っているので、とにかく腹には溜まるのです。

こんな食生活だと飽きてしまうのですが、売り子がいろんなものを売って歩いてきます。途中の港に着くと、その村の売り子が入ってくるのですが、それ以外にも乗客が物を売っているケースも多いです。自分が移動しながら、車内で商売しているのですから一石二鳥です。

ぼくらがお気に入りだったのはスイカを売っていたお兄さん。おかげで美味しいスイカにありつけました。

ほかにもココナッツの売り子もいましたね。ストロー指して、ココナッツジュースを飲見ます。

で、周りの実もナイフで切って食べます。ココナッツは本当に美味しいですね。

動物園状態の子どもたち

こんな閉鎖的な空間に閉じ込められた子どもたちは、当然のごとく大暴れ。ぼくらも子どもは嫌いじゃないのですが、最初の頃にひとつ計画を立てました。それは

「子どもがなつくと、船旅の数日間、延々付きまとわれるから、距離を置こう」

というもの。子どもは嫌いじゃないとは言え、延々大騒ぎの子どもたちが周りにいたら大変。そう思って、時々近寄ってきてもあまり愛想を振りまかなかったんです。しかし……、2日目くらいになって、ちょっと心を許したらさあ大変。船上の子どもたちが集まって、全部揃ってぼくらのところにやってくるじゃないですか。しかもスペイン語で畳み掛けるように話しかけてくる。

この時、ぼくは誓ったことがあります。

「子ども、好きですよ」とはもう言わない!

ぼくは「適度な人数の子どもたちと、ときどき一緒に遊ぶのが楽しい」のです。決して24時間、大勢の子どもに付きまとわれて、騒ぎ続けるのが楽しいわけじゃない。そんな中、隣のハンモックにひとりの少年がいました。

彼は他の子どもたちよりもちょっと幼く、グループに入るよりもお母さんと一緒に遊んでいる方が嬉しいようです。ぼくらに興味はあれどシャイで、寄ってくるほどじゃない。ときどき手を伸ばしてぼくらに触ろうとする程度。この子だけは積極的に遊んであげました! この子専属の遊んでくれる大人になってあげたというわけ。

船の中の暇つぶし

船の中での暇つぶしは延々Kindleで電子書籍の読書です。便利な世の中になったものですね。朝から晩まで読書していました。

なんと船の中に数個のコンセントがあり、昼間以外は使えるのです。そこに乗客が交互に携帯電話を指して充電します。夜は大混雑するので、朝早起きして、誰よりも早く充電。このおかげで船旅の間電池には困りませんでした。ありがたや。

実は売店もあり、ビールも買えます。ちょっと割高ですが、たまにはありがたいです。ハンモックに揺れながら、ビールを飲み、読書。読書好きにはたまらない空間です。この船はすることがなく一見辛い旅に見えますが、読書好きには「本しか読めない」という天国のような空間でもあります。

何を隠そう、スマホのKindleに常に50冊以上の未読本を抱えている状態なので、読む本がなくなることはありません。Amazonさん様々です。

ちなみに夜はもぞもぞとみんなハンモックに入って寝てしまうので静かなもの。ときどきうるさい若者がいますが、思ったよりも快適でした。

衛生面はどうかというと、一応毎日掃除が入るものの、やはり汚い。常に湿っています。またシャワー兼トイレルームはいつも水浸し。出てくる水は川の水を汲み上げているだけなので、真っ茶色。口に入ったらすぐ病気になるな、とすごく用心していました。男のぼくはともかく、女性には過酷な環境だと言えるでしょう。

5日間の旅

こんな船旅は最初の停滞日を含めて5日も続きました。いつ目的地に着くかも分からず、明日かな? 明後日かな? なんて考えていたら到着となりました。

みんなもぞもぞとハンモックを片付け始めます。

この時「やっと解放される!」という喜びが心の底から沸いてきましたね。そして5日も過ごしたこの場所に若干の名残惜しさもありました。

イキトスに到着しても、すぐに降りることはできません。どうやら荷下ろしをしたりしてから、降りられるそうです。が、ちょっとお金を払うと小舟で降ろしてもらうこともできるようなのです。ぼくらもその船に乗って、陸に上がります。

見上げると一緒に5日間の旅を戦った戦友、ならぬ船友たちが!

こうしてイキトスに到着しました

前編の車旅26時間、船旅120時間をかけてイキトスにやってきました。飛行機で行けば数時間でしょう。お金もそれほど高くないはずで、普通の旅行客はみんな飛行機を選ぶでしょう。この移動は過酷で、時間もかかり、おもしろいわけでもないので、喜んで挑戦する人は多くないようです。

が、現地の人の重要な移動手段になっているのは事実。アマゾンの中に住む人たちが、アマゾンの内外を出入りするときはみんなこの移動をこなすわけです。その光景を垣間見れたというのは、ぼくらとしては “おもしろい” 経験でした。

それをおもしろいと思う人ならば、試してみるのもいいでしょう.

ちなみに

この旅ではインドネシアでも船旅をしました。あれも大変だった……。
【74日目】マレーシアからインドネシアへ<2>

移動絡みでおもしろかったのはヒッチハイクに挑戦した、あの日でしょう。
1ヶ月のボランティア生活を終え、ヒッチハイクで北部の町へ大移動!

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