水上のスラム街と言われるベレン地区を象徴する8つの事実

ペルーのイキトスには水上のスラム街と呼ばれるベレンという地区があります。そこで見た、住民の生活を象徴する8つの事実をご紹介したいと思います。


ベレンという地区

まずこの場所はイキトスの中心地から3輪タクシーで10分とかからないような場所にあります。中心地にはカジノや大きなスーパー、洒落たバーも博物館だってあります。つまり整備され発達した観光地と言える場所です。

一方でベレン地区はスラム街と言われているくらいで、貧しさが滲むエリアとなっています。下の写真に見える、向こう側に見えるあたりがその場所です。

ベレン市場という場所を通って、降りていくとアマゾン川のほとりに小型の船がたくさん停泊しています。そして「船で街を案内する」という客引き。値段を聞くとひとり2ドル程度。値切ったりせず乗ることにします。

さて、そうして船で回って見る、ベレンの事実を紹介していきましょう。

1. 家が水の上にある

水上のスラム街と呼ばれるくらいですので、まさに水上にあります。どこの水上かと言われれば、アマゾン川の上です。アマゾン川の水位というのは雨季と乾季で大幅に変わります。アマゾン川を運行する大型船も水位が下がる乾期は動けないほど浅くなります。そのため、この「水上」と言われる地区も、乾期になると水が引きます。

水が引くとどうなるか? 乾いた土が現れるのではなく、ヘドロのようになった地面が鵜S型を表すそうです。ぼくらが行ったのは雨期なので、その様子を見ることはできませんでしたが、話によると生乾きで悪臭がするそうです。

2. みんなが船を持っている

全員かは分かりませんが、多くの家庭に船がありました。家から陸まで行くのに船は必需品です。例えば船が1隻しかない場合、家族のひとりが外出すると残った者は家に取り残されて、外に出ることはできません。

おそらく近所の人などで協力し合うのでしょう。

3. 家には2種類ある

水の上にある家々ですが、作りには2種類あります。ひとつは高床式の家。高い基礎があり、その上に家が建っている形です。もうひとつは水の上に浮くタイプ。浮くタイプの家は、当然どの家も同じ高さになっていますが、高床式の家は、家庭によって高さが違います。安全のためか、すごく高く作られている家なんかもありました。

ちなみに上の写真は高床式タイプ。下の写真は浮遊タイプの作りです。

浮いていると言ってもうまく固定されているのか見ている限りは揺れているようには見えませんでした。こればかりは家に上がっていないので分かりませんし、悪天候でどうなるかは想像するしかありません。

4. 電気は通っている

上の写真を見て分かる通り、なんと電気は通っています。水の中に電信柱が立ち、手作り感溢れる電線が家々に引かれています。

電力がどの程度安定しているのか、知るすべもありませんが、ちゃんと電気はついているのを確認しました。

5. 犬も水上生活

この町に住むのは人だけではありません。そう、ペットの犬もいるのです。

ぼくらは船でこのベレン地区を回りましたが、結構たくさんの犬を見ました。散歩はどうするのだろう? と気にはなりますが、見る限り闋に繋がれることもなく、浮いた家の上を自由に走り回っていました。もしかするとアパートなど中に住んでいる犬よりも自由度は高いかもしれません。

6. 水上のガソリンスタンド

なんと水上にあるのは家だけではありません。ガソリンスタンドや商店、飲食店もあります。話によるとディスコ的な商売もあるようです。ガソリンスタンドはもちろん船のため。車は来られませんから。

7. 明るく無邪気な子どもたち

見ていると家にはもちろん子どもたちもいます。スラム街などと呼ばれ、どんな表情をしているのかと思えば、通りがかるぼくらに対して笑顔を振りまいてくれたり、興味津々で兄弟たちと覗き込んできたり、その目は他の場所で見る子どもたちと全く同じです。

治安が悪く、環境が悪いというだけで、そこに育つ子どもまで違った雰囲気を持っているのでは? と考えてしまう人もいるかもしれませんが、子どもは健やかに育っているようです。

8. 無法地帯の市場がある

このベレン地区にはベレン市場という、すこぶる治安の悪い市場があります。

ある日「ベレン市場に行きたいけど、どうやって行けばいい?」と宿の人に聞いたところ、「この時間(4時過ぎ)から行って、暗くなったら危ないから明日にしなさい」と注意されたほどです。また翌朝行って、カメラを構えていると、地元の人に「カメラは見せちゃダメ」と注意されました。南米は全体的に治安は悪い傾向がありますが、その中でもここは特別らしいです。

とはいえ、こうして注意してくれる人はもちろんいい人ですし、ベレン地区に住むほとんどの人は、健全に生きている人だそうです。一部の悪者が、あるいは貧困に追い詰められた人たちが、ひったくりなどをしてしまうようですね。行かれる際は注意してください。

また治安が悪いだけでなく、法律的に販売してはいけないものも多数販売されています。例えば食用の亀やわに。そういった野生動物の捕獲・販売は禁止されています。警察もたくさんいるのですが、賄賂で許されているそうです。

買わないのが唯一できる対抗策かと思います。

栄えた街のしわ寄せ?

1900年からゴムブームで栄えたイキトスの街。どんな繁栄した街でも必ず、誰かにしわ寄せが行くもの。繁栄の影で貧富の差が生まれ、追いやられる形でこうしてベレン地区が形成されたのだろうと思います。

こうして見てみても、自分たちには何にもできず、ただ見て帰ってくると言うことに、無力感どころか、それを観光していることに罪悪感さえ感じました。「知ることは第一歩」と信じる、というか自分に言い聞かせて、旅を続けたいと思います。

なんだか旅をしていると、なにかを知り、無力感を感じるということが多い気がします。旅を終えても忘れないようにしなくては——。

ちなみに

水上都市と言えばまず思い浮かべるのがヴェネツィア。そこはこことは全く違う場所でしたがね。
ロンドン在住のMiaの友だちに会いに水の都ヴェネツィアへ!(前編)
ロンドン在住のMiaの友だちに会いに水の都ヴェネツィアへ!(後編)

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