インカ時代から飲み継がれるトウモロコシのビール“チチャ”は地元客に愛される酒だった

南米アンデス地方で有名なトウモロコシのビールと呼ばれるチチャ。ボゴタの飲み屋ではちゃんと地元の人に愛されるお酒でした。その驚きの製法と、味を伝えしましょう。


チチャってなに?

チチャというのは、西暦700年ごろに作られていたという情報もあり、非常に古いアンデス地方のお酒です。古くは宗教的な儀礼用に用いられ、その後インカ時代には国民を働かせる見返りとして使われていたということで、政治的な利用もされていました。

作り方はなんと “トウモロコシを噛んで、唾液の酵素で発酵させる” という原始的な方法。とはいえ、今はそんな作り方はしていません。そんなことしていたら唾液がいくらあっても足りないでしょう。口の中がカラカラになってしまいます。

さっそく飲みに

コロンビアの首都ボゴタの旧市街では、このチチャを売りにした飲み屋が多くあります。トウモロコシのビールというキャッチフレーズで売られているのを見て「これは飲まなきゃ」となったわけです。

こんな通りに飲み屋はあります。これは明るいときの写真ですが、暗くなると、文字通り真っ暗になるので、ひとりで行くのはやめましょう。この辺でパン泥棒が出ました過去記事参考)。

暗くなるとこんな感じ。

この場所が宿から近く、徒歩3分もかからないので、ぼくらは飲むときはいつもこのあたりでした。観光者も多いですが、地元客も多く、旅行客と地元客が入り乱れる様子はさすが首都という印象です。

適当な飲み屋に入ると、ぼくらと同時に入店した地元の客がチチャを注文しているのが聞こえました。すかさず「ぼくらも」とウェイターに伝えます。なんかサイズを聞かれたのですが、いわゆるS・M・Lのような区分けではなく、何のことか分からないので、とにかく同じものを、念のためひとつだけ注文します。

そして出てきたのはこれ。

真っ暗で申し訳ありませんが、まぁ、薄暗いムーディーなお店なのです。ぼくらの後ろには人目も憚らず1時間以上に及びキスをし続けるカップルがいるようなお店なのです。チュッチュ、チュッチュ、と舌が絡む音が……、これ以上は書けません。

とにかく出てきたのは大きなお椀に入った白いお酒です。日本のどぶろくの濃いやつと言えば、見た目のイメージは湧くだろうと思います。そしてストローが2本。ぼくらと同時に入った地元の客は女性ふたりでしたが、同じお椀をふたりで吸ってました。

さて、飲んでみます。

酸っぱいです。Wikipediaには「ブドウジュースのような味」とありますが、近からず遠からず。甘くて、酸っぱくて、アルコールは少なめ。すごく原始的なお酒の味です。ネパールのヒマラヤ山中の村でも原始的な手作りのビールがあるのですが、それともなんとなく近いようです。

愛される伝統

こういう伝統的な古いお酒とか料理って、大抵若い人には好かれず「なんか年寄りが好きなもの」になりがちですが、どうもここボゴタでは地元の人にも愛されているようで、来る人来る人みんな飲みます。

地元の人に聞くと、やっぱり好みのチチャがあるようで「あそこは美味しい」とか「あそこはいまいち」とかこだわりが垣間見られます。

昔は唾液で作り、労働のあとに振る舞われたというチチャ。

そんなインカ時代に思いを馳せながら飲んでみるのもいいのではないでしょうか?

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