1日滞在費は133ドル? それとも3.8ドル? ベネズエラ入国前に知っておくべき闇レートについて

ベネズエラを旅するならばひとつだけ理解しておかないとならないことがあります。それは闇レートについて。


公式レート

ベネズエラは両替レートが固定になっています。日本も昔はそうでしたね。ベネズエラの両替レートは1ドル=6.3ボリバル。ここ数年、ずっと変わらずそのレートです。

さて、闇レートの話題に入る前に、もし公式レートで旅をしていたら、ベネズエラでの滞在にいくらかかるか考えてみましょう。いくつか例を挙げます。

  • レストランでの標準的な食事(昼夜) 180ボリバル = 28ドル
  • レストランでの朝食(揚げパン+コーヒー+ジュース) 110ボリバル = 17.4ドル
  • 今ぼくらが泊まっている中級(?)の宿 600ボリバル = 95ドル
  • ビール 35ボリバル = 5.5ドル
  • ソフトクリーム 40ボリバル = 6.3ドル
  • カフェのコーヒー 30ボリバル = 4.7ドル

さてドルで1日に換算してみます(ひとり分で計算)。

  • 朝食 110 ボリバル
  • 昼食 180 ボリバル
  • 夕食 180 ボリバル
  • 宿代 300 ボリバル
  • ビール2本 70 ボリバル

合計:840 ボリバル = 133ドル

しかもこれはひとり分の金額。ぼくらはふたりで旅しているので、この2倍。つまり1日266ドルもかかる計算です。しかも言っておきますが、それほどの贅沢はしていません。節約しようと思えば自炊したり、宿のランクを下げることはできますが、それでも3桁ドルは確実でしょう。

コーラもごらんお通り95ボリバル。公式レートだと15ドル……。飲めるか!?

 

おかしいぞ、と思わなくてはいけないわけです。

闇レート

さて、前置きが長くなりましたが、本題です。

そんなおかしな公式レートがある一方で、闇レートと呼ばれるレートも存在します。こちらは日々変動しており、一概に「いくらだ」と言いにくいのですが、ぼくらの滞在中を見る限り1ドル=180〜240ボリバルを変動しているようです。

よく見かける闇レートは1ドル=220ボリバルくらい。このレートで改めて、日常的なものの価格を見ていきましょう。公式レートと比較してみてください。

内容 ボリバル 公式レート換算 闇レート換算
レストランでの標準的な食事(昼夜) 180ボリバル 28ドル 0.8ドル
レストランでの朝食
(揚げパン+コーヒー+ジュース)
110ボリバル 17.4ドル 0.5ドル
今ぼくらが泊まっている中級(?)の宿 600ボリバル 95ドル 2.7ドル
ビール 35ボリバル 5.5ドル 0.15ドル
ソフトクリーム 40ボリバル 6.3ドル 0.18ドル
カフェのコーヒー 30ボリバル 4.7ドル 0.13ドル

これで計算すると、1日ひとりあたり3.8ドル。

どうですか? 公式レートで旅をすると1日133ドル、闇レートで旅をすると1日3.8ドル。異常な差があるのです。

闇レートでの両替!

「闇レート」と呼ばれていますが、どこでも両替できます。旅行代理店、ホテル、飲食店、もちろん両替屋もあります。ただし闇レートは日々、あるいは1時間おきに刻々と変化しており、人によって全然言うレートが異なります。

だから自分がほしいレートを探さなきゃいけないわけですね。

ぼくらは210で両替しました。見てください、この札束!

見て気付いた人もいるかもしれませんが、なんと最高額のお札が100なのです。100ボリバルと言えば、闇レートで0.5ドル程度。50円ですよ。札束が100枚単位なのですが、その札束ひとつで50ドル程度。

両替したときはこんなにたくさんお金があって、テンションも上がりますが、減るスピードもかなりのもの。例えば「せっかくこんなに物価が安いのだから良い物食べよう!」とちょっといいレストランに入ります。

どうですか、この山盛りの肉! 旅に出てからあんまり肉を食べなくなっていたので、久々に肉を食べてみました!


これらが大体400ボリバル(1.8ドル)。ふたりでこういう食事を食べて、絞りたてのフレッシュジュースにコーヒーもつけると、あっという間に1000ボリバル。お札10枚がなくなります。

つまりこういう良い食事を10回も食べれば札束がひとつなくなる、というわけ。

この辺の物価感覚について、コーラやマクドナルドを例にとって、妻が記事を書いています。こんなビックマックも闇レートでは97円。安いですね(とはいえ、他のベネズエラのレストランに比べると、高いんですが)。

インフレのベネズエラでビックマックは97円
ベネズエラでは「コーラ1缶660円」というのは本当なのか?

で何が正しいのか

政治的背景など、熟知しているわけではありませんが、滞在を通して言えることは「公式レートが崩壊している」ということ。よく考えてください。ベネズエラのことをあまり知らない人でも、裕福な国ではないことくらい分かると思います。

ベネズエラ人もビールやコーヒー、ソフトクリームなどは日常に食べます。ビールに5.5ドル、ソフトクリームに6.3ドルも払えるわけがないのです。

通貨の価値がドンドン下がっていて、レートが固定されているせいで激しいひずみが発生しているのでしょう。闇レートというと、「悪徳」のような気配を感じるかもしれませんが、少なくとも現状で言えば、闇レートの方が妥当な相場に見えるくらいです。

iPhoneは安く買えるのか?

実はぼくらはベネズエラに来る前に企んでいたことがありました。

それは「闇レートで両替して、ベネズエラ国内で高価な電化製品などを買えば安くなるのではないか?」ということです。iPhoneやMacなどを買おうと思っていました。

例えば他の国で800ドルする商品がベネズエラで5040ボリバル(公式レートで計算)で売られているのではないか? と考えたわけです。だってそうでしょう? 国が発表しているレートなのだからインターナショナル企業や販売店はそれに従っているはずだと……。

もし5040ボリバルで手に入るのであれば、闇レートで計算すれば22ドルです。800ドルのものが22ドルで買える計算になる。iPhoneでもたくさん買って、国外で販売する商売ができちゃいます。

でもそんなに甘くありませんでした。iPhoneなどを調べてみると、しっかり闇レートを加味した金額で売られています。800ドルの商品であれば、161.600ボリバル。つまり闇レートで800ドル相当になります。

つまりですね。高額な商品(あるいは国外から輸入している商品)は闇レートが売価決定のベースになっているようなのです。

だから、闇レートはもはや公式レートと言っても良いくらい。言い換えると、闇レートの方がまだ国民の感覚に近い、というわけ。

旅人へ

最後に旅人でこれからベネズエラにいく人に忠告です。

ベネズエラ国内で絶対にクレジットカードを使わないように。カードは当然、すべて公式レートで計算されます。だからみんなドルを持って入国するのです。ところが、ドルは悪徳警官に見つかると没収されるケースがある。そこでみんなあの手この手でお金を隠して、持ち込んでいるようです。

アレコレ工夫してみてください。

ではみなさん、良い旅を

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