ベネズエラで子どもの本質を見た コーラに砂糖を入れる夢見る子ども

世界一治安が悪いと言われるベネズエラ。公式レートと闇レートの差が40倍近いベネズエラ。物不足のベネズエラ。そう聞くと、ある意味ですごく特別な国に思えるのだけど、本当はぼくらの国と同じなんだな、と思わせられる少年たちと出会いました。


同じ宿に泊まった家族

ぼくらが滞在している宿は平家造りで、誰か新しい客が来ればすぐに分かるし、お互いの顔を見ずには過ごせない作りになっています。だから長期滞在しているぼくらは、誰かが来るたびに「どこの国の人だろう?」とか思うわけです。

で、来る客と言えば、外国人よりも、ベネズエラ人の方が多い印象です。特に首都カラカスから家族で遊びに来るケースが多いかな? ベネズエラの中でも涼しいエリアなので避暑地として来るのだと思います。

ある日やってきたのは若い両親と子どもたち。ベネズエラ人というのは南米にしては本当に静かな国民性で、どこか日本人的です。むやみやたらと近寄ってこないし、本当に「どうも」「どうも」という程度の挨拶しかしません。

感じが悪いという意味ではなく、そういう距離感なんです。日本人もそうでしょ?

そんな中、子どもは普段あまり目にしない外国人に好奇心は隠せないわけです。

ちょっと近くを通るたびに、何かを言ってきます。「何か」というか、ぼくがスペイン語が分からないので、何を言っているのか分からないんですね。「スペイン語が分からないんだよ」と伝えると、困った顔をして去って行く。

子どもはコーラに砂糖を入れた

そんな微妙な距離感を保っていた子どもたちですが、ある日グッと距離が縮まりました。それは彼らの滞在の最後の夜です。たぶん、子どもたちは宿の夜に退屈してしまって、何かおもしろいことを求めていたのでしょう。そんなとき、ぼくらが残していたコカ・コーラを「いる?」と子どもたちに勧めてみたわけです。

「いる!」

当たり前ですよね。コカ・コーラが飲みたくない子どもなんていないでしょ? まぁ身体に悪いので、本当は飲ませたくないところですが、1杯分しか残ってないし、少しは楽しいだろうと、思ったのです。

子どもがコーラを飲む様子を眺めていました。すると、近くにあった個包装の砂糖を目にして、目をきらつかせます。もう、冗談みたいに目を大きく見開いて、光らせているんです。

そしてその砂糖をコーラに混ぜました!

「マジかよ!?」

と、ぼくらは苦笑い。コカ・コーラだけでも「身体に悪い」なんておっさんみたいなことを言っていたのに、そこに砂糖を入れたのだから、たぶんコカ・コーラ社も驚くことでしょう。

冗談でも何でもなく、彼らはそれを嬉しそうに飲む。個包装の砂糖袋の中身に、少し砂糖が残っているのを見ると、口の中に流し込む。甘い物に飢えてるんですね。なんだか少しかわいそうに思えてしまいました。

彼らの夢はスポーツ選手

彼らにはMiaが味噌汁も作ってあげて、「日本のスープだよ」と言って飲ませてあげると大喜び。残さず食べてくれました。

(たしかなんかの野菜だけ残していて、それがまた子どもっぽくてかわいかった)

「将来何になりたいの?」

打ち解けてきた頃に聞いてみました。

「サッカー選手」
「バスケ選手」

兄弟そろってスポーツ選手。

ぼくらのスマホを見て、少年達はYouTubeを見始めました。検索して流れ始めたのはこてこてのヒップホップ。それがまたかわいくて、ぼくは「子どもってどこの国も変わらないな」とつくづく痛感したのです。

政治とか、経済とか、治安とか、物価とか、物不足とか、子どもの本質とは何には関係ないんですね。子どもの本質って、溢れる好奇心と夢や野心。なんか、ベネズエラを見ていて「こんな状況じゃ夢も見られない」と勝手に決めつけていた自分に気が付きました。

大人はこういう政治・経済の状況を見て、「なにができないか」を考えるけど、子どもはそんなのお構いなしに「なにをやりたいか」を考える。

なんか子どもって凄いな。

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